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再就職から一週間。
私の「定時退社ライフ」は順調に滑り出したかに見えた。
しかし、王城という場所は、人の数よりも噂の数の方が多い場所だ。
出勤時の廊下で、私は背中に突き刺さる無数の視線を感じていた。
「……見て、あの方よ」
「ベルグ家のシャロ様ね。まさか、あんなお淑やかそうな顔をして……」
「ジェラルド殿下をあんな無惨な形で捨てて、すぐに宰相閣下に乗り換えるなんて」
「『氷の宰相』をたぶらかした魔性の女よ……」
ヒソヒソ、クスクス。
扇子で口元を隠した令嬢や、暇そうな文官たちの囁きが、風に乗って聞こえてくる。
どうやら私は、いつの間にか「悲劇のヒロイン」から「稀代の悪女」へとジョブチェンジを果たしてしまったらしい。
(魔性の女、ねえ。私が?)
私は心の中で鼻で笑った。
たぶらかすどころか、私はアレクセイ様に「労働力の搾取」をされている側なのだが。
とはいえ、いちいち訂正して回るのも面倒だ。
私は背筋をピンと伸ばし、雑音をBGM代わりに聞き流して執務室へと向かった。
ガチャリ。
重厚な扉を開ける。
「おはようございます、閣下」
「……シャロか」
アレクセイ様は、デスクで頭を抱えていた。
まるで世界の終わりを見たような暗い表情だ。
「どうなさいました? また殿下が何か建設しようと?」
「いや、ジェラルド殿下は今、国王陛下による『愛の鞭(物理)』を受けて謹慎中だ。問題はそこじゃない」
アレクセイ様がバン、と机を叩いた。
「君に関する噂だ! 聞いたか? 『冷酷非道な悪役令嬢』だの『宰相の愛人』だの……根も葉もないことを!」
「ああ、そのことですか。廊下で少し耳にしました」
「なぜ平気な顔をしている!? 君の名誉が傷つけられているんだぞ!」
アレクセイ様の方が怒っていた。
彼は立ち上がり、窓の外を睨みつける。
「噂の出どころは分かっている。ジェラルド殿下の側近たちだ。殿下が婚約破棄された事実を『シャロ嬢の策略』ということにすり替え、殿下の体面を保とうとしているんだ」
「なるほど。殿下は被害者で、私は彼を陥れた悪女、というシナリオですね」
「許せん。今すぐ衛兵を派遣して、噂を流した者の舌を……」
「止めてください。野蛮です」
私は冷静にアレクセイ様を制止し、いつものようにポットから紅茶を淹れた。
「閣下、落ち着いてください。私は別に怒っていませんよ」
「怒っていない? 悪女と呼ばれているんだぞ?」
「ええ。だって、事実も混じっていますから」
私は湯気の立つカップを彼の前に置いた。
「私は殿下の話を聞かずに書類にサインさせました。これは事実。そして、その翌日に貴方の元で働いている。これも事実。外から見れば『乗り換えた』ように見えるのも無理はありません」
「だが、君はそんな打算的な女じゃない。君はただ……」
「ただ?」
「……ただ、睡眠欲と食欲に忠実で、面倒くさがりなだけだ」
「ひどい言い草ですね。否定はしませんけど」
私は自分の分の紅茶を一口啜った。
「それに、『悪役令嬢』という響き。悪くないと思いませんか?」
「は?」
アレクセイ様がきょとんとする。
私はニヤリと笑ってみせた。
「考えてもみてください。『清廉潔白な聖女』や『可憐なヒロイン』だと、常に誰にでも愛想良く振る舞い、理不尽な頼み事も笑顔で聞かなければなりません」
「……ふむ」
「ですが『悪役令嬢』ならどうでしょう? 『私、性格が悪いので』と一蹴できます。面倒な夜会の誘いも断りやすいですし、誰も私に説教をしに来なくなります」
