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プロローグ

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 今日も体が辛い。
 最近では息をするだけで胸が痛む。
 そんな身体で皇帝が望む生の営みなど出来る筈が無い。
 だがルクティエスことルークは今日も後宮へ通っていた。

 少しの癒しを求めて。

 ルークが求めるのは後宮の裏庭に居る猫たちに囲まれてうたた寝をすること。
 疲れは取れないが気持ちは安らぐ。
 可愛いのは正義である。

 心が穏やかになれば、また明日頑張れる。

 きっとこの体では子をなす事は出来ないだろう。
 父や母に申し訳なく思う。
 孫を期待している事を知っている。
 だがルークが子孫を残さなくても、従兄弟であるアンドュアイスがきっと跡継ぎを作ってくれるだろう。
 ルークの種でならなければならないと言うことも無いだろう。

 そう考えていたルークは、この後に運命とであるなんて想像もしていなかったのだった。
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