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しおりを挟むジャンが行ってしまってから、また眠ってしまった私が次に起きた時、
「なんじゃこりゃーーーーー」
と叫んだ為クロエが飛んできた。
「姫様ーーー!」
「ク、クロエ…私…毛がない…」
「え?髪の毛はありますけど…。」
「髪はあるけど、今までモサモサだったのに元に戻った。」
「ようございました。」
「待って、クロエ。私の格好見て。」
「ウサギの骨格のままなんでしょうか…四つん這いですね。」
「なんでそんなに冷静なの?さっきまでは毛があったからまだウサギだったよ!
でも今は元の私が四つん這いになってるだけだよ?おかしくない?」
「うーーん、慣れ?でしょうか…あまりおかしいとは思いません。」
「あーーー、そう。私だけ変なの?違和感半端ないけど?」
「あると言えばありますけど、気にはならなくなりました。あー今度はこうなったんだぁ~って感じです。」
「順応するの早!」
「ですから“慣れ”です。」
「そんな態度取られたら、私っておかしくないかもって思って、この姿のまま外に出ちゃうよ?良いの?」
「姫様が良ければ。」
「出るわけないでしょうが!突っ込んでよ!」
「庭に出る分にはよろしいかと。ぴょんぴょん跳ねるのも良い運動になるのでは?」
「肉球もないのにぴょんぴょん出来るか!」
「姫様…言葉遣いがひど過ぎます。」
「だって、この姿見て動揺しないの、おかしくない?」
「姫様…何度言わせるんですか、「慣れ、なんでしょ?分かったわよ!」」
「ハアーーーーー、今晩寝たら明日には人間になってるかなあ~」
「明日辺りにはジョージ様がいらっしゃるのでは?」
「ウソ⁉︎お兄様⁉︎」
「お手紙にいつとは書いてあったわけではございませんが、そろそろかと。」
「嫌よ、こんな姿見られたら、死ぬまで笑われるわ!お兄様は人の不幸が何より好きなのよ。」
「へえ~メアリーは僕の事、そんな風に思ってたんだあ~お兄ちゃん、悲しい~!」
「「え⁉︎」」
クロエと同時に振り返ると、
「やあメアリー、心配で急いで来たんだけど、そんな悪口言われるとは思わなかったよ。で、その格好なに?」
「お、お、お兄様⁉︎ノックくらいして下さい!」
「したよ、何回も。でも返事しなかったのはそっちだよ。文句を言うのは筋違いだと思う。」
「では、あちらの応接室へどうぞ。」
ぴょんぴょんぴょんぴょん。
「アハハハハハ、何それ?メアリー、どういうこと?ふざけてんの?」
「笑い事ではございません、ジョージ様!
姫様は死ぬところだったのですよ!
攫われかけて、逃げる途中、崖から落ち、川を流されて、助けてくれるお方がいなければ死んでおりました!
そのショックで子ウサギになってしまわれたのですよ!
それを笑うなど、私はジョージ様をそのように教育した覚えはございません!」
「待って待って、そんな話し、聞いてないんだけど!」
「いいえ、私が手紙に・・・・・あ、書きませんでした?」
「書いてないよ!メアリーがウサギになったとしか書いてなかった。
だから、そんな攫われるだの、崖から落ちただの・・・川に流された⁉︎
どういうことなの、メアリー!
攫われたって何?」
「うーん、長くなるからラン兄様に聞いて。」
「ちょっと、メアリー!ちゃんと説明して!母上に報告するよ!」
「あ、待って待って、お母様には言わないで!」
それからお兄様に攫われた所から今のこの状態までを説明させられた。
「許せない!これはプルーム王国への攻撃と捉えてもおかしくないよ!何そのなんとか侯爵令嬢!メアリーを逆恨みしてるってことだよね?俺、ちょっとランのとこに行ってくる!」
お兄様は怒っていってしまった。
あの人、ここに一人で来たのかしら?
護衛も何もいなかったけど?
私も行かないと!
あ、行けない…。
あーーもう!早く人間に戻して!
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