11 / 61
11 商会ではなく商店へ
しおりを挟む
今日は選んだ商会の面接へ訪れようとオリバーと一緒に乗り合い馬車で向かっている。
でも馬車と言っても引いてるのは馬じゃない。大きな羽のある生き物が羽ばたいて馬の代わりをしているので正式には鳥車だ。
「……羽ばたいてるのに砂煙が発生しない不思議……」
「? あぁ、☆◎△バードのこと? あいつらは羽に魔力を集めて飛んでるからね」
鳥の正式名称が全く聞き取れなかった。もしかしたらあの発音はこちらでの正しい言語なのかもしれない。そしてその言葉は日本語を主におく花には聞き取れない。
「このまま空を飛ぶとか無いんですか?」
「一様何も運んでなければ木の上くらいまでは飛べるけどそれは緊急時のみだね」
「……馬とかに引っ張らせるとかはないんですか?」
「えっ? 馬? あんな臆病な生き物なんか危なくて使えないよ!」
「臆病……」
(そういえばここは魔物もいる世界だった。馬も私が知ってる馬とは限らないかも……)
そんなことを考えていると急に馬車が激しく揺れた。慌ててオリバーにしがみ付いたら、オリバーも花を守るように抱きしめてくれた。
横転はしなかったものの、激しく揺れたため馬車内は転んだ人や頭をぶつけた人が何人もいた。
「一体何があったんだ!!」
乗客の1人が怒りながら御者に詰め寄ると、目の前には豪華な馬車があり、どうやら接触事故らしい。
とりあえず馬車はもう使えなさそうなので皆降りる。するとたまたま隣にいた少年は真っ青な顔をしている。
「どうしたの? どこかぶつけた?」
「さっきの衝撃で魔石が欠けちまった……」
意味が分からず花が不思議な顔をしていると、オリバーが少年に質問する。
「魔装置の部品か?」
「うん。製麺魔具の魔石交換さ。これじゃ、曲がった麺しか作れねぇ……どうしよう……」
「? 曲がっていたら駄目なの?」
「はぁ?! 麺は真っ直ぐが常識だろ!!」
「何で? 見た目の問題?」
「あんた何言ってんだ? 曲がった麺なんて欠陥品を商売人として出せるかよ!!」
花は少年の主張がいまいち分からなかった。だって曲がった麺なら汁とも絡みやすくラーメンだってパスタだって色々ある。むしろそれを選ぶ店だって普通にあるから花としては謎常識だ。
「? その主張がよく分からないわ。だって曲がった麺ならソースに絡みやすくなるじゃない」
「なら、そんな料理作ってみろよ!! 口だけ挟む同情なんていらねぇんだよ!」
「ムッ! 本当に出来るもの!!」
「ちょっ、ちょっと、花! 商会行くんじゃないの?」
売り言葉に買い言葉。何故か花はその少年に付いていき、麺料理を披露することになった。
少年に案内された場所は商店街の一角で、パスタのような店だった。先程の馬車事故の説明を店主にすると一様確認するために魔石を装置にはめて動かす。
「やっぱり駄目か……」
麺は花がよく知る『ちぢれ麺』状態だった。
「こんな麺だぞ! これでも出来るってのか!!」
「えぇ。出来るわよ」
「くっ、ならここで作ってみろよ!!」
「いいけど、材料は借りるわよ?」
「いや、その前にあなた達はどなたですか?」
店主のもっともな質問に少年はこの麺で花が料理出来ると言うので連れてきたと言う。
「バカか! 事故で壊れた魔石の責任をこの人にしてどうする!! 御者にさせるべきだろう!!」
「あっ……」
魔石の悔しさから本来の事故責任者を無視して花を連れてきたことに少年は気付いた。
「まだ事故で揉めてるだろうから、御者の名前をメモってギルドに行ってこい!!」
「はい!!」
少年は慌ただしく来た道を戻っていった。
「あんたらも被害者なのに、家の弟子がすまねぇ」
「構いませんよ。それよりその麺で私に料理させてもらえませんか?」
「本当にこの失敗麺でいいのかい?」
「えぇ。むしろそれがいいんです」
早速、厨房でフライパンを用意し、油、適当な野菜と少量の謎肉(何の肉か分からない)を炒めてる間に麺を茹でる。茹でたら麺をザルに上げて違うフライパンで麺だけを油で炒めて皿に盛る。そして先程の野菜炒めに商会で披露する予定だった片栗粉を水で溶いて入れる。
仕上げにこの店のオリジナルソース加えて、全体的にソースが馴染むように炒めて麺の上にかけたら、日本で有名な『あんかけ焼きそば』の出来上がり!!
