リエラの素材回収所

霧ちゃん→霧聖羅

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二年目 勧誘員現る

クレール先生

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 今日の授業が終わると早速、二人に私の考えを説明。
二人とも同じような結論がでてたのか、あっさりと一緒に進路指導の先生の下へと向かう。
進路指導の担当は、スフィーダにある魔法学園に通っていたこともあるクレール先生。
私とアッシェに、しつこく魔法学園に推薦したいと迫ってきていたんだけど、最近はやっと諦めてくれたみたいで静かになってる。
今日、会いに行ってまた説得されたらいやだけど、他に手が思いつかなかったから仕方がない。
背に腹は代えられないってやつだ。

「では、お覚悟はよろしいです?」
「ん。」
「しつれーしまーす!」

 三人で扉の前に並び、一呼吸。
ポッシェが、入室の挨拶と共に意外と優雅な仕草で扉を開く。


――ちょ、ポッシェ!
  返事が来る前に開けちゃダメ。


 なんて言葉が間に合う訳もない。

「ちょ……、どうぞって言ってから開けなさいっていつも言ってるでしょう?」

 部屋の中では、応接セットの椅子から、半分腰を浮かせかけた先生と登校時にここまで案内してきたお兄さんの姿。


――何でここに居るし?


 予想外の人物の姿に首を傾げる。
あっちも驚いた顔をしてるけど。

「まぁいいや。
 丁度君たちの話をしてたところだから入りなさい。」
「はーい。」
「しつれーしまーす!」
「お邪魔します。」

 呆れた顔をしながらも手招きするクレール先生にすすめられるままに、お兄さんの前の椅子に並んで腰かけるのを待ってから、先生が口を開く。

「さて、丁度いいって言ったのは他でもない、ここに居る彼から素晴らしい話が持ち込まれたからなんだ。」
「素晴らしい話、です?」
「ああ、魔法学園に入学するよりも素晴らしい話だ!」


――まさにその話についてご相談にきたんじゃないかな、私達。


 心の中でそう呟きつつ、先生のお言葉に静かに耳を傾ける。
まぁ、この場にお兄さんが居るので想像してた通りの内容でした、まる。
とはいえ、途中でお兄さん自身が先生のお話を中断させたんだけど。

「――先輩、この子達にはもう既に話し終わってる話です。」
「なんと!?
 それなのに、この僕のところに一体何の要件が……!」

 片手を上げて制止するお兄さんの言葉に、椅子から腰を上げた先生がいかにもショックを受けましたと言った表情を浮かべよろけてみせる。
いつもながら、物凄くワザとらしくてウザい。
そして、お兄さんが先生の後輩だとは……。
世の中って意外と狭い?

「冗談はおいといて、だ。」

 先生はコホンと咳払いをすると、居住まいを正す。

「用件は、彼――アスラーダ君の求人に対していい顔をしていない孤児院の大人お家の人の説得について、でいいのかな?」
「なのです。」

 相変わらず、察しがいい。
無駄に喋らなくても、その時の状況で大体の要件を把握してくれるのは、この先生のいいところ。
大分ウザい性格だけど。

「まぁ、不安を感じるのも分からなくはないな。
 実際のところ、孤児院の子達に持って行くのには条件が良すぎる。」
「……エルドランではそんな反応はなかったんですが。」
「それは、一人だけとはいえ、きっちりとした実績があるからだろうね。
 本人からの何度にも渡る仕送り。
 その上今回は、里帰りと称して、大量のお土産持参の上で生まれ育った孤児院に滞在させてるんだから。」

 先生のちょっとキツイ言葉に、お兄さんはがっくりと項垂れてしまった。
それにしても『大量のお土産付』かぁ……。

「もしかしてお兄さん、今朝大量の食材を持ち込んだのって、そっちで評判が良かったから?」

 ……表情からすると、正解らしい。

「むしろ、それのせいもあっておばーちゃん、警戒してるですよ。」
「あんまり気前がいい人は、裏で悪い事を考えてるってよく言ってるもんね。」

 お兄さん、今度は『やっちゃった?』って感じの顔から『すごく困った』顔になってる。
本当に表情がコロコロ変わる。
みててちょっと飽きないくらいだけど、院長様の紹介からすると、この人お貴族様のハズなのにこんなに顔に出てていいのかな?
お貴族様には腹芸とか言う、表情から内心を悟らせない技が必要だって聞いた事があるきがするのに。

「……仕方がないなぁ。」

 お兄さんのそんな百面相を暫く眺めていた先生が、苦笑交じりにそう呟く。

「一度きちんとした実績を作れば、次は問題なくなるだろうから、今回はアスラーダ君の魔法学園での先輩である僕が一肌脱ぐことにしよう。」
「助かります。」

 先生のその言葉にホッとしたのは、お兄さんだけじゃなく私達も。
この後、クレール先生が孤児院に出向いて院長様を口説いてくれたおかげで、私達は心置きなくグラムナードへと向かう事が出来るようになったのでした。
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