リエラの素材回収所

霧ちゃん→霧聖羅

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二年目 不本意な継承

歴史と魔法 上

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 ルナちゃんの部屋を訪ねると、彼女はすでに寝る準備を整えてしまってた。
襟周りをリボンで絞った可愛らしい寝間着姿になってるって事は、もう、寝る気満々って事だよね?

「あや? リエらんどうしたん??」
「あ、もう寝間着に着替えちゃったかぁ~」
「今日は特に予定もなかったからねぇ。なんか急な用?」
「うん。ちょっと、教えて貰いたいことがあってさ。一緒にお茶でも飲みながら……と思ったんだけど」

 流石に急ぎではないなと手を振ったんだけど、ルナちゃんは笑顔でリエラを部屋に引っ張り込んだ。

「んじゃ、ウチの部屋でお茶飲みながら話そっか?」
「でも、寝るとこだったんだよね……?」
「いいの、いいの。適当に本読んでから寝るつもりだったけど、本はいつでも読めるし気にしない!」

 相変わらずの乙女チックな部屋に入ると、フワフワの座り心地が良いソファに押し込まれる。

「もう夜だし、カムミー茶かなー」
「リエラがご馳走しようと思ってたんだけど、かえってゴメン」
「んー? むしろ、いつもあたしの方から押し掛けてたし、リエらんの部屋よりもこっちの方がまったりお喋りしながらお茶を飲むのにもいいんじゃない?」
「……それは言えてる、かも。リエラの部屋って作業部屋にベッドがついてる状態になりつつあるし……」

 さっき、軽く片付けた部屋を思い出しながら、淹れてもらったお茶を一口。
うん、普通にルナちゃんのお部屋の方がゆったりした気分でお喋り出来るよね……。
本気で作業部屋になってるもん。
リエラの部屋は……。

「まぁ、リエらんはそれでもいいんじゃない? お仕事好きみたいだしさ」
「今、ちょっぴり女の子としてはどうなんだろうって思ったとこだけどねぇ……」
「おお?! まさかの、リエらんお部屋改造計画?!」

 ニシシと笑うルナちゃんに苦笑を返すと、向かいにある一人掛けのソファに腰掛けた彼女は、わざとらしく驚いた表情を浮かべる。
残念ながら、お部屋改造計画はございません。

「ま、冗談はさておき。あたしに聞きたい事って??」
「うん、実はねぇ……」

 アスタールさんから出された宿題の事を説明すると、ルナちゃんは空になったカップを弄びながら視線を宙に彷徨わせる。

「そう言われるって事は、多分、リエらんってば殆どこの町の事を知らないって事だよねぇ……」
「お恥ずかしながら、来たばっかりの頃にアスラーダさんに町を案内してもらいながら聞いた事くらい?」
「あー……ラー兄かぁ……。だとすると、グラムナードの成り立ちから話した方が良いかな?」
「確か、グラムナードってそこそこ古い国なんだっけ」

 細かい年数は忘れたけど、イニティ王国が建国される前一〇〇年くらい前には既にあったんだから、二〇〇年や三〇〇年なんてもんじゃないんだろう。
エルドランも、確かイニティ王国に統合される前は一〇〇〇年くらいの歴史があったはず。
大陸統一戦争を仕掛けて負けちゃったから、その当時の王族は打ち首になって、その後に今の領主が治めるようになったんだよね。
他にあった国も似たり寄ったりだったはずだから、一〇〇〇年以上って事はないんじゃないかな?
――そんなリエラの予想は、手をヒラヒラさせながら発せられたルナちゃんの言葉によって簡単に覆された。

「古い古い。なんせ、殆ど創世期まで遡るから」
「……へ?! ……創世記?!」
「この大陸での歴史って方向なら、五〇〇年くらいみたいだけど……」
「あ、やっぱりそれくらいだよね?」
「この大陸に渡る前も含めれば、創世期まで遡れるよー?」
「えっと、本気で……?」
「うん。本気も本気。冗談は一切抜きだよ」

 そう口にするルナちゃんの表情は、とても真面目なモノで……ちょっぴり彼女らしくない。
真剣に話してくれるつもりらしい彼女の様子に、リエラは姿勢を正す。

「それじゃあ、グラムナードの民に伝わる伝承から始めようか」

 リエラが頷くと、ルナちゃんはゆっくりとソレについて語りだした。
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