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知らなかったのは私だけ
お披露目とは名ばかりの集団見合いは、意外にも楽しいものだった。
顔見知りも増えたし、何よりユーリ様の人柄の良さが分かり、これからはラン兄様の所に行ったら、また動物の話しでもしたいなと思った。
ユーリ様は大の動物好きらしく、特に小動物には目がないらしい。
ケイトは猫獣人…あら?意外とお似合いなんじゃない?
今度、ユーリ様にケイトを紹介してみよう!
これは楽しくなるぞ~と思っていた所に、美形軍団が現れた。
「どうよ、調子は。メアリー。」
「何なの、その言い方。調子は良いわよ、ユーリ様とのお話しはホントに楽しかったの!」
「へ?ユーリ?」
「ラン兄様、ユーリ様は小動物がお好きなんだって!ずっと動物談義してたの!
楽しかった~」
「待って待って、メアリーはユーリが好きなの?」
「好きっていうか楽しかったかな。」
「後は?ここにいる男性全員候補なんだけど。」
「意外と私と話したかった人が多かったのが、嬉しかったかな、でもこれといって・・・いなかったかな。
でも、ユーリ様とは友達になりたい。」
「ランバート、ユーリってお前の側近のやつ?」
「そうそう、凄く優秀。顔も美形の部類だよ。ただ女性恐怖症なんだ。」
「ダメじゃん、そんな人連れてきちゃ!
ちょっと!私、女なんだけど!仲良くお喋りしたんだけど!私って何、女の部類に入ってないの?ウサギとして喋ってたの⁉︎」
「その可能性は高いな。」
「なんて事・・・・まあ良いわ!ユーリ様とはお友達って事で。」
「結局誰も良い人は見つけられなかったのか。」
「だって、毎日美形軍団に囲まれていたら、目が肥えちゃって他は全部同じ顔に見えちゃうのは仕方ないと思う…。」
「じゃあもう、ジャンかジェフのどっちかに決めろ!」
「は⁉︎そんな勝手に決められても!ジャンもリーダーも迷惑だわ!」
「だってお前が結婚出来る独り身の高位貴族令息はあれだけだ。残ったのはこの二人。
どっちかに決めるしかないだろ?」
「ちょっと考えてみろ。ジェフと結婚して、今から初夜だ。お前、ジェフに処女あげれるか?」
「いやいやいや、そんな簡単に想像出来ないよ!」
「じゃあジャンは?ジャンと結婚式で誓いのキスして、夜は初夜だ。」
カァーーっと顔が赤くなり、湯気が出そうなほど熱い…。
「あ、あ、そんなこと…恥ずかしい・・・」
「決まりだ。ジャン、どうする?嫌ならジェフに頼む。」
「お兄様!勝手に決めないで!」
「お前は何も分かっていない。お前には本当に時間なんかないんだ。
せめてお前の好む男と結婚させてやりたいから今まで黙って見てきたが、自分では決められない。だから、こうでもしなきゃならないって事を理解しろ!
当たって砕けろ!フラれてナンボだろうが!砕けたら次に行け!
二人がダメならユーリに行け!ウサギの魅力を見せつけろ!」
「はい・・すみません・・・」
「あの・・・」
「なんだ、ジャン。」
「俺は…姫様と一緒にいるようになって、明るくて、優しくて、可愛い姫様の事が好きになりました。
子ウサギの時は、懐にずっと入れていたかったし、四つん這いの時も可愛いお尻を撫で回したかった。
出来れば俺を選んで欲しいと思っています。ですが、今俺が抱えている問題が解決出来ないと姫様に危険が及ぶ可能性があります。
それはジェフにも言えます。
婚約者になりたいけど、なってほしくもないんです…誰とも婚約してほしくない。」
ちょ、ちょ、ちょっと待って!
今、なんて言ったの?
四つん這いの時のお尻⁉︎なんて所見てんの⁉︎
そして、好きっていった?可愛いって言った?誰とも婚約してほしくないって、どんだけ私の事好きなのよ!
まぁ…私も好きだけど…。
でも、今までそんな態度してた?
なんで急に?
「おい、メアリー、全部声に出してるぞ。」
「え?」
「だからお前の心の声が全部声に出してたんだよ!」
「キャーーーー、早く言ってよ!」
「姫様、俺の事好きだったの?」
「いやいやいや、あの、「メアリー!当たって砕けろ!」」
「はい!私はジャンの事が好きです。婚約して下さい。」
と言って手を出した。
「俺も姫様が好きです。でも、少し待って下さい。」
「へ?」
「婚約してしまったら間違いなく姫様は命を狙われてしまいます。だから、俺達が追ってる其奴の罪を全て明らかにし、誰にも手出し出来なくなるまで待っていて欲しい。」
「どういう事?」
「ラン、どうする?」とジャンがラン兄様に聞いた。なんで?
「メアリーもジョージも本当の姿を知らないんだ…。」
「カタリナ様か。」
「お兄様⁉︎カタリナ様って王妃様⁉︎どうして王妃様が私の命を狙うの?」
「ジョージは知っていたのか?」
「父上が知らないわけないだろ?俺も母上も知ってる。知らないのはメアリーだけだ。
メアリーは嘘が下手だからな。」
「待って、みんな知っていたの?何、王妃様の何を知ってるの?」
「裏の顔だ。」
「裏…?」
私のワチャワチャした婚約者探しから、いきなりシリアス展開になってしまって、頭が付いていかない。
王妃様とは子供の頃から可愛がってもらっていた。
その王妃様に裏があったの?
