28 / 36
【27話】
しおりを挟む
ルークは待ちぼうけをくらっていた。
何時もの裏の広場にサイヒが来ない。
もう30分は待っている。
何時もならサイヒはルークより早く裏の広場に着き、猫たちと戯れているのだが。
猫たちも何時もならべったりサイヒに寄り添っているのに、今日は遠巻きにルークの様子を伺っている。
(私は何かサイヒを怒らせてしまっただろうか?それともサイヒの体調が悪いとか?部屋に様子を見に行った方が良いだろうか?勝手に部屋に入ったらウザいと思われたらどうしよう!?)
ルークの胸中が嫌な想像でぐるぐる回る。
彼の部屋に入って嫌がられないか悩む少女の様だ。
(倒れてたら大変だし…かまわないよな……?)
ルークは踵を返しサイヒの部屋へ赴いた。
「サイヒ、入るぞ…」
扉を叩いても反応しないので勝手に扉を開ける。
サイヒは部屋の鍵をかけていないので自由に入ることが出来る。
ただしルーク限定だ。
サイヒは鍵をかけない代わりに対人結界を張っている。
入れるのはサイヒとルークだけだ。
サイヒの許可があれば誰でも入れるが。
自由に入っていい許可があるルークはひそかに誇らしく思っている。
サイヒの特別だと言われているようで嬉しいのだ。
「サイヒ?」
シーツをすっぽり被った塊がベッドの上に存在した。
サイヒの部屋なのでサイヒであることは間違いないのだろうが。
「サイヒ、サイヒ」
シーツの塊を揺さぶる。
するとシーツから腕が伸びてきてルークを中に引きずり込んだ。
「な、なに?何だサイヒ?」
薄着のサイヒがルークにしがみ付く。
腰に腕を廻しギュウギュウと締め上げる。
ルークの胸に顔を擦り付けて、その体温と匂いを堪能する。
いつもと立場が逆である。
(寝ぼけているのか?でも、いつもと逆だ…サイヒは私にしがみ付いて気持ちが良いのだろうか?)
普段見えない腕が肩まで露になっている。
綺麗に筋肉の付いたしなやかな枝木のような腕だ。
筋骨隆々の男の者とは全然違うが、ただ枯れ木のように細いだけの淑女の腕とも違う。
ルークの胸に顔を埋めているので顔は見えない。
だが普段あまり見えない旋毛が見える。
(新鮮だ。それにしてもサラサラの綺麗な黒髪だ。絹の様だな。男にしたら長いがサイヒには良く似合う)
髪を手で梳き、一房をを取って鼻元へ寄せる。
(いい匂いだ…花の匂いがする……)
普段からサイヒはルークの好きな匂いがするが、髪は花のような淡く甘い香りがした。
サイヒが入浴の際に花の匂いのシャンプーを使っているからだ。
サイヒの祖国は”花と美の国”と言われているだけあって、美意識が大陸1高いとも言われている。
”カカンにブスはいない”と言われるぐらいだ。
サイヒも産まれながらに石鹸や肌を整える物に困った事は無い。
カカンでは庶民でさえも石鹸を使用している。
共同浴場に石鹸、シャンプー、リンスが設置してあるからだ。
浴槽には花が浮いているし、浴場を出たパウダールームには基礎化粧品さえ置いてある。
全ては1000年前の聖女が己の国の技術を広めたからだ。
それまでは垢を落とすのは神への冒涜とまで言われていたのだ。
これは大陸全土に渡る。
その事をカカンの聖女がひっくり返した。
”清潔”が好まれるようになったのはココからだ。
なのでサイヒは男らしい性格をしているが意外と美意識が高いのである。
(サイヒとくっ付くのは気持ちよいが、起こさないと)
そう思うがルークは声が出せない。
サイヒの素足がルークの足に絡みついたからだ。
サイヒは足にも綺麗に筋肉が付いている。
過剰でない、必要適量な筋肉のついた脚は柳の様にしなやかだ。
それでいて細すぎず、野生のネコ科の獣の足を思わせる。
思わずルークの手が伸びる。
ふに
(柔らかい…しかもスベスベだ)
それはそうだろう。
サイヒは女なので男のむさ苦しい脚とは違う。
無駄毛も生えない方であるし、肌の肌理が細かいので触るとスベスベなのだ。
思わずルークもサイヒの足を堪能してしまう。
その感触がくすぐったかったのか、サイヒの意識が覚醒した。
何時もの裏の広場にサイヒが来ない。
もう30分は待っている。
何時もならサイヒはルークより早く裏の広場に着き、猫たちと戯れているのだが。
猫たちも何時もならべったりサイヒに寄り添っているのに、今日は遠巻きにルークの様子を伺っている。
(私は何かサイヒを怒らせてしまっただろうか?それともサイヒの体調が悪いとか?部屋に様子を見に行った方が良いだろうか?勝手に部屋に入ったらウザいと思われたらどうしよう!?)
