番なんていません、本当です!

jun

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久しぶりにナタリーが来てくれた。
私には会ってはダメだとラン兄様に止められていたらしい。

「なんか大変だったんでしょう?もう大丈夫なの?」

「もう大丈夫だけど、大変と言えば大変だったかな…」

「一体何があったの?」

そして子ウサギからこの姿になるまでの過程をナタリーに説明した。

ナタリーは私の姿を想像したのか、お腹を抱えて笑っていた。
涙まで流している。

「ハァハァハァ、ちょっと笑わせないで!」

「別に笑わせようとしたわけではないのだけど…」

「メアリーのジェスチャーが面白いのよ、ごめん、笑いすぎたわ。」

「ホントだよ、こっちは不気味すぎて泣いたのに!」

「ごめん、本当にごめんね。でも、ジャンは怖がらなかったんでしょ?
良かったじゃないの。」

「あのね、ナタリー、ジャンは騎士なの。
王女に気を使う生き物なの!
私だからではないの!分かる?」

「そうかな~ジャンはそんな気の使い方しないけど。」

「それよりも、お兄様は私の婚約者を本気で探し始めたの!
リーダーなんか自分と婚約したらとか言うし。」

「え?リーダーって誰?ジョージ様来てる?」

「リーダーは私と崖から落ちた人。
お兄様は来たわよ、会ってないの?」

「ああ、あの人ねって、ちょっと待ってよ、なんであの人と婚約する話しになるの?
あの人誘拐犯なのよ!」

「話せば長いから、ラン兄様に説明してもらって。」

「何よ、それ。まあいいわ、メアリーは病み上がりだし。」

「ねえ、学校の方はどう?そういえば、ローズマリー様はどうなったの?」

「あの人捕まったわよ。メアリーを誘拐しようとした首謀者だもの。あの家ももうだめね。」

「そうなんだ…なんで私なんか誘拐しようなんて思ったんだろう…バカだよね。」

「そうね、大馬鹿ね。仮にもメアリーは隣国の王女なのよ、そのメアリーを攫うなんて、愚の骨頂よ!」

「なんか引っかかる言い方だけど、そうね。」

「それにしても、ジャンは凄かったわよ、メアリーいなくなってから、走り回ってたんだから!」

「だから、それは仕事だから。」

「いやいや、あれはちょっと私、アレ?って思ったわ。」

「アレって何?あ、やめて!やっぱり言わないで!期待させて落ちるの嫌だから!
私、フラれてるから!」

「何にも言ってないじゃない!ただ崖からメアリーを追って飛び込んだって聞いて、あら?って思っただけよ!」

「アレとあらの違いは何?」

「違いなんかないわよ!もう何にも言わない!メアリーには教えない!」

「ナタリー、怒ってる?」

「怒ってないわよ、ただジャンが不憫だなって思っただけ。」

「よく分からないけど、ごめんね、ナタリー…」耳ヘニョリ

「私もごめん、ちょっとイライラしただけ。それより、ジョージ様は誰とくっつけようとしてるのかしら?」

「分からない…」

「でも確かに何があるか分からないもの、早いに越したことはないわ。私も頑張って探すわ!」

「そうね、私も頑張る!」


それからの私達は、婚約者を探すべく、王宮内を、あの人が良いんじゃない?、こっちが良いかも!とふらついていたところを、

お兄様とラン兄様に捕まった。


「お前らは護衛も付けず、何ふらついてるんだ!このドアホ!」と髪を逆立て怒鳴るお兄様。


「二人共、王女だって事忘れたのかな?
ナタリー、父上に報告しとくよ。
メアリー、サーシャ様に手紙を書くね。」
とラン兄様。


怒鳴るお兄様より、ラン兄様の方が遥かに怖い。


そして、お兄様が、


「メアリー、お前には、親睦会という名の“集団見合い”をしてもらう!」


と声高らかに言った。















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