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ベース22
鎧
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監視カメラの項目を調べてみると、セクション2だけではなく、セクション3の監視カメラの映像も出せるみたいだ。
早速映してみる。
「うわー」
モニターに映ったのは怪物だ。
それも複数体。
ここまでは予想通りだ。
予想と違うのは怪物が2の奴と違うことだ。
カメラなので正確な大きさは分からないけど、セクション2の奴よりも明らかに大きい。
皮膚の一部には亀の甲羅のような甲殻が張り付いており、吹き矢程度なら軽く弾かれそうだ。
爪は見た感じ変わりはないけど、身体が大きいからその分大きくなっており危険性が増している。
見て分かる情報はこれぐらいかな。
ズームできれば分かることが増えるけど、できないのでこれが限界だった。
「そろそろ潮時かな」
椅子の背もたれにもたれ掛かり呟く。
体感なんだけど錆攻撃の効果は怪物の大きさによって差が出ていた。
上手く甲殻を避けて釘を当てても、あの大きさじゃ効果も薄い。
というか、ここって生身で挑める場所じゃない。
一度ここから離れて、屋内でも動けるぐらい小さい機体を手に入れないとこれ以上は無理だ。
戦略的撤退……とかかっこよく言ってみたいけどなす術がないので逃げるだけである。
そろそろ空気も綺麗になったので通路に戻ってみよう。
通路はまだ少し空気が濁って視界が悪いけど、前ほど酷くはない。
空気の浄化システムはちゃんと動いてくれたようだ。
戻っていくと吸気口の近くに’彼’の痕跡を見つけた。
ボロボロの布と化した服らしき物体だ。
たぶんこれが’彼’なんだろう。
吸気口の近くに会ったけど塞いでいたのはこれじゃない。
塞いでいたのはそのすぐ近くにある大きな物体だ。
それは吸気口の隣にあって、床には僕が動かしたことによって傷ができていた。
その正体は重装甲の鎧だ。
色は緑色だけど、触れたら手に付着したので塗装じゃなくて怪物の毒が付着しているだけだ。
装甲は厚く、見ただけで堅牢な作りをしているのが分かる。
関節も装甲で守られており、肌が露出する場所がほぼない。
全身を包むという意味ではプレートアーマ―に近いかな。
ただ胸からお腹にかけて、何かで斬られたのか大穴が開いていた。
’彼’はこれを着用してここに入り、死んだんだろう。
だけど、不思議なことがある。
服の近くに鎧があったことだ。
なにが問題なのかというと服が外に出ていることだ。
致命傷を受けて死ぬなら鎧の中に服がなければおかしい。
つまり’彼’は鎧の外で死んだことになる。
穴の大きさから引きずり出されたわけではない。
自分から出たんじゃないかな。
死の恐怖でおかしくなったかもしれない。
考えを巡らせていると鎧の真上の天井にもこもこと盛り上がって色が違うところを見つけた。
たぶんあれが穴が開いた箇所だ。
よく見れば夥しい量の血らしき跡が至る所にあった。
この穴を塞ぐのにかなりの犠牲を払ったんだろうか?
服を回収しておく。
あとでちゃんと弔っておこう。
ゲームなのにあまりにリアルなので感情移入をしすぎてしまう。
しょうがないことだ。
さてどうやって鎧を運ぼう。
これはデバイスに入れることができない。
なぜならこれはただの鎧ではないからだ。
ただの鎧なら重すぎて着用することなんてできない。
これはパワードアームだ。
パワードアーム系列はこのゲーム内で人が乗れる機体中、最小の物だ。
小さくても甘く見てはいけない。
確かに小さいと火力は劣る。
あくまで人間サイズだから持てる武装の大きさも限られてしまうからだ。
だけど、操作性は抜群だ。
簡単に言うとパワーアシスト機能が付いた鎧なので、練習しなくても思い通りに動かせる。
小さいおかげで歩兵のような戦闘が行えるため、その手のゲームに慣れたプレイヤーにとって最良の機体になる。
集団戦の強さはおそらく随一だろう。
もし、集団戦の大会が行われたら、間違いなく優勝候補になる機体の分類だ。
他の機体群は戦術を手探りで構築しているのに対して、別ゲームで構築した戦術をそのまま転用できるの大きいのだ。
あと中型機以上と比べると安い物が多い。
機体本体だけじゃなくて、武装も安い。
小さいということは必要な資材が少なく済むからである。
壊れても新しい物をすぐに用意できるというのは大きな長所だ。
これを使えば、怪物と正面から戦えるかもしれない。
着て行きたいけど、壊れているみたいだから無理そうだ。
宇宙船まで運ぼう。
ただ、これ滅茶苦茶重い。
パワーアシストがないとこんなもの運べない。至高の肉体の強化があっても持ち上がらなかった。
分けて運べる部分はバラシて一つ一つ持っていこうと思ったけど、一つでもかなりの重さだった。
何往復することになるやら。
早速映してみる。
「うわー」
モニターに映ったのは怪物だ。
それも複数体。
ここまでは予想通りだ。
予想と違うのは怪物が2の奴と違うことだ。
カメラなので正確な大きさは分からないけど、セクション2の奴よりも明らかに大きい。
皮膚の一部には亀の甲羅のような甲殻が張り付いており、吹き矢程度なら軽く弾かれそうだ。
爪は見た感じ変わりはないけど、身体が大きいからその分大きくなっており危険性が増している。
見て分かる情報はこれぐらいかな。
ズームできれば分かることが増えるけど、できないのでこれが限界だった。
「そろそろ潮時かな」
椅子の背もたれにもたれ掛かり呟く。
体感なんだけど錆攻撃の効果は怪物の大きさによって差が出ていた。
上手く甲殻を避けて釘を当てても、あの大きさじゃ効果も薄い。
というか、ここって生身で挑める場所じゃない。
一度ここから離れて、屋内でも動けるぐらい小さい機体を手に入れないとこれ以上は無理だ。
戦略的撤退……とかかっこよく言ってみたいけどなす術がないので逃げるだけである。
そろそろ空気も綺麗になったので通路に戻ってみよう。
通路はまだ少し空気が濁って視界が悪いけど、前ほど酷くはない。
空気の浄化システムはちゃんと動いてくれたようだ。
戻っていくと吸気口の近くに’彼’の痕跡を見つけた。
ボロボロの布と化した服らしき物体だ。
たぶんこれが’彼’なんだろう。
吸気口の近くに会ったけど塞いでいたのはこれじゃない。
塞いでいたのはそのすぐ近くにある大きな物体だ。
それは吸気口の隣にあって、床には僕が動かしたことによって傷ができていた。
その正体は重装甲の鎧だ。
色は緑色だけど、触れたら手に付着したので塗装じゃなくて怪物の毒が付着しているだけだ。
装甲は厚く、見ただけで堅牢な作りをしているのが分かる。
関節も装甲で守られており、肌が露出する場所がほぼない。
全身を包むという意味ではプレートアーマ―に近いかな。
ただ胸からお腹にかけて、何かで斬られたのか大穴が開いていた。
’彼’はこれを着用してここに入り、死んだんだろう。
だけど、不思議なことがある。
服の近くに鎧があったことだ。
なにが問題なのかというと服が外に出ていることだ。
致命傷を受けて死ぬなら鎧の中に服がなければおかしい。
つまり’彼’は鎧の外で死んだことになる。
穴の大きさから引きずり出されたわけではない。
自分から出たんじゃないかな。
死の恐怖でおかしくなったかもしれない。
考えを巡らせていると鎧の真上の天井にもこもこと盛り上がって色が違うところを見つけた。
たぶんあれが穴が開いた箇所だ。
よく見れば夥しい量の血らしき跡が至る所にあった。
この穴を塞ぐのにかなりの犠牲を払ったんだろうか?
服を回収しておく。
あとでちゃんと弔っておこう。
ゲームなのにあまりにリアルなので感情移入をしすぎてしまう。
しょうがないことだ。
さてどうやって鎧を運ぼう。
これはデバイスに入れることができない。
なぜならこれはただの鎧ではないからだ。
ただの鎧なら重すぎて着用することなんてできない。
これはパワードアームだ。
パワードアーム系列はこのゲーム内で人が乗れる機体中、最小の物だ。
小さくても甘く見てはいけない。
確かに小さいと火力は劣る。
あくまで人間サイズだから持てる武装の大きさも限られてしまうからだ。
だけど、操作性は抜群だ。
簡単に言うとパワーアシスト機能が付いた鎧なので、練習しなくても思い通りに動かせる。
小さいおかげで歩兵のような戦闘が行えるため、その手のゲームに慣れたプレイヤーにとって最良の機体になる。
集団戦の強さはおそらく随一だろう。
もし、集団戦の大会が行われたら、間違いなく優勝候補になる機体の分類だ。
他の機体群は戦術を手探りで構築しているのに対して、別ゲームで構築した戦術をそのまま転用できるの大きいのだ。
あと中型機以上と比べると安い物が多い。
機体本体だけじゃなくて、武装も安い。
小さいということは必要な資材が少なく済むからである。
壊れても新しい物をすぐに用意できるというのは大きな長所だ。
これを使えば、怪物と正面から戦えるかもしれない。
着て行きたいけど、壊れているみたいだから無理そうだ。
宇宙船まで運ぼう。
ただ、これ滅茶苦茶重い。
パワーアシストがないとこんなもの運べない。至高の肉体の強化があっても持ち上がらなかった。
分けて運べる部分はバラシて一つ一つ持っていこうと思ったけど、一つでもかなりの重さだった。
何往復することになるやら。
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