ルークの胸中が嫌な想像でぐるぐる回る。
彼の部屋に入って嫌がられないか悩む少女の様だ。
(倒れてたら大変だし…かまわないよな……?)
ルークは踵を返しサイヒの部屋へ赴いた。
「サイヒ、入るぞ…」
扉を叩いても反応しないので勝手に扉を開ける。
サイヒは部屋の鍵をかけていないので自由に入ることが出来る。
ただしルーク限定だ。
サイヒは鍵をかけない代わりに対人結界を張っている。
入れるのはサイヒとルークだけだ。
サイヒの許可があれば誰でも入れるが。
自由に入っていい許可があるルークはひそかに誇らしく思っている。
サイヒの特別だと言われているようで嬉しいのだ。
「サイヒ?」
シーツをすっぽり被った塊がベッドの上に存在した。
サイヒの部屋なのでサイヒであることは間違いないのだろうが。
「サイヒ、サイヒ」
シーツの塊を揺さぶる。
するとシーツから腕が伸びてきてルークを中に引きずり込んだ。
「な、なに?何だサイヒ?」
薄着のサイヒがルークにしがみ付く。
腰に腕を廻しギュウギュウと締め上げる。
ルークの胸に顔を擦り付けて、その体温と匂いを堪能する。
いつもと立場が逆である。
(寝ぼけているのか?でも、いつもと逆だ…サイヒは私にしがみ付いて気持ちが良いのだろうか?)
普段見えない腕が肩まで露になっている。
綺麗に筋肉の付いたしなやかな枝木のような腕だ。
筋骨隆々の男の者とは全然違うが、ただ枯れ木のように細いだけの淑女の腕とも違う。
ルークの胸に顔を埋めているので顔は見えない。
だが普段あまり見えない旋毛が見える。
(新鮮だ。それにしてもサラサラの綺麗な黒髪だ。絹の様だな。男にしたら長いがサイヒには良く似合う)
髪を手で梳き、一房をを取って鼻元へ寄せる。
(いい匂いだ…花の匂いがする……)
普段からサイヒはルークの好きな匂いがするが、髪は花のような淡く甘い香りがした。
サイヒが入浴の際に花の匂いのシャンプーを使っているからだ。
サイヒの祖国は”花と美の国”と言われているだけあって、美意識が大陸1高いとも言われている。
”カカンにブスはいない”と言われるぐらいだ。
サイヒも産まれながらに石鹸や肌を整える物に困った事は無い。
カカンでは庶民でさえも石鹸を使用している。
共同浴場に石鹸、シャンプー、リンスが設置してあるからだ。
浴槽には花が浮いているし、浴場を出たパウダールームには基礎化粧品さえ置いてある。
全ては1000年前の聖女が己の国の技術を広めたからだ。
それまでは垢を落とすのは神への冒涜とまで言われていたのだ。
これは大陸全土に渡る。
その事をカカンの聖女がひっくり返した。
”清潔”が好まれるようになったのはココからだ。
なのでサイヒは男らしい性格をしているが意外と美意識が高いのである。
(サイヒとくっ付くのは気持ちよいが、起こさないと)
そう思うがルークは声が出せない。
サイヒの素足がルークの足に絡みついたからだ。
サイヒは足にも綺麗に筋肉が付いている。
過剰でない、必要適量な筋肉のついた脚は柳の様にしなやかだ。
それでいて細すぎず、野生のネコ科の獣の足を思わせる。
思わずルークの手が伸びる。
ふに
(柔らかい…しかもスベスベだ)
それはそうだろう。
サイヒは女なので男のむさ苦しい脚とは違う。
無駄毛も生えない方であるし、肌の肌理が細かいので触るとスベスベなのだ。
思わずルークもサイヒの足を堪能してしまう。
その感触がくすぐったかったのか、サイヒの意識が覚醒した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる