幼女先生と不思議な課外授業

青衣

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11月20日【松の木などの針葉樹は油分を含むため燃えやすく薪としては最適】

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 庭の裏で朝からバキッと高い音を奏でている物が居る。
 虚空に息を吹き付ければ白い吐息、見れば見るほどもうそんな季節になったんだなって少しだけ残雪のある庭を見据えては縁側で茶を飲む俺だ。

 なぁに、登校まではまだ猶予はあるさ……居眠りしない程度にゆっくりするのはオツだと思わないか?

「フンッ!!」



【バカッ!! バキッ!! (木を手斧で叩き割る音)】



 俺らの従兄弟の中では1番力仕事が似合う男と言えばモミジだろうな。
 スミレよりも本気を出せば……まぁ男女の純粋な力を比べるのもどうかと思うが2人は規格外だけど桁外れのパワーを持ってる。
 けど性格は温厚で攻撃的ではなく穏和、母親はメチャクチャ好戦的の遺伝子を継がなくてホッとはしてるんだけどな?

 何せ俺はジョークを言うこともあるからしょうもないことで攻撃されてたら1日に何度リスポーンすれば気が済むんだって話だよ。

「松の木の木材……ありていな針葉樹は油分を含んでて密度も低く空気が入ってるからな。 薪などにするにはうってつけなんだ。 おっと、母さんは松ぼっくり拾ってきたな。 上々よ。」

「きっか? きぃいいっかあぁああっ!!」

 お母さんも朝からこのテンション、よろしい。
 俺は普段からダウナーだし朝は低血圧だから動きたくないんだよなぁ。

「木材さんは納屋の奥の方に運んでね!! きっかかきっかー。」

「わかったぜ。 猫車借りるぜ? 余ったのは売りに行くからよ。」

 俺らの一家は原木を何本も個人で入荷しては細かくして多い分は薪ストーブが主流な地域に超低価格で売りさばく営業だってしてる。
 こういう些細なことでも、二束三文でも貴重な収入源。

 現に1円を笑えば1円に泣くことだって俺も1回あったから銭は大切なんだぜ。

「さて俺は夕飯の仕込みでもしてくるかな。 力仕事は力のあるやつに任せて自分は飯係さ。 おーい母さんっ、松ぼっくり何個か貰える? 松の実欲しいんだけど。」

「き? きっかー……。 良いよ!!」

 松の実はナッツみたいに脂質があってコクがあって小さくたって料理には欠かさない脇役以上の大物。
 たまに売ってるところあるから見かけたら買ってみても良いかもな……損は無いぞ?
 ゴマを添える感覚で何にでも合うから。

 それと木材余ったら松の木材で薫製も作ってみたいがどうだろう?
 俺の料理の好奇心はまだまだ大きくなるばかりだ。
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