リエラの素材回収所

霧ちゃん→霧聖羅

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二年目 疑惑の種

彼と彼女とその保護者

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 なにはともあれ光猫族の少年は、アスタールさんと同じように自分の感情によって世界の明暗を変化させてしまうってことなのかもしれない。
視界を多少ずらす程度しかできないリエラは、つらつらと思考を巡らす。
もしもそうだとしたなら、最初光猫族の少年を見た時、もしかしたら時間帯は夜じゃなかったのかも。
あの時の様子から考えるなら……
親に捨てられて、絶望してた、とか?
子供が一人きりで湖のほとりにいるなんて、どう考えてもおかしいし、そう外れた想像でもないんじゃないかな。
当たってなくても、ものすごく寂しかったんじゃないかとは思うし。
庇護者が必要な小さな子供にとっては、絶望ものなはずだよね。
自分の経験にないから理解は難しいけど、スルトが孤児院にやってきた時のことを考えると、そう間違っていないよね……?

 考えを巡らす間にも、目まぐるしく時は過ぎていく。
その間にチラチラと他の光景を見ながらリエラは、今見ている光景はずーっと昔のことなんじゃないかって思い始めていた。
リエラの周りに浮かんでいる、あちこちの風景を映し出すフワフワしたものの中にあった、世界全体キトゥンガーデンを見下ろすものに映ったカルディアナ山脈に、グラムナードの姿がなかったのがその理由だ。
グラムナードは、五百年位前に先代様がカルディアナ山脈を繰り抜いて作ったらしい。
その、グラムナードがあるべき場所に広がっているのは、ただただ山ばかり。
グラムナードの街並みは影も形もない。
――ってことは、少なくとも五百年よりも前であるはずで……
だから、そういう結論に至ったという訳だ。
ついでにいうなら、多分リエラが見ているのはだれかが見ていた光景なんじゃないかと思う。
いや、だってね?
そんなに昔、リエラは生きてないし。

 ところで現在、光猫族の少年と少女は、いつの間にかたくさんの子供たちに囲まれている。
どの子も、二人の子供だというのが納得できる可愛らしさだ。
そうそう。
光猫族の少年が一目惚れするだけあって、彼女も結構な美少女なんだよ。
リエラの敬愛するセリスさんと比べても……悔しいことに、彼女の方が上だ。
ちなみに、彼女とその保護者さんはパッと見た感じだと輝影族だと思う。
輝影族っぽさとしては、真っ黒な髪と白い肌、それから先端のとがった長い耳。
髪の質は人それぞれで、緩くウェーブのかかっている人もいれば縮れ毛な人もいるんだよ。
肌もそう。
人によってはそばかすがあったり、デコボコしてたりと色々だ。
ちなみにウチの工房に抜きんでた容姿の人が揃っているんだということを、理解したのは割と最近のことだ。
氏族巡りを始めるまでは、みんなセリスさんやアスタールさんみたいに美形なんだと思っていたよ。

 ちなみに彼女の場合は、真っ黒な髪の毛は艶々のサラサラストレート。
肌はきめ細かくて透けるように白い。
目は大きめでなんだか神秘的な感じのする赤みがかった紫色の瞳だ。
目鼻立ちのバランスも良いし、スタイルも抜群とくるとチョット近寄りがたいイメージだ。
だけど、クルクルと変わる表情がそんな風に感じさせないのか、彼女の周りには人が絶えない。
セリスさんやアスタールさんを見ていても思うけれど、容姿はもとより、雰囲気って重要だと思う。
どんなに美形でも、ツンツンした雰囲気の人のそばには好んで寄りたいと思う人はいないよね。
美形さんでもそうなんだから、リエラなんかは『嫌なヤツ』って思われないようにもっと気を付けないと。

 ところで光猫族の少年と彼女は、びっくりするくらいしょっちゅう喧嘩をする。
そうはいっても、すぐ仲直りするんだけど。
でも、喧嘩のたびに暗くなったり明るくなったりと世界は大忙しだ。
周囲の人達も最初のうちは驚いて騒いていたんだけど、あんまりにも頻繁に起こる現象に感覚がマヒしてるみたい。
今はもうそんな現象にも慣れっこで、苦笑をしながらも喧嘩の仲裁をしたりしている。
一番相談に乗る機会が多いのは、二人と同居している――彼女の保護者さん。
未だに顔が良く見えないんだけれど、きっとこの人も美形に違いない。
何の確証もないけれど、そう思う。
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