42 / 65
フィアのお部屋会議4(スペリア視点)
しおりを挟む事件が起きました!
エイミー様がアルロス様に誘拐されてしまったのです。
今、だいぶ動揺しています、スペリアです。
「なんで、あの男をエイミーのところに置いたんだ!?」
「ワタクシもまさかアルロスがエイミー様の事を、あんなにも好きなにるとは思ってもおりませんでしたわ!少しでもアルロスに良い影響を与えられたらよかっただけですのに、どうしていつもあの子は斜め上を行ってしまうのでして……?」
そう言い争っているのは絶賛大混乱の殿下と、珍しく半泣きのフィア様です。
「僕がもっと早く二人の様子を見に行けていれば……」
「仕方がありません。あのときの殿下は後日開催される、『夏休み直前、ドキドキスポーツ大会』開催委員会の会議がある日でしたからね」
「その名前なに!?こっちはドキドキしてる場合じゃないし、その変なやつのせいで僕はエイミーのところまで間に合わなかったんだそ!?」
確かに名前は変ですけど、ただのスポーツ大会ですから仕方がありません。
そんな訳で殿下が様子を見に行った頃には、すでにエイミー様は連れ去られた後だったようで、翌日フィア様に結婚式の招待状が届いたことで、はじめてことの結末を知ったのです。
「殿下、ここはエイミー様を奪いにいくしかありませんわ?」
「奪いに……?」
「ええ、結婚式当日に花嫁を奪いにいくのですわ!」
「でも僕のまま出て言ったら、また悪女になるってエイミーに嫌われちゃうよ」
「もう、何のために今まで変装してきたと思っているのでして?」
フィア様に言われて、殿下はようやく言われた事を理解したようですね。
「そうか、僕が白馬に乗った王子様の変装をしていけば……って、僕はすでに王子だよ!?これはどうしたら……」
「違いますわよ!?護衛の変装ですわ!!」
「や、やだな。ジョークだよ、ジョーク!護衛の変装だってわかってるよ!」
いや絶対この人、わかってなかっただろ……。
「結婚式の日も、開催場所もわかっておりますわ。ですからワタクシが裏から手を回しますので、殿下は当日護衛の姿でエイミー様を式場から連れ出して下さいまし!」
「わかった。しかしあの魔術集団から上手く連れ出せるだろうか……」
「問題はそこですわね。ラミュー家は有名な魔法一家ですわ。そこには勿論、アルロスなんかよりも強い魔法使いが沢山いますもの。殿下はとても強いですけど、お一人では苦しいかもしれませんわ……」
そしてお二人はまた悩みはじめてしまったのです。
確かにあの魔法狂の集団からエイミー様を助け出すのは至難の技だと俺でも思いますからね。
でも魔法使いだからこその弱点もあると思う訳ですよ。
「あの、フィア様お抱えの魔法使いのなかに魔法封じができる方はいないのですか?」
「おりますけど、結婚式場はラミュー家の敷地内ですわ。その範囲に魔法封じを施すのは至難の技ですわよ」
「じゃあ、僕がそれを手伝おう!」
「いやいや、何言ってんですか!?殿下は手伝いより護衛役に集中して下さいよ!」
確かに殿下が手伝えば早く解決するとは思いますよ。
だけど、殿下にはエイミー様をお助けする大事な役目を全うして欲しいのです。
ここまできたら、殿下にはエイミー様の本当の王子様になって頂かないと困りますからね。
「というわけで、手伝うのは私がやります」
「ええ!?スペリアが?本当に出来るのか??」
「なんで、凄い煽ってくるんですか!?僕はこれでも殿下の従者に選ばれるぐらいには優秀なんですよ」
普段は全く役に立ってるところ無いですけどね。
やればできる男ですから。
「スペリア様がやるのでしたら、私も手伝いますわ……!」
「それもだめですよ!?フィア様にはアルロス様を安心させるお役目がありますから。当日フィア様の様子がおかしければ、スペリア様はすぐに気がついてしまいますから、わかりましたか?」
「そ、そうですわよね……私にも役目があるのですもの、そのためにがんばりますわ!」
「それでは、3人で当日に向けて頑張りましょう!」
「「おー!!」」
3人の気持ちが一つになりましたね。
この気持ちがあれば、絶対にエイミー様をお救い出来るはずです!
「しかし、もしエイミーを攫ったあとはどうしたら良いんだ?すぐにラミュー家にまた連れ戻されてしまうのではないか?」
「確かにそうですわね。でしたら、暫くはワタクシの家で匿う事にしますわ。その間にワタクシがアルロスを説得してみせますわよ!」
「よし。そこはフィアしか出来ないからな、よろしく頼む。でも僕はエイミーから離れてみてはじめてわかったよ。やっぱりエイミーの事が好きだし、誰にも渡したくない」
「でしたら、その気持ちをエイミー様にちゃんと伝えてくださいな」
その言葉に殿下は深く頷いて、俺たちはラミュー家攻略ための話し合いを始めたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~
村雨 妖
恋愛
森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。
ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。
半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる