幼女先生と不思議な課外授業

青衣

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11月14日【ナスはバラの仲間だからトゲがある】

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 とうとうこちらも初雪が降り冬を告げる帰路の中、後ろから相変わらずストーキングしてくる不届きな輩がいたと来る。
 まぁ可愛い女の子に付け回されるなら悪くはないが野郎なら身内や知り合いを除けば即通報してやるがな。

 下校中の買い物は本来禁止されてるがそこはコッソリすれば問題はないだろう。
 運悪く教師と鉢合わせしたら終わるが……。

 マルは論外としよう。
 ところでちょっとイタズラしてやろうか。

 俺は立ち止まってポケットフォンをいじりまくる。
 ながらフォンはダメだぞ?

「か、カツラ!! 早く歩くです!! ストーキングができないのです。」

「まったく……隠密行動したいなら待つことも大事だがな。 マル、一緒に行こうぜ。 この付近ならもう学校のヤツらにも見られないだろうし。」

 煮えを切らして催促してくるマルを見ると、なんだかんだ言って俺もバカな生き物かもしれない。
 今日は独りで何かしら作りたいと思っていたのに、マルの顔を見ただけでそれが簡単にひっくり返ってしまうんだ。
 一度決めたことを女の顔を見ただけで途中変更をするなんて軟派な男だろうな。

 別に良いけどな。
 俺はバカだしマルの事好きだからさ。

「ところで今日は何を作るですか?」

「ナスで何かしら作る。 それ以外は特になにも。 目についたナスを勢いで買ったからなぁ。」

 鞄の中には野菜の詰め合わせがあるが一際目立つのはやはり大きな秋ナス。
 これを油炒めにしようか、はてまたは味噌汁にしてやろうかと考えれば考えるほど悩ましい。
















 ホテルの厨房は今日はほとんどスタッフがいないから思いきって特別にマルを見学扱いで入れておこう。
 割烹着は母さんのを着させておけばいい……と言うかサイズが無いからな、これしか。

「ナスはこうやって開いて……おっと、ヘタのところのトゲには気を付けてと。」

「ナスもバラの仲間なのです!! トゲトゲしてるのは新鮮な証拠です。」

 結局はナスを開いて焼いて蒲焼きにしてみたが何ら鰻と遜色ない出来上がりに仕上がって俺も大満足だ。
 出来たら出来たで写真に保存して終わりと言いたいが今はマルがいるから特別に食べさせてやる。

 秋ナスは何に食わせるなとはよく言うが誰も食べずに昔捨ててた俺は誰かに美味しいって言ってもらって食ってくれるなら喜ばしいこと。
 それを気づかせてくれたのがマルなんだ。

「マル、こっちこっち!!」

「ふむ?」

 笑顔な割烹着姿のマルを1枚、ポケットフォンのデータに記録しておく。
 こんな表情のマルは俺だけの特権だからなぁ。
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