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二章 サバイバル生活
②⑧
しおりを挟む見慣れた白い真珠がないのは違和感があるが、たしかに子どもたちが好きそうなカラフルで色んな形があるのが可愛らしい。
そしてメイジーはあることを思いつく。
(この真珠、アクセサリーに使えないかしら)
メイジーはドーとデーに真珠を作っている貝がある場所に案内してもらう。
昨日、波に飲まれた場所だが時間帯を選べば干潮で波は引いているらしい。
メイジーは朝食を手早く食べて、面白くなさそうな顔をしているガブリエーレを置いて浜辺へと急いだ。
真珠のあるという貝は様々な色があった。
思ったよりも大きな貝殻に驚いてしまう。
(アコヤ貝やマベ貝よりも、シロチョウ貝やクロチョウ貝に近いかしら……)
メイジーが一つの貝殻を観察しているうちに、ドーとデーは次々に貝を獲っている。
「ねぇ……そんなに獲って大丈夫なの?」
獲り過ぎてなくなってしまうのではないか。
そう思って問いかけたのだが、二人はキョトンとした顔でこちらを見た。
『この貝、増えすぎる』
『獲る、魚大切』
『貝、魚食べる。魚のカス、これになる』
「そ、そうなんだ」
やはり日本の貝とは根本的に違うようだ。
(本でも読んだことはない貝……この島特有のものなのかしら)
魚を食べて骨などが中に残り、真珠のようなものを作り出すらしい。
ドーたちに案内してもらうと、岩の横にベッタリと張り付いている。
その様子は圧巻だ。貝の大群にゾワリと鳥肌が立ってしまう。
(ひっ……! すごい数だわ)
貝たちは岩場で繁殖したり餌をとったりしているらしい。
どうやって真珠を取り出すのかと問うと、容赦なくパカリと半分に開けた。
ぷるんとした貝の身が真ん中にあるが、その周りに複数の塊がある。
形はバラバラだが、貝の形状的には丸くなる可能性があるかもしれない。
メイジーが力を入れて貝を開いていき、取り出そうとした瞬間だった。
『メイジー、気をつけて!』
「え……?」
『ソイツ、噛み付く』
メイジーが貝に視線を戻した時だった。
目の前が真っ暗になり、鼻に痛みが走る。
「──ギャアアアッ!?」
メイジーがブンブンと頭を振ると、貝が海に向かって飛んでいってしまう。
『あーあ、バイバイ』
『貝、バイバイした』
ドーとデーの声を聞きながら鼻を押さえて膝をつく。
(この世界の貝は噛むのね……! 鼻がなくなるかと思った)
メイジーが鼻を押さえていると、上から聞こえる子どもたちの笑い声。
涙目になりながらゆっくりと顔を上げる。
ガブリエーレがこちらを見て笑っているではないか。
メイジーは鼻を押さえながらガブリエーレを睨みつけた。
メイジーは鼻をさすりながら貝が去っていった場所を見る。
それから白色の真珠を持っていそうな貝を探してみるが、まったく見つからない。
子どもたちが集中して貝を探している理由がわかってしまった。
宝探しのように何色の貝があるのか、どんな形の真珠が出てくるのかわくわくするのだ。
いつの間にか夢中になりすぎていたのか太陽に焼かれて背中がジリジリと熱くなる。
メイジーは果実の容器にどんどんと真珠をつめていく。
ちなみにこの貝を食べると砂や骨などが混ざっているのと色によって味が変わるため、あまり人気はないそうだ。
ただ食べれないわけではないので非常時は食べることもあるらしい。
ちなみに真珠のような塊を取ったとしても死にもしない。
噛みついてきたり、魚をパクパクと食べるのを見るにゴミを取ったところで死にはしないだろう。
(むしろ歯磨き? スッキリするって感じかしら……)
果実の容器がいっぱいになると、やや丸みの帯びた真珠が何個か見つかっていた。
真珠を本来養殖して真珠が店に出るまでには四年から五年の歳月がかかると言われている。
母貝の飼育や核を注入して養生、沖だし、採珠など様々な工程を経て丸く美しい真珠になるのだ。
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