そう。
悪名とは、時として最強の防具になるのだ。
「あの女に関わると火傷する」と思わせておけば、私の平穏な安眠ライフは守られる。
「私は誰にどう思われようと構いません。私の価値を決めるのは、他人ではなく私自身ですから」
「…………」
アレクセイ様は、しばらく呆気にとられたように私を見つめていた。
やがて、その肩が小刻みに震え始める。
「……く、くくっ」
「また笑いましたね?」
「いや、すまない。君という人は、本当に……予想を超えてくるな」
彼は眼鏡を外し、涙が出るほど笑った後、熱っぽい瞳で私を見た。
「そうだな。君は悪女じゃない。ただの『自由人』だ。そして、誰よりも誇り高い」
「お褒めいただき恐縮です」
「だが、私は気に入らないな」
「何がですか?」
アレクセイ様は立ち上がり、私の手元にある書類の束を奪い取った。
「君が悪し様に言われるのは不愉快だ。それに、側近たちが私の名前を使って君を貶めているのも気に食わない」
「はあ。で、どうされるおつもりで?」
「噂には噂で対抗する。それに、もっと面白い事実を作ってしまえばいい」
「事実?」
アレクセイ様は、これまでに見せたことのないような、とびきり極悪な(そして魅力的な)笑顔を浮かべた。
「『シャロ嬢は悪女などではない。彼女はあまりにも有能で美しいため、氷の宰相が土下座をして乞い願い、三顧の礼で迎え入れた女神である』とな」
「……そんな嘘、誰が信じるんですか」
「嘘じゃない。私の本心だ」
ズキュン。
心臓の変なところが射抜かれた音がした。
この人、サラッととんでもないことを言う。
「君への『贈り物』も手配してある。明日から毎日届くから、覚悟しておきたまえ」
「え、いりませんよ。ゴミが増えます」
「ゴミとは失礼な。君の安眠をサポートする最高級品ばかりだぞ」
アレクセイ様は楽しそうに笑う。
どうやら、私の「悪役令嬢化」を止めるつもりはないが、その内容を「宰相に溺愛される最強の女」に書き換えるつもりらしい。
(……なんか、話がややこしい方向に行ってない?)
私は一抹の不安を覚えた。
単に「嫌われ者」になって静かに暮らす計画だったのに、「宰相の寵愛を受ける女」なんてレッテルが貼られたら、別の意味で目立ってしまう。
「閣下、ほどほどにお願いしますね。私の平穏が第一ですから」
「善処しよう。……だが、君が私のものだという牽制は必要だ」
「ものになった覚えはありません!」
こうして。
王城内では「悪女シャロ」の噂と並行して、「氷の宰相がシャロ嬢にメロメロらしい」という、さらに信憑性の低い(しかし事実である)噂が広まり始めるのだった。
これが、後の「伝説の悪役令嬢カップル」誕生の序章である。
私の「定時退社ライフ」は順調に滑り出したかに見えた。
しかし、王城という場所は、人の数よりも噂の数の方が多い場所だ。
出勤時の廊下で、私は背中に突き刺さる無数の視線を感じていた。
「……見て、あの方よ」
「ベルグ家のシャロ様ね。まさか、あんなお淑やかそうな顔をして……」
「ジェラルド殿下をあんな無惨な形で捨てて、すぐに宰相閣下に乗り換えるなんて」
「『氷の宰相』をたぶらかした魔性の女よ……」
ヒソヒソ、クスクス。
扇子で口元を隠した令嬢や、暇そうな文官たちの囁きが、風に乗って聞こえてくる。
どうやら私は、いつの間にか「悲劇のヒロイン」から「稀代の悪女」へとジョブチェンジを果たしてしまったらしい。
(魔性の女、ねえ。私が?)