「出来ました! どうぞお召し上がりください」
「これは……確かにいい匂いだ」
「熱いので気を付けて下さいね」
さて初めての『あんかけ焼きそば』の味はいかがだろうか?
「!! うむ。こりゃ、上手い!! だが、通常の麺でも良くないか?」
「では食べ比べしてみますか?」
正しい評価をするために花は麺を替えて同じ手順であんかけ焼きそばを作った。
「…………なんてこった……こんなに違うのか……」
「まぁ、好みの問題と言えばそれまでですが、私は曲がった麺も美味しいと分かってもらえればそれでいいです」
「……いや、これは明確に違う。美しくはないが断然こちらの方が旨い!!」
店主が曲がった麺に納得していると先程の少年が戻って来た。
「親方!! なんか凄くいい匂いが道の向こうからも分かりましたよ!!」
「そうか。だがその前にギルドにはちゃんと行ったんだろうな?」
「はい! ちゃんと賠償金もらえました!」
店主にお金を渡す少年はチラチラあんかけ焼きそばを気にしている。
「では、食べ比べしてみてくれる?」
「勿論だ!!」
そうして食べ比べした少年は店主と全く同じ反応だった。ラーメンもちぢれ麺派の花は心なかで同士がもっと増えればいいのにと思った。
でも馬車と言っても引いてるのは馬じゃない。大きな羽のある生き物が羽ばたいて馬の代わりをしているので正式には鳥車だ。
「……羽ばたいてるのに砂煙が発生しない不思議……」
「? あぁ、☆◎△バードのこと? あいつらは羽に魔力を集めて飛んでるからね」
鳥の正式名称が全く聞き取れなかった。もしかしたらあの発音はこちらでの正しい言語なのかもしれない。そしてその言葉は日本語を主におく花には聞き取れない。
「このまま空を飛ぶとか無いんですか?」
「一様何も運んでなければ木の上くらいまでは飛べるけどそれは緊急時のみだね」
「……馬とかに引っ張らせるとかはないんですか?」
「えっ? 馬? あんな臆病な生き物なんか危なくて使えないよ!」
「臆病……」
(そういえばここは魔物もいる世界だった。馬も私が知ってる馬とは限らないかも……)
そんなことを考えていると急に馬車が激しく揺れた。慌ててオリバーにしがみ付いたら、オリバーも花を守るように抱きしめてくれた。
横転はしなかったものの、激しく揺れたため馬車内は転んだ人や頭をぶつけた人が何人もいた。
「一体何があったんだ!!」
乗客の1人が怒りながら御者に詰め寄ると、目の前には豪華な馬車があり、どうやら接触事故らしい。
とりあえず馬車はもう使えなさそうなので皆降りる。するとたまたま隣にいた少年は真っ青な顔をしている。
「どうしたの? どこかぶつけた?」
「さっきの衝撃で魔石が欠けちまった……」
意味が分からず花が不思議な顔をしていると、オリバーが少年に質問する。
「魔装置の部品か?」
「うん。製麺魔具の魔石交換さ。これじゃ、曲がった麺しか作れねぇ……どうしよう……」
「? 曲がっていたら駄目なの?」
「はぁ?! 麺は真っ直ぐが常識だろ!!」
「何で? 見た目の問題?」
「あんた何言ってんだ? 曲がった麺なんて欠陥品を商売人として出せるかよ!!」
花は少年の主張がいまいち分からなかった。だって曲がった麺なら汁とも絡みやすくラーメンだってパスタだって色々ある。むしろそれを選ぶ店だって普通にあるから花としては謎常識だ。
「? その主張がよく分からないわ。だって曲がった麺ならソースに絡みやすくなるじゃない」
「なら、そんな料理作ってみろよ!! 口だけ挟む同情なんていらねぇんだよ!」
「ムッ! 本当に出来るもの!!」
「ちょっ、ちょっと、花! 商会行くんじゃないの?」
売り言葉に買い言葉。何故か花はその少年に付いていき、麺料理を披露することになった。
