幼女先生と不思議な課外授業

青衣

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11月22日【寿司ネタのランキング1位はサーモン】

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 カツラはお寿司の板前もお手のもの、今日はにらめっこで笑わせることができたらお寿司を握ってくれるらしいですから私は特別に変顔をお見舞いしてやるですよ。

 そうして私はせいいっぱいの変顔で迎え撃ったです。

「……。」

「むぅうぅっ!!」

 カツラは普段は無口なヤツですからこれしきの事では笑わないのは知ってるです……知っててもなおお寿司が食べたいのですっ!!
 負けられないですよ。

「全くマルは可愛いなぁ。 ほら、どうしたよもっとかわいい変顔見せてくれ。」

「かっ!? 可愛いですか?」

 こんな言葉を浴びせてくるも本人はいたって真顔、笑ったらダメですからね。
 少しばかりはにかんで言ってくれれば完璧なのは黙っておくですが……本当に笑わないですね、カツラ。

「元よりマルに食わせたくてこの格好をしてるからな、じゃなきゃこんな負け戦なんて押し付けないからな。」

「もったいぶってカツラはもう……悪いヤツです。 けど特別に許してやるですよ、大トロをまずは握るです!!」

 ネタを格納してるクーラーボックスから見える霜降の赤身、つまりは大トロ……私に食われるためだけに持ってき、あぁっ!?
 私のオーダーを無視するなんて板前ですか!?

「まずは白身魚から頼むものだぜ。 そして腕前を知りたいなら卵、これ定番だぜ?」

「そんなの知らないのです!! とっとと大トロを寄越すです!! じゃないと内申点を落としてしまうですよ、良いのですかカツラ?」

 脅しをかける、我ながら必要悪なのですよ。
 それにしてもサーモン多くないです?

「サーモンは寿司ネタランキングの1位だからな。 意外にもマグロかと思ったらそうでもないんだ。 だからサーモンはかなり多目に持ってきて……って、アイリ!?」

「あら、岩動温泉旅館の出張寿司? こんなの学校にまで持ち込んで……お母さんに言いつけちゃおうかしら?」

 アイリが鋭い目付きで睨んでるです……これは修羅場なのですよ。

「お母さんには連絡済みだぜ。 マルを喜ばせたいって言ったらコロッと許してくれたぜ。」

「あ、そう? じゃあ私はねぇ。 ホタテでも貰えるかしら?」

 カツラは無言で箱を開けてはシャリと大きくてプリップリのホタテ貝柱をささっと握っては一丁お待ちなのです、握る早さといい鮮やかな手さばきといいこれは本物なのですね。

「華丸先生も頼まなきゃ私が食べ尽くしちゃうわよ?」

「大トロをオーダーしてるのにカツラは白身だの玉子から先に味わえだのうるさいのです!!」

 アイリを味方につければもう怖いもの無しですよ。





 こうして私は大トロを贅沢に味わうことができたですが、放課後は胃もたれがして気分が最悪だったのです。
 職員室で甘いコーヒーでも飲んで気晴らしするですよ。
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