リエラの素材回収所

霧ちゃん→霧聖羅

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二年目 アッシェの願い

大騒動 下

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 日が昇っても、騒ぎはまだ続いていた。
昨日の夜に来た人達には、時間が遅いからとお昼から輝影神殿で説明するということにしたみたい。

「昨日のことで、あちこちから人が来るものだからごめんなさいね……」

 セリスさんの話によると、今日はあちこちの氏族の人が工房に集まるんだって。
流石に人数が多いから、今日はセリスさんもご飯を作る余裕はないらしい。

「ご飯は、アッシェがみんなの分を作るから大丈夫なのです!」

 そこで、食事の用意をすると請け合ったのはアッシェ。

「助かるわ。アッシェちゃん」

 そう言ってほほ笑む彼女の目の下には、うっすらと隈が浮いている。
もしかしたら、アレから寝ていないのかも。

「私も――」

 手伝うと言おうとしたところで、後ろからポッシェに口をふさがれる。

「コンカッセは、駄目」
「むーむー!?」
「コンちゃんのお料理の腕は壊滅的ですからねぇ……。お皿の用意とかならしてもらえるですよ」
「そっちなら大丈夫だね」

 二人ともひどい。
口をふさがれたまま頬を膨らませる。

 今日は、リエラちゃんを含むグラムナード出身のメンバーはみんな、集まることになっている人達への対応。
外の町からやって来た私達は、上の階からは出ちゃいけないってことになっている。
実はこの中町に、外部の人間を入れたくなかった人も今日は来るからなんだって。
私達は、そういった人と私達は会ったことがなかった。
きっと、あちらが避けていたのか偶然遭遇しなかったかなんだろうなぁ……

「リエラちゃん、は、だだだ、大丈夫でしょうか?」

 不安そうな表情でエリザちゃんが呟く。
私としては、問題ないだろうと思っているんだけど。
実際のところはどうなんだろう?

「リエラちゃんは大丈夫ですよ」
「ほ、ほほ本当に?」

 エリザちゃんがアッシェをすがるように見つめる。

「だって、リエラちゃんはグラムナード唯一の錬金術師の弟子ですから」

 

 アッシェの言葉通り、中町での騒動は割とあっさり片付いたみたい。
これは、はたから見ていた私の感想だから、渦中にいた人はまた違う感想なんだろうけど。
その日の夜はいつも通り、セリスさんがご飯を作ってくれたし、周りの人達の様子も変わって見えなかった。

 でも、実際には色々と変わったこともあるみたいで――

「結局、昨日はキチンとお話しできなかったから……」

 そう言ってリエラちゃんが私の部屋に訊ねてきたのは、アッシェと二人で食後のお茶を楽しんでいる時間のこと。

「ん。お師匠様のとこにいく?」

 首を傾げつつそう訊ねると、アッシェが茶器を片付け始める気配。
結局昨日は、ちゃんとアッシェの要望を伝えるところまで話ができなかったから、待ってましたってところかな。
でも、リエラちゃんはその問いに首を横に振る。

「アスタールさんは、まだ心理的なダメージが残っているので……。リエ……私が聞いてからどうするか決める形になると思います」
「……この部屋でいい?」
「迷惑でなければ」

 答えの代わりに、彼女が通れるようにドアを大きく開く。
それにしても、びっくりした。
ラエル師がいくら言っても治る気配のなかった、一人称。
急に直してくるんだもの。
一体、彼女の中で何があったんだろう?
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