帰らなければ良かった

jun

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義妹 2

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まだラルス視点続きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「酷い!ここにブライアン様がいるなんて何も言わなかったわ!」

「お前に名前を呼ぶ許可など与えた事はただの一度もない!」

「ブライアン様!何を…」

「鬱陶しいから何も言わなかったが、放っておいた俺が馬鹿だった。
はっきり言う。お前に名前を呼ばれる度に吐きそうだった。
近付かれるのも嫌で嫌でたまらなかった。
二度と俺の名前を呼ぶな!」

「そんな…私は…学生の頃から…」

「学生の時から勝手に名前を呼んでいたよな?話すのも嫌だったから放っておいただけなのに、馴れ馴れしいにもほどがある!」

「私、私は…小さな頃から…ブライアン様の
「名前を呼ぶなと言っている!」」

「ブラ「何度も、言わせるな。
お前などと口も聞きたくないというのに!」」

「そんな…」

「まあまあ、ブライアン副団長、落ち着いて。
フランシス嬢、これ以上副団長を怒らせるとどうなるか分からないから、さっさと話そうか?
では、改めて、一番隊リーダーと副リーダーがどうなればいいと思ったのですか?」

「わ、私は…ブラ「!しつこいと嫌われるよ、あ、ごめん、嫌われてたね、ごめんごめん。」」

「酷いわ…」

「それで?」

「あの人とカールって人がくっつけばいいと思ったのです…」

「あの人って誰?ちゃんと名前言って。」

「シシリーです。」

「どこのシシリー?」

「一番隊のリーダーです。」

「フルネームで言って下さい。」

「シシリー・フォードです。」

「シシリー一番隊リーダーとカール副リーダーは仕事上いつもくっついていますよ?」

「仕事ではなく恋人になって欲しかったんです!」

「何を言っているのですか?シシリー一番隊リーダーはブライアン副団長と来月には結婚するんですよ?なのに何故貴方が一番隊リーダーと副リーダーをくっつけようとするんですか?あり得ないでしょ?」

「ナタリア様がブ「ファルコン副団長。」ファルコン副団長があの人「名前を言って下さい。」シシリー一番隊リーダーが二股をかけていると言うので、ブ…「ファルコン副団長!」

「あーーーー、もううるさいうるさい!
ナタリア様がファルコン副団長が一番隊リーダーに二股をかけられていると心配していたので、私が媚薬を入れた水を一番隊の執務室において、二人に飲ませようとしたんです!でも、副リーダーが部屋から出てきたので、飲んだのは一番隊リーダーだけだったんだなって分かって、すぐ逃げたのよ!
あの時、あの男がやってしまっていたら良かったのに!
そうしたらブライアン様は私のものになったのに!」

「だそうだ、ブライアン。」

「あ…」

「お前、もう消えろ。ここで今すぐ消えろ。俺の前から消えてくれ。
お前の顔も声も姿も何もかも気持ち悪い。
シシリー以外の女はすべて気持ち悪い。
シシリーだけでいい。
なのにそのシシリーに媚薬を飲ませた?
カールとくっつけばいい?
お前のものになる?
気持ち悪い…。吐きそうだ…。
お前と同じ空気を吸っているのが我慢出来ない…」


そう言って、ブライアンは取調室を出て行った。

フランシスは真っ白い顔で、ブルブル震えている。

「どうよ?最愛の人にあんな拒絶のされ方されて?
ブライアンはね、子供の時からナタリアにずっーーーーと執着されて、本当に心底女性が嫌いなの。
ナタリアは周りを利用して自分は何もせず、シシリー一番隊リーダーに嫌がらせを貴方達令嬢を操ってやらせていたの。
利用されてるのにも気付かないで、まんまと犯罪まで貴方にやらせたの。分かる?
ナタリアの口車に乗って媚薬を盛った貴方は実行犯。禁止薬物の購入、使用の容疑が確定。
想像してみて。あなたの婚約者は大好きなブライアン副団長。でも、貴方の邸の使用人の男が、あなたの事を好きになってしまった。貴方には大好きな婚約者がいる。
だから使用人の想いは届かない。
なら、媚薬を貴方の婚約者に盛って、別の女性と性行為を強制的にやらせちゃえって媚薬を婚約者に飲ませてしまった。
飲んでしまった大好きな婚約者は耐えられず他の女性を抱いてしまった。
貴方の心境は?」

「いやいや、絶対嫌!耐えられない!」

「自分は嫌なのに、ブライアンにはそんな思いをさせるんだね、君は。」

「でも、実際はそんな事にはならなかったわ!」

「ラルス、すまん、我慢出来ん!

テメェは媚薬を飲んだ事があるか?
あれはな、セックスしたらおさまんだよ!
でもな、シシリーは一人で耐えた。
それの辛さがお前に分かるか?
喉が渇いて、水が飲みたくて喉がカラカラでそこに水があるのに飲めないのとおんなじ位辛いものだ。
お前には耐えられんだろうな!
そして、そういう事を平気でやる奴はお前だけじゃないんだな、この世の中は。
ブライアンに媚薬を飲ませたバカがいる。
もう分かっただろ?
ブライアンはシシリー以外を抱いたぞ。
お前でもナタリアでもない、ただの平民の女だ。
悔しいなぁ?どうせなら抱かれたかっただろ?一晩中抱かれたそうだ!
薬を盛った女をブライアンは一晩中、シシリーの名前を呼びながら抱いたそうだ。
シシリー、愛してるってな!
一晩中、他の女の名前を呼ばれ続けて泣いたとさ、その女は!
なんでこんな事しちゃったんだろうってな!
朝、ブライアンに蹴り飛ばされて起こされて、避妊薬、口に捩じ込まれて、飲んだと確認したら即拘束されて騎士団に連行されたわ、その女。
ブライアンに殺されそうな勢いに最後は怖いとよ!媚薬盛ってまで抱かれたかったのに、最後は怖いってさ!
お前らは何をしたいの?
ブライアンをどうしたいの?
どうなったらブライアンは幸せになれんの?
ブライアンが幸せになるのが許せない?
自分は幸せになりたいのに!

お前はシシリーに媚薬を盛った。
ブライアンはシシリーに手を出されるのだけは許さない。
死ぬまで憎まれるだろうな。
これ以上嫌われたくなかったら、さっさと答えて終わらせろ!
このくそアマ!」

「エド、口悪いよ。でも、同感。
フランシス、お前は最低だ。お前の家族もな!特にお前の母親。その母親にお前はそっくりだ。
今度、お前の家にも調査が入る。
クララへの虐待容疑でな。

さあ、聞きたい事に答えてくれなかったら、ここにブライアンを連れてくるよ、お前の顔を見て吐くかもしれないけど。
だから、大人しく全部正直に答えてね。」

顔色と正気をなくしたフランシスは、ただ淡々と聞かれた事を答えた。
少し、イジメ過ぎたかなと思ったけど、まあ、自業自得だよね。
少し時間かけ過ぎちゃったけど。

でもクララへの恨みもあるし、シシリーの事もブライアンの事もあるしね。

エドが一番スッキリしたんじゃないだろうか、毎回ブチギレてるから。




もうこんな事件はうんざりだよ。








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