『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

姜維信繁

文字の大きさ
47 / 65

第47話 『凪咲と純美、午前と午後の初詣』

しおりを挟む
 1986年(昭和61年)1月2日(木) <風間悠真>

 ずいぶん前からだが、美咲はもちろん、他の女もオレがどこで何をしているのかを聞かなくなっていた。

 ・ギターの練習(自宅・祐介宅・ホール全部含む)
 ・学校
 ・自分以外の女といる(6人)

 いろんなことを詮索して面倒くさい女と思われたくないらしい。

 もっともそれは、オレがある意味誘導したというのもある。

 いい感じの雰囲気になった男女、もしくは付き合っている男女。またはそうなる前の段階で、一方が一方に対して好意を抱いている場合。こういう時のあるあるだが、出てくる質問がある。

 それは『~くん(さん)ってどんな女(男)がタイプなの?』という質問である。

 そこでオレは、こう答えるようにしている。

『相手のことを尊重して、あまり詮索しない人。自分の(オレの)時間を大事にしてくれる人』

 なぜか?

 おまえのいない時のオレを詮索してほしくはないからだ。おまえ以外の女とデートしたりキスしたり、いろんなことをしている時のことを詮索されたくはない。

 だから、『タイプ』という質問に対して、オレは常に『詮索しない人』という答えを用意している。これは一種の洗脳であり、誘導だ。それに加えて、『協調性のある人』も付け加える。

 ハーレム状態をつくるにあたって、これは重要だ。

 私だけを考えてほしい、自分だけを見てほしい、というのは自然な感情だが、それは2人っきりの時にしてほしい。なぜならそれでギスギスしてしまってハーレム崩壊になりかねないからだ。

 だからオレも2人の時は、別の女の話はしないし、考えないようにしている。(つもり)

 要するに、相手の立場に立って考えるということだ。
 
 例えば、美咲と一緒にいる時は美咲のことだけを考える。凪咲なぎさと一緒にいる時は凪咲のことだけを考える。その場その場で、相手を大切にする。

「悠真くんって、他の子とも仲が良いよね」

 ときどき、こんな感じで探りを入れてくる子もいる。その時はこう返す。

「うん。でも今は○○といる時間だから」

 こう答えることで、オレが相手のことを大切に思っているということが伝わる。そして、それは嘘じゃない。

 ハーレムというと、どうしても後ろめたさや罪悪感を感じてしまいがちだが、そんなもんはくそ食らえだ。

 オレは違う。

 みんなを大切にしたい、幸せにしたいという思いは本物だ。

 いや、きれい事言いすぎた。単純に全員とセックスしたいだけだ。

 だから『協調性のある人』という条件も大事なんだ。お互いを認め合える関係。そういうものがないと、ハーレムは成立しない。

 ただし、それは一種のテクニックでもある。

 建前と本音の使い分けだ。建前は『大切な存在』で本音は『ヤリたい』。でも、その2つは決して矛盾しない。むしろ両立できる。

 もちろん、ただヤリたいだけじゃない。それぞれの女の子に魅力がある。美咲の可愛らしさ、凪咲の知的な雰囲気、純美の爽やかさ……。

 みんな違って、みんないい。そして、みんなとヤリたい。

 時計を見る。そろそろ凪咲との待ち合わせの時間だ。

 


 ■10:00
   
 境内の下の階段で待っていると、凪咲が元気よく駆けてきた。

「悠真ー!  待った?」

 クリーム色のダッフルコートの下は水色のセーターのワンピース。膝下丈のスカートからのぞく白いハイソックス。普段の制服やバレー部のウエアとは違う可愛らしい装いだ。黒髪が朝の光を受けて輝いている。

「いや、今来たとこ」

「嘘でしょ。絶対早く来て待ってたじゃん」

 いつもの明るい調子で凪咲が笑う。よく見ると唇が少しツヤツヤしている。

「あ、そうだ。クリスマスにお母さんがメイクセットくれてね。リップだけ、ちょっと塗ってみたんだけど……」

 照れくさそうに言う凪咲。普段はあまり興味がなさそうなのに、美咲のキスミーリップの影響なんだろうか。

「でも、やっぱり悠真には隠し事できないよね」

 意味ありげな笑みを浮かべる。こいつはいつも、ちょっとだけ計算高いところがある。きっと今日という日を、何か特別な日にしようと考えているんだろう。

 階段を軽やかに上りながら、凪咲が振り返る。いつもの制服姿とは違う、休日の装いが新鮮だ。

「ねぇ、今年も頑張ろうね」

「あ、それと……今日は特別な日だから」

 言いかけて止まる凪咲。

 ん? なんの特別な日だ?




「ねえ、何お願いしたの?」

「オレ? うん。凪咲と今年も仲良くできますようにってね」

 うそ。今年こそはセックスできますようにってお願い。ん? 不謹慎かな? いや、願いは願いだ。

「もー、そういう無難な答えばっかりなんだから。悠真ってば」

 意外とずぶとい凪咲が、初詣の時だけは妙に控えめになっている。そんな感じも新鮮だ。

「あ、そうだ。この後、お母さんとお昼ご飯の約束があるから、すぐに帰らないといけないんだ。ごめんね」

「え……もう帰るの?」

 あああ、オレの帰りにグラウンドによって×××しちゃう予定が……崩れた。新年の×××初めが!

「うん。でも、お詣りだけはちゃんとしていきたくて。悠真と一緒に」

 凪咲の方から賽銭さいせんを投げて、鈴を鳴らした。オレも隣でお詣りをする。

 二人とも深々と頭を下げる。なんだか、この瞬間だけは神聖な気分になってしまう。日本人なら仕方ないのか? 外国人もそうなのか? いや、本当はこうあるべきなのかもしれない。

 お詣りを終えて、階段を下りながら──。

「ねぇ、私のお願い事、当ててみて?」

「え? それは、凪咲がさっき言ったみたいに、無難な答えしか出てこないよ」

「もー! そうじゃなくてね……」

「悠真と……」

 凪咲が顔を赤くして言いかける。その時、ちょうど参道を歩いてきた中年の夫婦とすれ違う。

「あ、もういいや!」

 照れくさそうに、凪咲が話を切り上げた。

「そろそろ行かなきゃ。お母さん、待ってるし」

「そうだね。じゃあ、また学校で」

「うん。またね~♡」




 オレの嫌な予感が当たった。

 午後3時に純美と待ち合わせをしていたんだが、凪咲で5時間取ってたのに、4時間近く時間つぶしをしなくちゃならなかった。

 しかも純美も凪咲と同じく家族と約束があるらしく、お詣りしたらすぐに帰っていったのだ。

 あれ? あれあれどうした? 

 オレの×××初めは?

 なんだか今年の運気を疑うような1日だった。




 次回 第48話 (仮)『新メンバーなんだが方向性の違い』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...