少年に案内された場所は商店街の一角で、パスタのような店だった。先程の馬車事故の説明を店主にすると一様確認するために魔石を装置にはめて動かす。
「やっぱり駄目か……」
麺は花がよく知る『ちぢれ麺』状態だった。
「こんな麺だぞ! これでも出来るってのか!!」
「えぇ。出来るわよ」
「くっ、ならここで作ってみろよ!!」
「いいけど、材料は借りるわよ?」
「いや、その前にあなた達はどなたですか?」
店主のもっともな質問に少年はこの麺で花が料理出来ると言うので連れてきたと言う。
「バカか! 事故で壊れた魔石の責任をこの人にしてどうする!! 御者にさせるべきだろう!!」
「あっ……」
魔石の悔しさから本来の事故責任者を無視して花を連れてきたことに少年は気付いた。
「まだ事故で揉めてるだろうから、御者の名前をメモってギルドに行ってこい!!」
「はい!!」
少年は慌ただしく来た道を戻っていった。
「あんたらも被害者なのに、家の弟子がすまねぇ」
「構いませんよ。それよりその麺で私に料理させてもらえませんか?」
「本当にこの失敗麺でいいのかい?」
「えぇ。むしろそれがいいんです」
早速、厨房でフライパンを用意し、油、適当な野菜と少量の謎肉(何の肉か分からない)を炒めてる間に麺を茹でる。茹でたら麺をザルに上げて違うフライパンで麺だけを油で炒めて皿に盛る。そして先程の野菜炒めに商会で披露する予定だった片栗粉を水で溶いて入れる。
仕上げにこの店のオリジナルソース加えて、全体的にソースが馴染むように炒めて麺の上にかけたら、日本で有名な『あんかけ焼きそば』の出来上がり!!
「出来ました! どうぞお召し上がりください」
「これは……確かにいい匂いだ」
「熱いので気を付けて下さいね」
さて初めての『あんかけ焼きそば』の味はいかがだろうか?
「!! うむ。こりゃ、上手い!! だが、通常の麺でも良くないか?」
「では食べ比べしてみますか?」
正しい評価をするために花は麺を替えて同じ手順であんかけ焼きそばを作った。
「…………なんてこった……こんなに違うのか……」
「まぁ、好みの問題と言えばそれまでですが、私は曲がった麺も美味しいと分かってもらえればそれでいいです」
「……いや、これは明確に違う。美しくはないが断然こちらの方が旨い!!」
店主が曲がった麺に納得していると先程の少年が戻って来た。
「親方!! なんか凄くいい匂いが道の向こうからも分かりましたよ!!」
「そうか。だがその前にギルドにはちゃんと行ったんだろうな?」
「はい! ちゃんと賠償金もらえました!」
店主にお金を渡す少年はチラチラあんかけ焼きそばを気にしている。
「では、食べ比べしてみてくれる?」
「勿論だ!!」
そうして食べ比べした少年は店主と全く同じ反応だった。ラーメンもちぢれ麺派の花は心なかで同士がもっと増えればいいのにと思った。
11
あなたにおすすめの小説
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
【完結】灰かぶりの花嫁は、塔の中
白雨 音
恋愛
父親の再婚により、家族から小間使いとして扱われてきた、伯爵令嬢のコレット。
思いがけず結婚が決まるが、義姉クリスティナと偽る様に言われる。
愛を求めるコレットは、結婚に望みを託し、クリスティナとして夫となるアラード卿の館へ
向かうのだが、その先で、この結婚が偽りと知らされる。
アラード卿は、彼女を妻とは見ておらず、曰く付きの塔に閉じ込め、放置した。
そんな彼女を、唯一気遣ってくれたのは、自分よりも年上の義理の息子ランメルトだった___
異世界恋愛 《完結しました》
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる