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星海から訪れる侵略者
楽園の終焉。災厄の発端。
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奴らの侵入を許した区画には日に日に増えている。
遂に居住区への侵入を許してしまった。
場所は最低ランクの居住区。
警備が手薄だったため、かなりの数の犠牲者が出てしまった。
最低ランクだったため、老害共は気にも留めてない様子だった。
明日は我が身だということに気付いていない。
~~~
老害共にミードコール号の放棄を提案。
生命活動に必要な機器を持って、脱出する。ミードコール号を失うが、全滅は避けられる。
しかし、鼻で笑われてしまった。
もはやミードコール号は楽園ではない。何故彼らがそれがわからんのだ。
~~~
上には却下されたが、独自で動くことにした。
幸い、志を共にする同志がいる。
たとえ、老害共の意向から逆らうことになっても、この作戦は成功させなければならない。
アベル&カインの血筋を絶やすことはあってはならない。
ミードコール号には戦艦が配備されている。
それを脱出に使う。現状のままでは長期間の航行に耐えられない。改修の必要がある。
機材はミードコール号の物を流用する。作業スタッフも口が堅い者を厳選した。
老害共に知られたらまずい。
~~~
脱出戦艦は完成。
突貫工事ゆえに問題点は残っているが、時間を掛け過ぎれば上層部にバレる。
脱出させる人間の選別は済んでいる。
金銭や地位は基準に入れていない。人格面を優先した。
乗員名簿に私の名前はない。
私はミードコール号に残る。私には責任がある。
ミードコール号と運命を共にするつもりだ。
~~~
脱出戦艦は可能な限りの物資を積みこんで、ミードコール号から出発した。
彼らが生きて、居住可能な星に辿り着く可能性は1割もない。
しかし、このままミードコール号にいるよりはマシだろう。
私は上の意向を無視したとして、営倉に入れられることになった。
後悔はない。
~~~
営倉から解放、日誌を開くのは大体一ヶ月ぶりになる。
この一ヶ月で状況は好転することはなく、どうにもならないほど悪化していた。
区画の大半はモンスターの巣窟に。総数は万を超えているそうだ。
一体一体の戦闘力も格段に上昇している。
突出しているのは新型AGを取り込んだ個体だ。
AGラッパを取り込んだ個体も強力だったが、新型を取り込んだ個体はその比ではない。
その戦闘力は新型AGを大きく上回っている。単体であれに勝てる機体は存在しないだろう。
さらにミードコール号の制御システムの一部が掌握されてしまった。
まさか、そのような能力を所持しているとは。
無人ロボットたちが奴らの尖兵となってしまった。
全システムを完全に掌握されるのも時間の問題だろう。
奴らの進化は留まることを知らない。
生物としてのポテンシャルは人間を遥かに超えていた。
時期に新型AGを取り込んだ個体よりも強大な個体が誕生するだろう。
もはやどうすることもできない。人間は死に怯えることしかできない。
~~~
ミードコール号の全システムが乗っ取られた。
こちらの残存戦力は僅か。AGは十数機。これで事態を打開するのは不可能。
老害共はどうにかしろと喚いているが、責任はお前らにある。地獄で後悔しろ。
~~~
老害たちは戦艦での脱出を決行。
格納庫までの道中で多大な犠牲を払ったが戦艦まで到着。
しかし、ミードコール号を出発した直後、モンスターたちの襲撃を受け、艦隊は全滅した。
私はミードコール号に残ったため、助かったが、すぐに後を追うことになるだろう。
航海日誌最後のページ
船内から人の声は聞こえてこない。聞こえるのはモンスターの咆哮だけだ。
人間は私以外残っていないのかもしれない。
思えば、私の人生は敷かれたレールの上を歩くだけだった。
ヴィンヤード重工の一族として、それ以外の生き方は許されなかった。
いや、違う。私は恐れていただけだ。レールから外れることを。
兄はレールから外れ、自由に生きていた。それに比べて、私は……本当に愚かだ。
生まれ変わりがあるのなら、願わくばアベル&カインで生まれることを願う。
私は故郷を捨てた身。勝手な願いだということは分かる。
だが、そう願わざる負えなかった。
◆
部屋の外から隔壁をこじ開けようとするモンスターたちの咆哮が聞こえてきた。
奴らが私の居場所を突き止めたらしい。
「もはや、ここまでか」
奴らに殺されるぐらいならば、自ら命を絶つ。
テーブルに置いておいた銃を手に取り、喉元に突き付ける。
躊躇することなく、引き金を引いた。
