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しおりを挟むお兄様がラン兄様に怒鳴り込みに行ってしまい、追いかける事も出来ず、部屋の中をウロウロしていた私にクロエが、
「姫様、そんなクマじゃないんですから、ぴょんぴょんしないで下さい!」
「ぴょんぴょん?」
「ウロウロというより、ぴょんぴょんですから。」
「うーーーー、ウロウロしてるつもりなのに…」
「もうそろそろジョージ様は戻ってくると思いますよ。ですから、落ち着いて待っていて下さい。」
「なんでそんな事が分かるの?」
「ジョージ様は姫様が見つかるまでの事情を何も知りません。分かればすぐ戻ってきますよ。ランバート様と一緒に。」
「なんでラン兄様と来るのよ、私、会いたくないわ!」
「ジョージ様がお話になってますよ。ランバート様が来ない訳がありません。」
「もうーーお兄様はどうして妹の女心が分からないのかしら!」
「ですが、ランバート様になら、お姿を見せても姫様は泣きませんでしょう?」
「まあ、ラン兄様に見られたとしても泣きはしないわね。」
「ですよね。フフ」
「何よ、クロエ、何がおかしいの?」
「何でもございません。さあさあ、お茶の準備を致しますね。姫様もお支度して下さい。」
「別にいいわよ、お兄様とラン兄様なら。」
「ジャン様もご一緒かもしれませんよ。」
「グッ…さて、お支度しようかしら。」
「わたくしがお手伝い致しますよ。」
クロエと着替えを終わらせて、お茶の準備が出来たテーブルへ、ぴょんぴょん移動し、
ん?私どこに座ればいいのかしら?
床?ソファに上がってしまったら、届かない。
それにどうやってお茶を飲むの?
後ろ足だけでたちあがると、立って飲む感じよ。
うーーーん、悩んだ時、身体に激痛が走った。
「痛い!・・・・身体が・・痛い…クロ・・エ…たす・・・・けて…」
「姫様ーーー!」
クロエが駆け寄って、
「誰か、誰か、ひめ・・・ダメだわ、私達で運ばないと。貴方達、全員でここのソファに乗せるわよ!」
そう言い、部屋にいた私付きの人達が私をソファに寝かせた。
「いた…い。熱い・・・・クロエ…痛い…」
「姫様、どうしましょ…あ、ジョージ様を呼んで参ります、姫様、お待ち下さいね!」
そう言ってドアを開けた時、
「うわ!なんだよ、クロエ、驚くだろ!」
「ジョージ様!大変です、姫様が、姫様が、」
クロエがそう言うと、お兄様がソファに寝ている私を見て駆け寄った。
「メアリー、どうした、大丈夫か?」
「おに…様…身体…が、いた、い…」
「身体?どこが痛いんだ?メアリー、メアリー!」
「もう…だ、め…」
そこで意識をなくした。
目を覚ましたら、お兄様の顔が真ん前にあった。
「お兄様・・・近い…」
「メアリー!メアリー、大丈夫か!」
「もう、大丈夫。身体が急に痛み出して…」
「お前、急に身体が戻ったから骨格が変わる痛みに耐えられなかったんだろう。
気持ち悪かったわ。」
「気持ち悪いって…」
「だってお前、バキボキって音ならしながらグネグネ動いて気持ち悪かったんだよ、初めてみたわ、あんなの。」
「見たのがお兄様で良かった。そんなの見たら百年の恋も冷めるわ…」
「俺も見てたけど。」
「ゲッ、ラン兄様!」
「ゲッってなんだよ、心配したのに!」
「だって女の子のアラレもない姿を見てたんでしょ?信じられない!」
「いやいや、不可抗力だから!呆気に取られて見ちゃっただけだから!俺、メアリーの裸見たとしても何ともないから!」
「それはそれで失礼!」
「まあまあ、とにかくメアリーが人に戻れたんだから良かったよ」
「え?私戻ったの?」
「今、その話ししてただろ?」
「そういうことか!」
「ハァー、ま、一先ず安心だな。」
「でもこれでお前は確実に後数年でウサギになるって事だ。だから婚約者選びは早急に進める!」
お兄様のやる気スイッチが入ってしまった…
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