130 / 302
5章
130
しおりを挟む「てめっふざけてんのかっ⁉︎」
「うるさいなぁー怒鳴らないでくださいよ。」
穴に落ちた状態で怒鳴られても全然怖くない。
「しばらくそこで大人しくしててください。」
「は?
ちょっ何しやがる⁉︎」
慌てふためく2人をよそに光の精霊に穴に蓋をしてもらい、その上から土の精霊に土をかけてもらう。
もちろん空気穴は開けてあるが、一応防音仕様にしてもらう。
穴は目立たなくなり、普通の平地のようだ。
「アリサ、とりあえず中に入りましょう?」
「ん。
ギル、お疲れ様。」
警戒しつつ俺たちは空き家の方へ向かう。
アリサは俺を労ってくれる。
そろそろククスやライルが来てもおかしくないんだけど…
俺たちは空き家に入って椅子に座り、一息つく。
周囲を警戒する結界を張りつつアリサにお茶を出す。
「ん、ありがと。」
「ククスとライル、遅いですね…」
「ちょっと、心配…」
「大丈夫、ククスもライルも簡単にやられるタイプじゃないでしょう?
何かあれば連絡が入ります。」
「そう、だね…。」
2人してお茶に口を付けながら窓から外を見る。
まだ外は変わった様子はない。
2人を信用したいがあまりにも遅過ぎる。
遠回りしているのだろうか?
やっぱりそろそろ偵察に行った方がいいだろうか?
「あっ!
ライルっ」
俺が1人で悩んでいるとアリサの声がその思考を遮る。
ライルが1人で走って来たのだ。
ライルだけ⁉︎
ククスは⁉︎
「ライルっ!」
「はぁっはぁっ」
「とりあえず中へ」
俺たちはすぐに空き家から飛び出しライルを出迎える。
ライルを支えながら中に入り水を出す。
ライルは水を一気飲みしグラスを空にする。
「ククスが…」
「囮にでもなりましたか?」
ククスの考えそうなことだ。
「はい…
僕を逃す隙を作るために…」
「呼べと言ったのにまったく…」
「ごめんなさい…」
「ライルが謝ることではありませんよ。
あとでククスは説教ですね。」
「え?」
俺はにっこり笑いこの空き家に結界を何重にもかける。
どれだけ強い奴でもそう簡単にはこの結界を破れないだろう。
「結界を張りました。
2人は大人しくここから出ないでくださいね?」
俺は笑顔を浮かべているが有無を言わさない。
そんな俺に2人はただコクコクと頷く。
それに満足して空き家から出ようとすると2つの気配を感じる。
ククスとククスの首根っこを掴んで持ち上げながらこっちに歩いてくるリーダーっぽい奴だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
702
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる