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二年目 いざ、グラムナードへ!
トラウマ
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「管理者とか、輝影の支配者とかってなんなのです?」
私達が情報を整理しきれないでいる中、いち早く立ち直ったのはアッシェだった。
彼女が口にしてくれたのって、私達が理解できない事の根本だよね、多分。
「管理者について、何も知らないの?」
「初めて聞くです。」
驚いた顔で問い返すソルさんに、アッシェは大きく頷く。
「んー……困ったな。
グラムナードの民の中では普通の知識なんだよ。」
そう口にした彼は、困った様な笑みを浮かべる。
「この世界の名前は知ってる?」
「キトゥンガーデン、なのです?」
「うん、そう。]
キトゥンガーデンってなんぞや?
でも、何故か当然のようにアッシェの口から出てきた言葉がそれだと認められたみたい。
――へぇ……。
この世界って、そんな名前があったんだ。
めっちゃ初耳。
ソルさんも、アッシェも良く知ってるな……。
アッシェだけが突然そんな事をいいだしたんなら、私の事を担ごうとしてるんじゃないかと思っちゃうかもしれないけど、よその人まで知ってる事なら本当にそうなのかも。
きっと私が読んだことがない本にでも書いてあったのに違いない。
後で読んでみたいから、タイトル教えて貰おう。
「管理者って言うのは、猫神様の手が回らない部分を管理する為の存在みたいだよ。」
「神様の下っ端なのです?」
「あはは。
表現はちょっとアレだけど、そうかも。
その中でも一番最初に創られたのが、輝影の支配者。」
アッシェの辛口のコメントに、ソルさんは可笑しそうに笑う。
世界の話から、今度は急に神様のお話に切り替わる。
二人とも、他の人に分かるようにとかそう言う事は頭にないよね?
もうちょっと、私達にも分かるように話してほしいんだけど。
それはそれとして、ソルさんの隣のイリスさんは、ケラケラと病的に笑う彼とは対照的に顔色が悪い。
もしかしてそろそろ、倒れちゃうんじゃないかな……。
私は彼女の様子が気になって、ちょっと気が気じゃない。
「この世界の光と闇。
それから知識や認識の理を自由にできる……神様の見習いみたいなもんだと思う。」
「御大層なモノなのですね。」
「そうそう。
御大層なモノなんだよ。」
ハラハラしながら見守るうちに、神様関係のお話が進んでいく。
どうも、この神様関連の話はあまり口にするべき話じゃないみたい。
とうそう、イリスさんが倒れちゃったんだよ。
倒れたと言っても、体が沈み込むようなクッションにもたれてたから、大事ないんだけど。
ソルさんは、そんな奥さんをチラッと見ただけでアッシェの言葉に爆笑してる。
エリザちゃんは、今までのソルさんの行動とのあまりのギャップに呆然自失中。
せめて、私が介抱しようかと立ち上がりかけたんだけど、ソルさんに視線でけん制された。
可愛い系の顔立ちなのに、めっちゃこわい。
――どうしよう、このカオスな空間。
ひとしきり笑い転げた後、やっと笑いの発作が収まったらしい彼は目の端の涙を拭いながら話を続ける。
笑いながら、睨んだり泣いたりと随分と器用な人。
もう、イリスさんに近寄っていいですか?
改めてまた立ち上がろうとしたら、やっぱり睨まれた。
ごめんなさい。
諦めます。
怖いから睨まないで?
「まぁ、その人知を超えるモノを扱える輝影の支配者の先代なんだけど。
彼は魔法の扱いについて、トラウマを抱えてた。」
「――それが、魔法の扱いを教えられなくする『制約』に繋がる訳なのです?」
「そ。」
「なんだか、随分と詳しいすぎる気がするのです。」
自分の確認の言葉にアッサリと頷く彼の様子を観察するように見ながら、アッシェは自分のバンダナの額の部分を軽く持ち上げた。
チラッと、彼女の額の目がソルさんの方へ向けられるのが見えて、私はドキッとする。
なんのかんのと文句を言いながらも、あれからバンダナはずっとつけっぱなしにしてたのに、なんで、今そんなことしてるの!
