【R18】花嫁引渡しの儀

黒うさぎ

文字の大きさ
上 下
3 / 11

3.晒された裸体

しおりを挟む
「おおっ……」

 誰が出した声なのか。
 思わず出てしまったのだろう感嘆の声が、ひどくはっきりと聞こえた。

 最後の砦である下着が取り払われ、私はついにその全てを皆の前に晒した。
 支えを失った双丘はそれでも形が崩れることはない。
 一目見ただけでわかる上質な肉感に、思わず男たちの手が握られる。
 張りのある乳房の頂には、淡い桃色をした小さな蕾が咲いていた。
 呼吸に合わせ静に揺れる小さな蕾。
 その動きは男たちの視線を惹き付けてやまなかった。

 下へと視線を動かすと、そこには髪と同じ黄金色の若草がうっすらと茂っていた。
 本来であれば、伴侶となる相手以外にさらすことのない場所。
 最も秘するべき恥部。
 私はそれすらも皆の前でさらけ出していた。

 顔がゆで上がりそうなほど恥ずかしい。
 油断すると羞恥で意識が飛んでしまいそうだ。
 だが、私は裸身を隠すようなことはしない。
 たとえ理解できないようなことであったとしても、私がレーヴルの王女であり、レーヴルの代表である限り、己の使命をまっとうしなければならないのだから。

「ではルナール様、他に身につけているものがないか、確認をさせていただきます」

 そう言うと侍女が下がり、代わりに大臣や随行してきた貴族たちが近づいてきた。
 どれだけ馬鹿げていたとしても、糸屑ひとつ持ち込まないというのが決まりだ。
 もし何らかの持ち込みが発覚した場合、最悪を想定するならば、再び争いの日常に戻ってしまう可能性だって否定できない。
 そんな重要な判断を侍女に押しつけるわけにはいかない。
 そこで今回の随行員だ。
 彼らの役割は儀式を見届けることともに、儀式をつつがなく行うための責任者でもある。
 彼らの手によってチェックを行うことで、なにかあった場合の責任を負うというわけだ。

 私は両腕を横に伸ばし、足を肩幅に開く。
 そしてこれから起こることを耐えるために、ぎゅっと瞳を閉じた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

黒猫館 〜愛欲の狂宴〜

ホラー / 完結 24h.ポイント:340pt お気に入り:28

貞操観念逆転世界へ生まれ変わった男の自由行動。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:71pt お気に入り:305

さよならをする前に一回ヤらせて

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:108

勇者パーティから追い出されたと思ったら、土下座で泣きながら謝ってきた!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:9,282

どうやら、我慢する必要はなかったみたいです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:64,888pt お気に入り:4,186

リビドーの鍵

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:239

「運命の番」だと胸を張って言えるまで

BL / 連載中 24h.ポイント:553pt お気に入り:655

拷問ごっこ

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:82

離縁するので構いません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:85,827pt お気に入り:1,054

処理中です...