悪役令嬢と十三霊の神々

冴條玲

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第一章 悪役令嬢はナイトメアモードを選ぶ

【Side】 京奈 ~前世の絆~

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 私はユリア。
 トランスサタニアン帝国の第二皇子ネプチューン様の侍女で、奇跡の両想い、幸せの絶頂だったところよ。

 そんなある夜、夢を見て、すべてを思い出したの。
 ここは夢にまでみた『星空のロマンス』の世界!
 私は、本当にヒロインとして転生したのね。
 あの方は、本物の神様だったんだわ。神様ありがとう。

 雪乃はどうしたかしら。
 現世で、急にいなくなった私を心配して探してくれてるのかな。
 ごめんね、雪乃。
 でも私、もう、元の世界には戻りたくない。
 この世界で愛しのネプチューン様と幸せになりたいのよ。

 ああ、だけど!
 まさか、ユリアに転生するなんて!

 ユリアは聖女でも何でもない、ただの女の子よ。
 ゲームをしていた時には、ウラノスも酷いけど、どうして、ネプチューン様と駆け落ちしなかったの、ユリアの馬鹿って思っていたのよ。

 だけど、だけど!

 いざ、ユリアになってみたら、シナリオの通りにしないのは怖いわ。
 シナリオの通りにすれば、ユリアの死後、ネプチューン様は憎きウラノスを倒して皇帝になり、私は聖女として転生して、必ず、ネプチューン様ともう一度巡り会えるの。
 だけど、駆け落ちしたらどうなるの?
 最悪、ウラノスの私兵に追われてネプチューン様が殺されてしまったりしたら……!?
 ユリアが死んでしまったら、ネプチューン様がどんなに苦しまれるか知っているけど、それでも、生きて欲しいのよ。
 ゲームのユリアもそうだったのね。
 ネプチューン様に助けを求めたら、ネプチューン様がウラノスに殺されるかもしれないと思ったのね。
 ああ、馬鹿だと決めつけて悪かったわ。

 どうしよう。

 ゲームをクリアするのは、なしよ。
 ネプチューン・エンドでは、ネプチューン様は重ねた罪を悔いて死んでしまうんだもの。
 納得行かないわ。
 ネプチューン様は悪くないわよ。
 でも、大丈夫。
 私が『聖女の杖』を手に入れなければゲームは進まない。
 あの杖がないとネプチューン様はユリアを復活させられないから、いっそ、杖がなくなってしまえばいいのよ。

 そうよ、やっぱり、シナリオの通りにしよう。
 私たち、幸せになれるわ。
 ネプチューン様は悪くない、ネプチューン様に償うべき罪なんてない。
 みんな、ウラノスが悪いのよ!
 ユリアのままじゃ、ネプチューン様を守ってあげられないもの。
 聖女になって、何があっても、私がネプチューン様を守るわ。


 雪乃、どうか、私のことは忘れてしまって。
 あなただけは、私にも優しかった。
 だけど、私は元の世界には戻りたくないのよ――
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