私は心の中で鼻で笑った。
たぶらかすどころか、私はアレクセイ様に「労働力の搾取」をされている側なのだが。
とはいえ、いちいち訂正して回るのも面倒だ。
私は背筋をピンと伸ばし、雑音をBGM代わりに聞き流して執務室へと向かった。
ガチャリ。
重厚な扉を開ける。
「おはようございます、閣下」
「……シャロか」
アレクセイ様は、デスクで頭を抱えていた。
まるで世界の終わりを見たような暗い表情だ。
「どうなさいました? また殿下が何か建設しようと?」
「いや、ジェラルド殿下は今、国王陛下による『愛の鞭(物理)』を受けて謹慎中だ。問題はそこじゃない」
アレクセイ様がバン、と机を叩いた。
「君に関する噂だ! 聞いたか? 『冷酷非道な悪役令嬢』だの『宰相の愛人』だの……根も葉もないことを!」
「ああ、そのことですか。廊下で少し耳にしました」
「なぜ平気な顔をしている!? 君の名誉が傷つけられているんだぞ!」
アレクセイ様の方が怒っていた。
彼は立ち上がり、窓の外を睨みつける。
「噂の出どころは分かっている。ジェラルド殿下の側近たちだ。殿下が婚約破棄された事実を『シャロ嬢の策略』ということにすり替え、殿下の体面を保とうとしているんだ」
「なるほど。殿下は被害者で、私は彼を陥れた悪女、というシナリオですね」
「許せん。今すぐ衛兵を派遣して、噂を流した者の舌を……」
「止めてください。野蛮です」
私は冷静にアレクセイ様を制止し、いつものようにポットから紅茶を淹れた。
「閣下、落ち着いてください。私は別に怒っていませんよ」
「怒っていない? 悪女と呼ばれているんだぞ?」
「ええ。だって、事実も混じっていますから」
私は湯気の立つカップを彼の前に置いた。
「私は殿下の話を聞かずに書類にサインさせました。これは事実。そして、その翌日に貴方の元で働いている。これも事実。外から見れば『乗り換えた』ように見えるのも無理はありません」
「だが、君はそんな打算的な女じゃない。君はただ……」
「ただ?」
「……ただ、睡眠欲と食欲に忠実で、面倒くさがりなだけだ」
「ひどい言い草ですね。否定はしませんけど」
私は自分の分の紅茶を一口啜った。
「それに、『悪役令嬢』という響き。悪くないと思いませんか?」
「は?」
アレクセイ様がきょとんとする。
私はニヤリと笑ってみせた。
「考えてもみてください。『清廉潔白な聖女』や『可憐なヒロイン』だと、常に誰にでも愛想良く振る舞い、理不尽な頼み事も笑顔で聞かなければなりません」
「……ふむ」
「ですが『悪役令嬢』ならどうでしょう? 『私、性格が悪いので』と一蹴できます。面倒な夜会の誘いも断りやすいですし、誰も私に説教をしに来なくなります」
そう。
悪名とは、時として最強の防具になるのだ。
「あの女に関わると火傷する」と思わせておけば、私の平穏な安眠ライフは守られる。
「私は誰にどう思われようと構いません。私の価値を決めるのは、他人ではなく私自身ですから」
「…………」
アレクセイ様は、しばらく呆気にとられたように私を見つめていた。
やがて、その肩が小刻みに震え始める。
「……く、くくっ」
「また笑いましたね?」
「いや、すまない。君という人は、本当に……予想を超えてくるな」
彼は眼鏡を外し、涙が出るほど笑った後、熱っぽい瞳で私を見た。
「そうだな。君は悪女じゃない。ただの『自由人』だ。そして、誰よりも誇り高い」
「お褒めいただき恐縮です」
「だが、私は気に入らないな」
「何がですか?」
アレクセイ様は立ち上がり、私の手元にある書類の束を奪い取った。
「君が悪し様に言われるのは不愉快だ。それに、側近たちが私の名前を使って君を貶めているのも気に食わない」
「はあ。で、どうされるおつもりで?」
「噂には噂で対抗する。それに、もっと面白い事実を作ってしまえばいい」
「事実?」
アレクセイ様は、これまでに見せたことのないような、とびきり極悪な(そして魅力的な)笑顔を浮かべた。
「『シャロ嬢は悪女などではない。彼女はあまりにも有能で美しいため、氷の宰相が土下座をして乞い願い、三顧の礼で迎え入れた女神である』とな」
「……そんな嘘、誰が信じるんですか」
「嘘じゃない。私の本心だ」
ズキュン。
心臓の変なところが射抜かれた音がした。
この人、サラッととんでもないことを言う。
「君への『贈り物』も手配してある。明日から毎日届くから、覚悟しておきたまえ」
「え、いりませんよ。ゴミが増えます」
「ゴミとは失礼な。君の安眠をサポートする最高級品ばかりだぞ」
アレクセイ様は楽しそうに笑う。
どうやら、私の「悪役令嬢化」を止めるつもりはないが、その内容を「宰相に溺愛される最強の女」に書き換えるつもりらしい。
(……なんか、話がややこしい方向に行ってない?)
私は一抹の不安を覚えた。
単に「嫌われ者」になって静かに暮らす計画だったのに、「宰相の寵愛を受ける女」なんてレッテルが貼られたら、別の意味で目立ってしまう。
「閣下、ほどほどにお願いしますね。私の平穏が第一ですから」
「善処しよう。……だが、君が私のものだという牽制は必要だ」
「ものになった覚えはありません!」
こうして。
王城内では「悪女シャロ」の噂と並行して、「氷の宰相がシャロ嬢にメロメロらしい」という、さらに信憑性の低い(しかし事実である)噂が広まり始めるのだった。
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