幼女先生と不思議な課外授業

青衣

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11月13日【ATMにはだいたい3000万円くらい入ってる】

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 下校中飲み物買おうと財布の中を確認すると……だ、札束の1枚たりとて入ってないのは何かと悲しい、ならば下ろしに行かないわけがないのだ。
 小銭ばかりで重いけど違う、そうじゃない……潤ってないという感じのアレ。

 自販機前で思い悩んでいると、ミカンと偶然ばったり遭遇してしまったが帰り道が一緒なら仕方ないしたまには良いだろう。

「へぇ、このあと下ろしに行く……ねぇ。 珍しいな、カツラにすりゃよぉ。」

「けっこう頻繁に下ろしてるけどな、そんな珍しいのか?」

 金遣いが荒い訳じゃないが週に1度は下ろす感じかな?

「それにこの通帳は俺の個人的なヤツだ。 給料が振り込まれる方の通帳は母さんが預かってくれてる。 まぁ怪しまれないようにたまにそっちから下ろすだけで普段は隠し通帳からだな。」

「あー、俺もお母さんに管理されててメンドウだ。 予備作ろうかねぇ。」

 そう言いながらも15万ほど下ろす。
 この通帳の残高は基本ツボミが投資と称して振り込んでくれるお金ばかりで、まだタンマリと入ってるから無駄遣いしなければ何年と持つだろう。
 どれくらいかと言えば普通の高校生が持ってたらおかしいぐらいだがな。

 ちなみにATMにはローンなどを振り込む前提やらいろいろ大金の移動を見越して中には数千万単位、聞いたところ3000万円くらいはザラだとか。
 あんな小さいのに大金なんて仕込んでるから壊して強盗に入られるのも納得じゃないかな。

「でも気を付けろよ、男によってたかる女はだいたい金目当てとくる。 俺なんてしょっちゅうだ。」

「言いたいことはわかるけど華丸先生の心配なんだろ? 大丈夫、マルは金目当てなんかじゃない。」

 自信満々の強気で言い返してやるが、やはり俺には女の心なんて知るわけもない。
 もし本当にマルが金目的で俺と交際してると考えれば……ゾッとする。

 けど買い物の最中に頻繁にあれが欲しいとかこれが欲しいとかなんてほぼ言わないから安心はできる。
 と言うかもう少しおねだりしてくれた方が愛想があるレベルと思うほど物欲がない……しかし食欲に関しては論外だが。

「男はATM化されたら終わりだな。 まぁ俺だって華丸先生のことは信じてる。 疑うようで悪かったが釘指しておきたくてな……カツラの為にも。」

「いや良いよ、ありがとうな。 さてと、帰る前に市場によって魚でも見に行くか。」

 俺は今日も今日とて料理に生きる人間だ、何かを捌いて腕を上げたいと思うときは多々あるし金を下ろしたのも大型の魚を買うためだったりする。
 潤った財布をポケットにしまって市場まで軽い足取りで、魚達は俺を呼び寄せるのだ。
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