冷酷な王子がお馬鹿な私にハマり過ぎて婚約破棄できなくなってることを周りは誰も知りません※R15

みかん畑

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13 現地調査

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 エミリーの手腕で貴族が一生遊んで暮らせるだけのお金を手に入れた私たちは、貧民街で暮らしてる皆さんの要望を調べることにしました。

「なにもお嬢様が現地の視察などせずとも……」
「それを言うなら殿下までついてくるのが予想外ですよ」
「女性2人で貧民街に行くなんて許容できないからな」
「いやいや、ヴァレールはエミリーが心配で気が気じゃなかっただけだろ」

 私、エミリー、殿下、ニコラの4人は、王都の片隅にある貧民街に来ています。私が貧民街に行って自分にできることがあるか確認しますと伝えたところ、殿下はすぐにやってきたんです。

『リア! 貧民街で何をするつもりなんだ!?』
『ええと、奉仕活動です』
『駄目だ! 天使のような君があんな奴らに身体を差し出すなんて! リアは俺だけのものなんだ!!!』
『誤解ですよぉ!?』

 ちょっとした誤解はありましたが、殿下は一緒に行くと行って譲らなかったので、このメンバーになりました。今も彼は私の手を掴んで離そうとしません。

「機嫌が良さそうだな。どうしたんだ?」
「えへへ。お兄ちゃんみたいです」
「……天使だ」

 殿下がうっとりと微笑んでます。
 殿下には私がどういう風に見えているんですかね?

「リア様、あまり気を抜かないでくださいね」
「そんなにビビんなくても平気ですよぉ。王都はリアの庭みたいなものなんです」
「へへ、可愛い嬢ちゃん連れてるじゃねえか」
「ピィィィ!?」

 寂れた通路を歩いていると、前から柄の悪そうな男たちが集まってきました……! 怖いですー!

「助けてくださいエミリー!」
「おい、俺を頼ってくれよ。婚約者だろ」

 殿下が拗ねちゃいました!

「ご安心を。彼らは協力者です」
「へへ。おめえがエミリーか。本当に貴族のお嬢ちゃんを連れてきたんだなぁ。2人まとめてちょっと味見させてくれよ」
「本当に協力者なんですか!?」
「チッ……。ガキが……」

 エミリーの目つきが剣呑になります。
 冬眠中に叩き起こされた熊みたいな表情です!

「ここは俺とニコラが――」
「ぐえっ」

 殿下が言い終わる前に、男たちの内の一人が倒れました!
 エミリーが指で何かを弾いて飛ばしてます!

「な、なにしやがる!」
「私の前でお嬢様を侮辱した罰です」
「ざけんなクソメイド!」

 ナイフを抜いた男たちが臨戦態勢に入ります!

「殿下、私はリア様のお傍を離れられません」

 殿下は頷くと、自ら剣を抜きました。
 ニコラが盛大に溜息をついて隣に並びます。

「王族が剣を抜いちゃまずいでしょ」
「言うな。ここなら誰も見てない」

 殿下は剣に炎を纏わせました。

「こいつ魔術師か!」
「貴族が魔法を扱うのは当然のことだろう」
「やられる前にやってやる……!」
「お前の罪ごと燃やし尽くしてやる」

 殿下が剣を一振りすると、燃え盛る炎が男たちを舐めました。

「ぎゃぁぁぁ!」
「許してくれぇぇぇ!」
「リアに手を出そうとしたお前たちを許すわけないだろ」

 冷酷な一面を覗かせた殿下は、容赦なく敵を焼いてしまいました。
 命までは取ってないですけど、王族の魔力って半端ないですね。

「見事な炎です。殿下」
「君の指弾には及ばない」

 というか、案内役がいなくなっちゃいましたけど、どうしましょう。

「仕方ないですね。ここからは私が案内します」
「いや、一度帰るべきじゃないか? 不慣れな街で土地勘もないのに動くのは危険だ。ましてやここは貧民街だ。リスクが高すぎる」

 ニコラが反対しますが……。

「心配は無用です。私はここの生まれですから」
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