あまりの衝撃にジャンに告白した事すら頭から消えた。
お披露目とは名ばかりの集団見合いは、意外にも楽しいものだった。
顔見知りも増えたし、何よりユーリ様の人柄の良さが分かり、これからはラン兄様の所に行ったら、また動物の話しでもしたいなと思った。
ユーリ様は大の動物好きらしく、特に小動物には目がないらしい。
ケイトは猫獣人…あら?意外とお似合いなんじゃない?
今度、ユーリ様にケイトを紹介してみよう!
これは楽しくなるぞ~と思っていた所に、美形軍団が現れた。
「どうよ、調子は。メアリー。」
「何なの、その言い方。調子は良いわよ、ユーリ様とのお話しはホントに楽しかったの!」
「へ?ユーリ?」
「ラン兄様、ユーリ様は小動物がお好きなんだって!ずっと動物談義してたの!
楽しかった~」
「待って待って、メアリーはユーリが好きなの?」
「好きっていうか楽しかったかな。」
「後は?ここにいる男性全員候補なんだけど。」
「意外と私と話したかった人が多かったのが、嬉しかったかな、でもこれといって・・・いなかったかな。
でも、ユーリ様とは友達になりたい。」
「ランバート、ユーリってお前の側近のやつ?」
「そうそう、凄く優秀。顔も美形の部類だよ。ただ女性恐怖症なんだ。」
「ダメじゃん、そんな人連れてきちゃ!
ちょっと!私、女なんだけど!仲良くお喋りしたんだけど!私って何、女の部類に入ってないの?ウサギとして喋ってたの⁉︎」
「その可能性は高いな。」
「なんて事・・・・まあ良いわ!ユーリ様とはお友達って事で。」
「結局誰も良い人は見つけられなかったのか。」
「だって、毎日美形軍団に囲まれていたら、目が肥えちゃって他は全部同じ顔に見えちゃうのは仕方ないと思う…。」
「じゃあもう、ジャンかジェフのどっちかに決めろ!」
「は⁉︎そんな勝手に決められても!ジャンもリーダーも迷惑だわ!」
「だってお前が結婚出来る独り身の高位貴族令息はあれだけだ。残ったのはこの二人。
どっちかに決めるしかないだろ?」
「ちょっと考えてみろ。ジェフと結婚して、今から初夜だ。お前、ジェフに処女あげれるか?」
「いやいやいや、そんな簡単に想像出来ないよ!」
「じゃあジャンは?ジャンと結婚式で誓いのキスして、夜は初夜だ。」
カァーーっと顔が赤くなり、湯気が出そうなほど熱い…。
「あ、あ、そんなこと…恥ずかしい・・・」
「決まりだ。ジャン、どうする?嫌ならジェフに頼む。」
「お兄様!勝手に決めないで!」
「お前は何も分かっていない。お前には本当に時間なんかないんだ。
せめてお前の好む男と結婚させてやりたいから今まで黙って見てきたが、自分では決められない。だから、こうでもしなきゃならないって事を理解しろ!
当たって砕けろ!フラれてナンボだろうが!砕けたら次に行け!
二人がダメならユーリに行け!ウサギの魅力を見せつけろ!」
「はい・・すみません・・・」
「あの・・・」
「なんだ、ジャン。」
「俺は…姫様と一緒にいるようになって、明るくて、優しくて、可愛い姫様の事が好きになりました。
子ウサギの時は、懐にずっと入れていたかったし、四つん這いの時も可愛いお尻を撫で回したかった。
出来れば俺を選んで欲しいと思っています。ですが、今俺が抱えている問題が解決出来ないと姫様に危険が及ぶ可能性があります。
それはジェフにも言えます。
婚約者になりたいけど、なってほしくもないんです…誰とも婚約してほしくない。」
ちょ、ちょ、ちょっと待って!
今、なんて言ったの?
四つん這いの時のお尻⁉︎なんて所見てんの⁉︎
そして、好きっていった?可愛いって言った?誰とも婚約してほしくないって、どんだけ私の事好きなのよ!
まぁ…私も好きだけど…。
でも、今までそんな態度してた?
なんで急に?
「おい、メアリー、全部声に出してるぞ。」
「え?」
「だからお前の心の声が全部声に出してたんだよ!」
「キャーーーー、早く言ってよ!」
「姫様、俺の事好きだったの?」
「いやいやいや、あの、「メアリー!当たって砕けろ!」」
「はい!私はジャンの事が好きです。婚約して下さい。」
と言って手を出した。
「俺も姫様が好きです。でも、少し待って下さい。」
「へ?」
「婚約してしまったら間違いなく姫様は命を狙われてしまいます。だから、俺達が追ってる其奴の罪を全て明らかにし、誰にも手出し出来なくなるまで待っていて欲しい。」
「どういう事?」
「ラン、どうする?」とジャンがラン兄様に聞いた。なんで?
「メアリーもジョージも本当の姿を知らないんだ…。」
「カタリナ様か。」
「お兄様⁉︎カタリナ様って王妃様⁉︎どうして王妃様が私の命を狙うの?」
「ジョージは知っていたのか?」
「父上が知らないわけないだろ?俺も母上も知ってる。知らないのはメアリーだけだ。
メアリーは嘘が下手だからな。」
「待って、みんな知っていたの?何、王妃様の何を知ってるの?」
「裏の顔だ。」
「裏…?」
私のワチャワチャした婚約者探しから、いきなりシリアス展開になってしまって、頭が付いていかない。
王妃様とは子供の頃から可愛がってもらっていた。
その王妃様に裏があったの?
あまりの衝撃にジャンに告白した事すら頭から消えた。
応援ありがとうございます!
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