私が最期に見た景色。それは奴らではなく、遠い故郷の風景だった。
●●●筆者のからのお知らせ●●●
twitchにて作業配信をしてます。
遂に居住区への侵入を許してしまった。
場所は最低ランクの居住区。
警備が手薄だったため、かなりの数の犠牲者が出てしまった。
最低ランクだったため、老害共は気にも留めてない様子だった。
明日は我が身だということに気付いていない。
~~~
老害共にミードコール号の放棄を提案。
生命活動に必要な機器を持って、脱出する。ミードコール号を失うが、全滅は避けられる。
しかし、鼻で笑われてしまった。
もはやミードコール号は楽園ではない。何故彼らがそれがわからんのだ。
~~~
上には却下されたが、独自で動くことにした。
幸い、志を共にする同志がいる。
たとえ、老害共の意向から逆らうことになっても、この作戦は成功させなければならない。
アベル&カインの血筋を絶やすことはあってはならない。
ミードコール号には戦艦が配備されている。
それを脱出に使う。現状のままでは長期間の航行に耐えられない。改修の必要がある。
機材はミードコール号の物を流用する。作業スタッフも口が堅い者を厳選した。
老害共に知られたらまずい。
~~~
脱出戦艦は完成。
突貫工事ゆえに問題点は残っているが、時間を掛け過ぎれば上層部にバレる。
脱出させる人間の選別は済んでいる。
金銭や地位は基準に入れていない。人格面を優先した。
乗員名簿に私の名前はない。
私はミードコール号に残る。私には責任がある。
ミードコール号と運命を共にするつもりだ。
~~~
脱出戦艦は可能な限りの物資を積みこんで、ミードコール号から出発した。
彼らが生きて、居住可能な星に辿り着く可能性は1割もない。
しかし、このままミードコール号にいるよりはマシだろう。
私は上の意向を無視したとして、営倉に入れられることになった。
後悔はない。
~~~
営倉から解放、日誌を開くのは大体一ヶ月ぶりになる。
この一ヶ月で状況は好転することはなく、どうにもならないほど悪化していた。
区画の大半はモンスターの巣窟に。総数は万を超えているそうだ。
一体一体の戦闘力も格段に上昇している。
突出しているのは新型AGを取り込んだ個体だ。
AGラッパを取り込んだ個体も強力だったが、新型を取り込んだ個体はその比ではない。
その戦闘力は新型AGを大きく上回っている。単体であれに勝てる機体は存在しないだろう。
さらにミードコール号の制御システムの一部が掌握されてしまった。
まさか、そのような能力を所持しているとは。
無人ロボットたちが奴らの尖兵となってしまった。
全システムを完全に掌握されるのも時間の問題だろう。
奴らの進化は留まることを知らない。
生物としてのポテンシャルは人間を遥かに超えていた。
時期に新型AGを取り込んだ個体よりも強大な個体が誕生するだろう。
もはやどうすることもできない。人間は死に怯えることしかできない。
~~~
ミードコール号の全システムが乗っ取られた。
こちらの残存戦力は僅か。AGは十数機。これで事態を打開するのは不可能。
老害共はどうにかしろと喚いているが、責任はお前らにある。地獄で後悔しろ。
~~~
老害たちは戦艦での脱出を決行。
格納庫までの道中で多大な犠牲を払ったが戦艦まで到着。
しかし、ミードコール号を出発した直後、モンスターたちの襲撃を受け、艦隊は全滅した。
私はミードコール号に残ったため、助かったが、すぐに後を追うことになるだろう。
航海日誌最後のページ
船内から人の声は聞こえてこない。聞こえるのはモンスターの咆哮だけだ。
人間は私以外残っていないのかもしれない。
思えば、私の人生は敷かれたレールの上を歩くだけだった。
ヴィンヤード重工の一族として、それ以外の生き方は許されなかった。
いや、違う。私は恐れていただけだ。レールから外れることを。
兄はレールから外れ、自由に生きていた。それに比べて、私は……本当に愚かだ。
生まれ変わりがあるのなら、願わくばアベル&カインで生まれることを願う。
私は故郷を捨てた身。勝手な願いだということは分かる。
だが、そう願わざる負えなかった。
◆
部屋の外から隔壁をこじ開けようとするモンスターたちの咆哮が聞こえてきた。
奴らが私の居場所を突き止めたらしい。
「もはや、ここまでか」
奴らに殺されるぐらいならば、自ら命を絶つ。
テーブルに置いておいた銃を手に取り、喉元に突き付ける。
躊躇することなく、引き金を引いた。
私が最期に見た景色。それは奴らではなく、遠い故郷の風景だった。
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