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オリビアは日が昇るよりも早く目が覚めてしまった。
見慣れない天蓋付きのベッドに一瞬ここはどこだろうと考える。
すぐに頭に浮かんだのはロゼ様の美しいお顔だった。
温かく迎え入れて優しく接してくれたロゼ様。
幸せな夢、ではなかった。
現実だ。
思い出すだけで頬が熱くなる。
名前を呼んでくれた素敵な声も忘れられない。
どうして私なんかを迎え入れてくれたのか。
考えれば考えるほど、それほどロゼ様はお優しい方なのだと感じた。
侍女のラビンスもそう。
突き飛ばしてしまったのに、責めるどころか優しい言葉ばかりをかけてくれた。
一生分の優しさを受けた気分だった。
朝になったらラビンスが起こしに来てくれると言っていた。
ロゼ様と一緒に朝食を食べるために。
お待たせしないように今からでも着替えておいたほうがいいのかな?
ラビンスにこの汚い体は見せられないし。
うん、きっとそう。
持ってきた着替えを出すために部屋の隅に置かれた少ない荷物に近づいた。
箱を開け、中を覗く。
そこにはドレスと一緒に小さな箱が一つ入っていた。
エメラルド国が装飾品なんて高価な物を持たせるとは思えないし、なんだろう。
手に取り、小箱の蓋を開ける。
中に入っているのを見て、どくんと心臓が震えた。
小箱には手の平におさまるほどの小さな瓶が入っていた。
中には紫色の液体が入っている。
それがなんなのかすぐに分かった。
毒だ。
オリビアが自ら死ぬために用意された毒だった。
そして、見慣れない物がもう一つ。
革で作られた細長い入れ物。
中身を見なくてもそれがなんなのか分かった。
きっと、自害するための短剣だ。
毒で死ぬか、短剣を突きして死ぬか。
好きに選べということだろう。
さきほどまでの幸せな気持ちはあっという間に消えてしまった。
涙がこぼれないよう必死にこらえた。
こらえるのは慣れている。泣けば義母の虐待がひどくなるだけだったから。
あぁ、この毒だけが夢だったらよかったのに。
毒の入った小瓶が淡い光を帯びる。
ふと窓の方を見るとカーテンの隙間から朝日が差し込んできていた。
早く着替えなきゃ。
ラビンスが来ちゃう。
どうせ死ぬのならこの幸せをもっと噛みしめたい。
絶望に支配されている時間がもったいない。
きっと私にとって人生最後に幸せだから。
自分を奮い立たせてドレスを掴んだ。
そしてそれを広げ、あることに気づいた。
さっそく絶望する。
オリビアはドレスを着る方法が分からなかったのだ。
エメラルド国ではとても服とは言えないような布切れを渡されて育った。
ど、どうしよう。
ラビンスに手伝ってもらう?
でもそしたら体を見せることになってしまう。
そうなればきっとロゼ様にも知られてしまう。
ロゼ様にもラビンスにも嫌われたくないのに。
どうしようどうしようと思い悩んでいるうちに、扉がノックされた。
ラビンスだ。
どうしてもドレスを着ることができなかったオリビアは観念するしかなかった。
泣きそうな表情で扉を開ける。
ラビンスが驚いた顔をした。
「おはようございます、オリビア様。どうされたのですか」
「ラビンス、あのね……」
見慣れない天蓋付きのベッドに一瞬ここはどこだろうと考える。
すぐに頭に浮かんだのはロゼ様の美しいお顔だった。
温かく迎え入れて優しく接してくれたロゼ様。
幸せな夢、ではなかった。
現実だ。
思い出すだけで頬が熱くなる。
名前を呼んでくれた素敵な声も忘れられない。
どうして私なんかを迎え入れてくれたのか。
考えれば考えるほど、それほどロゼ様はお優しい方なのだと感じた。
侍女のラビンスもそう。
突き飛ばしてしまったのに、責めるどころか優しい言葉ばかりをかけてくれた。
一生分の優しさを受けた気分だった。
朝になったらラビンスが起こしに来てくれると言っていた。
ロゼ様と一緒に朝食を食べるために。
お待たせしないように今からでも着替えておいたほうがいいのかな?
ラビンスにこの汚い体は見せられないし。
うん、きっとそう。
持ってきた着替えを出すために部屋の隅に置かれた少ない荷物に近づいた。
箱を開け、中を覗く。
そこにはドレスと一緒に小さな箱が一つ入っていた。
エメラルド国が装飾品なんて高価な物を持たせるとは思えないし、なんだろう。
手に取り、小箱の蓋を開ける。
中に入っているのを見て、どくんと心臓が震えた。
小箱には手の平におさまるほどの小さな瓶が入っていた。
中には紫色の液体が入っている。
それがなんなのかすぐに分かった。
毒だ。
オリビアが自ら死ぬために用意された毒だった。
そして、見慣れない物がもう一つ。
革で作られた細長い入れ物。
中身を見なくてもそれがなんなのか分かった。
きっと、自害するための短剣だ。
毒で死ぬか、短剣を突きして死ぬか。
好きに選べということだろう。
さきほどまでの幸せな気持ちはあっという間に消えてしまった。
涙がこぼれないよう必死にこらえた。
こらえるのは慣れている。泣けば義母の虐待がひどくなるだけだったから。
あぁ、この毒だけが夢だったらよかったのに。
毒の入った小瓶が淡い光を帯びる。
ふと窓の方を見るとカーテンの隙間から朝日が差し込んできていた。
早く着替えなきゃ。
ラビンスが来ちゃう。
どうせ死ぬのならこの幸せをもっと噛みしめたい。
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自分を奮い立たせてドレスを掴んだ。
そしてそれを広げ、あることに気づいた。
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ど、どうしよう。
ラビンスに手伝ってもらう?
でもそしたら体を見せることになってしまう。
そうなればきっとロゼ様にも知られてしまう。
ロゼ様にもラビンスにも嫌われたくないのに。
どうしようどうしようと思い悩んでいるうちに、扉がノックされた。
ラビンスだ。
どうしてもドレスを着ることができなかったオリビアは観念するしかなかった。
泣きそうな表情で扉を開ける。
ラビンスが驚いた顔をした。
「おはようございます、オリビア様。どうされたのですか」
「ラビンス、あのね……」
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