「先代のお気に入りだった妹からの受け売りだけどね……。
彼とは、まともに会話をしたことはなかったから。」
「……成程です。」
幸い、アッシェの額の目にソルさんは気づかなかったみたいで一安心。
何かを納得したみたいな相槌を打つアッシェに、投げやりに返す姿は、なんだか拗ねた子供みたいにみえる。
「ああ、そうだ。
輝影の支配者はグラムナードの民にとっては生き神様だから、うかつに話題にしちゃだめだよ。」
うかつに話した本人が言っても、あんまり説得力がないと思う。
って言うのは、取り敢えず心の中にしまっておくことにする。
なにはともあれ、猫神様以外を信仰してる気配があっても見ないフリをする方向で。
「成程なのです。
通りでイリスさんが倒れる訳です。」
アッシェはアッシェで何気なく酷い。
彼女がやめてほしそうな話題だって分かった上で会話を続けるとか、蛇か!
後で怒っておこう。
「……熱心な信者だからね。」
意識を失った自分の妻に視線を向けたソルさんは、なんとも複雑な表情を浮かべてる。
なんだか複雑な事情がありそう。
でも、他人の事情に首を突っ込むのは良くない事だし、今のところは見ない事にしておこう。
理由はどうあれ、グラムナードに着くまでの間、私達は魔法を教わる事は出来ないっていう事実だけ分かってればいいし。
なんか、面倒な裏事情を中途半端に聞かされちゃった形になったのは困りもんだけど。
ソルさんの中に眠ってた、にゃんこの尻尾を無意識のうちに私達が踏んじゃったんだろうから諦める事にしよう。
幸いだったのは、狐耳族のおチビちゃん達がぐっすりと眠ったまんまだったことかな。
優しいおじちゃん(お兄ちゃん?)だと思ってたソルさんが、あんな病んだ態度でヤサグレてるとこなんかみたら、きっと怯えるどころじゃすまないだろうから。
ただ、寝たふりをしてたポッシェはちょっとずるいと思う。
途中から起きてたの、ちゃんと気付いてたんだからね!
私達が情報を整理しきれないでいる中、いち早く立ち直ったのはアッシェだった。
彼女が口にしてくれたのって、私達が理解できない事の根本だよね、多分。
「管理者について、何も知らないの?」
「初めて聞くです。」
驚いた顔で問い返すソルさんに、アッシェは大きく頷く。
「んー……困ったな。
グラムナードの民の中では普通の知識なんだよ。」
そう口にした彼は、困った様な笑みを浮かべる。
「この世界の名前は知ってる?」
「キトゥンガーデン、なのです?」
「うん、そう。]
キトゥンガーデンってなんぞや?
でも、何故か当然のようにアッシェの口から出てきた言葉がそれだと認められたみたい。
――へぇ……。
この世界って、そんな名前があったんだ。
めっちゃ初耳。
ソルさんも、アッシェも良く知ってるな……。
アッシェだけが突然そんな事をいいだしたんなら、私の事を担ごうとしてるんじゃないかと思っちゃうかもしれないけど、よその人まで知ってる事なら本当にそうなのかも。
きっと私が読んだことがない本にでも書いてあったのに違いない。
後で読んでみたいから、タイトル教えて貰おう。
「管理者って言うのは、猫神様の手が回らない部分を管理する為の存在みたいだよ。」
「神様の下っ端なのです?」
「あはは。
表現はちょっとアレだけど、そうかも。
その中でも一番最初に創られたのが、輝影の支配者。」
アッシェの辛口のコメントに、ソルさんは可笑しそうに笑う。
世界の話から、今度は急に神様のお話に切り替わる。
二人とも、他の人に分かるようにとかそう言う事は頭にないよね?
もうちょっと、私達にも分かるように話してほしいんだけど。
それはそれとして、ソルさんの隣のイリスさんは、ケラケラと病的に笑う彼とは対照的に顔色が悪い。
もしかしてそろそろ、倒れちゃうんじゃないかな……。
私は彼女の様子が気になって、ちょっと気が気じゃない。
「この世界の光と闇。
それから知識や認識の理を自由にできる……神様の見習いみたいなもんだと思う。」
「御大層なモノなのですね。」
「そうそう。
御大層なモノなんだよ。」
ハラハラしながら見守るうちに、神様関係のお話が進んでいく。
どうも、この神様関連の話はあまり口にするべき話じゃないみたい。
とうそう、イリスさんが倒れちゃったんだよ。
倒れたと言っても、体が沈み込むようなクッションにもたれてたから、大事ないんだけど。
ソルさんは、そんな奥さんをチラッと見ただけでアッシェの言葉に爆笑してる。
エリザちゃんは、今までのソルさんの行動とのあまりのギャップに呆然自失中。
せめて、私が介抱しようかと立ち上がりかけたんだけど、ソルさんに視線でけん制された。
可愛い系の顔立ちなのに、めっちゃこわい。
――どうしよう、このカオスな空間。
ひとしきり笑い転げた後、やっと笑いの発作が収まったらしい彼は目の端の涙を拭いながら話を続ける。
笑いながら、睨んだり泣いたりと随分と器用な人。
もう、イリスさんに近寄っていいですか?
改めてまた立ち上がろうとしたら、やっぱり睨まれた。
ごめんなさい。
諦めます。
怖いから睨まないで?
「まぁ、その人知を超えるモノを扱える輝影の支配者の先代なんだけど。
彼は魔法の扱いについて、トラウマを抱えてた。」
「――それが、魔法の扱いを教えられなくする『制約』に繋がる訳なのです?」
「そ。」
「なんだか、随分と詳しいすぎる気がするのです。」
自分の確認の言葉にアッサリと頷く彼の様子を観察するように見ながら、アッシェは自分のバンダナの額の部分を軽く持ち上げた。
チラッと、彼女の額の目がソルさんの方へ向けられるのが見えて、私はドキッとする。
なんのかんのと文句を言いながらも、あれからバンダナはずっとつけっぱなしにしてたのに、なんで、今そんなことしてるの!
「先代のお気に入りだった妹からの受け売りだけどね……。
彼とは、まともに会話をしたことはなかったから。」
「……成程です。」
幸い、アッシェの額の目にソルさんは気づかなかったみたいで一安心。
何かを納得したみたいな相槌を打つアッシェに、投げやりに返す姿は、なんだか拗ねた子供みたいにみえる。
「ああ、そうだ。
輝影の支配者はグラムナードの民にとっては生き神様だから、うかつに話題にしちゃだめだよ。」
うかつに話した本人が言っても、あんまり説得力がないと思う。
って言うのは、取り敢えず心の中にしまっておくことにする。
なにはともあれ、猫神様以外を信仰してる気配があっても見ないフリをする方向で。
「成程なのです。
通りでイリスさんが倒れる訳です。」
アッシェはアッシェで何気なく酷い。
彼女がやめてほしそうな話題だって分かった上で会話を続けるとか、蛇か!
後で怒っておこう。
「……熱心な信者だからね。」
意識を失った自分の妻に視線を向けたソルさんは、なんとも複雑な表情を浮かべてる。
なんだか複雑な事情がありそう。
でも、他人の事情に首を突っ込むのは良くない事だし、今のところは見ない事にしておこう。
理由はどうあれ、グラムナードに着くまでの間、私達は魔法を教わる事は出来ないっていう事実だけ分かってればいいし。
なんか、面倒な裏事情を中途半端に聞かされちゃった形になったのは困りもんだけど。
ソルさんの中に眠ってた、にゃんこの尻尾を無意識のうちに私達が踏んじゃったんだろうから諦める事にしよう。
幸いだったのは、狐耳族のおチビちゃん達がぐっすりと眠ったまんまだったことかな。
優しいおじちゃん(お兄ちゃん?)だと思ってたソルさんが、あんな病んだ態度でヤサグレてるとこなんかみたら、きっと怯えるどころじゃすまないだろうから。
ただ、寝たふりをしてたポッシェはちょっとずるいと思う。
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