少女は隣の部屋で兄を想う

成瀬瑛理

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お兄ちゃんの歯ブラシ

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お兄ちゃんの手が私のオデコに触れると、私は目のまえにいる兄に胸の奥がドキドキした。

「あれ?」 
「梨乃…おまえ」 

兄はもう片方の手で自分のオデコに触ると、その場で熱の温度差を確めた。

そして、兄は首を傾げて私に話かけてきた。

「梨乃。おまえ熱あるのか?」 
「なんかオデコ熱いな…」

兄はそう言うと私の顔をジッと見てきた。 

兄は私が熱があると思っていた。

顔も赤いし。そんな妹をみれば、兄は私が熱があると思ってもおかしくない。


…本当は違うのに。 


 私はそんなお兄ちゃんの鈍感な部分に、ちょっとだけガッカリした。

兄妹だから仕方ない事だとわかっていても、それが自然な反応だとわかっていても。

 やっぱり心の何処かで期待してしまう。そんなもう一人の私がいた。


お兄ちゃんは私の胸のときめきには、
気づいてくれなかった…――。




 
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