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第二章 魔神ルシフェル ≪永遠のロマンス≫
【Side】 サイファ ~僕のことしか考えられないようにしてあげる~
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大丈夫だよ、デゼル。
僕がデゼルの闇主なんだから。
闇巫女だからなのかな。
デゼルはすごく、心に反応するんだ。
初めて一緒に眠ったのも、クラスメイトの悪意が重たいって、デゼルが高熱を出した夜だった。
そういうことが何度もあって、気がついたんだけど。
デゼルは悪意を向けられると、たちまち体調を崩す反面、好意を向けてあげると、たちまち体調がよくなるんだ。
距離はゼロが一番効く。
デゼルを想いながら触れてあげると、すごく、呼吸がやわらかくなるんだ。
いやがったらやめようと思ったけど、デゼルがいやがらないから口移しにしてみたら、壊れそうに震えていたのが落ち着いて、見る間に綺麗な白い頬が桜色に染まって、すごく、可愛かった。
デゼルの一番、綺麗で可愛い表情も、優しくて甘い声も、僕だけが知ってる、僕だけしか知らないもの。
緩く波打つ銀の髪から、きらめきながら優しい光が降るように――
僕に呼ばれたデゼルが見せる微笑みは、まるで、闇の中に月の光が零れるみたいに、優しくて、儚くて、とても綺麗なんだ。
穢れてなんていない。
初めて会った時から、デゼルの瞳はずっと澄み切っていて、哀切な翳りを帯びてさえ、幻想的なまでの美しさだった。
デゼルは何も変わっていない。
変わったのは、ただ、周りの態度。
ずっと、みんなのために力を尽くしてきたデゼルへの報いがあれじゃ、あんまりなのに。
デゼルが従える闇主たちを見た人々の多くが、表ではデゼルを称賛しながら、裏ではデゼルを穢れた魔女だと蔑んで、心ない嘲笑や中傷、悪意を向けてくるから、デゼルはいつまでも体調がよくならないんだ。
デゼル、待っていて。
僕が必ず、デゼルを守ってあげるよ。
デゼルは僕のことだけ考えていたらいいんだから。
僕のことしか、考えられないようにしてあげるから。
僕ならきっと、できるんだ。
母さんも、みんなも、僕とデゼルじゃ釣り合わないから、一緒になるのは無理だって、言ったけど。
どうしてかな、僕は無理だと思わなかったし、こうしてデゼルは僕の隣にいて、僕のすべてに従う。
これまでも、これからも。
僕が呼べば、デゼルはすぐに飛んでくるんだから、つないだり、檻に閉じ込めたりはしないよ。
だって、僕に呼ばれたデゼルが、すごく嬉しそうな笑顔を見せて、僕の腕の中に飛び込んでくる瞬間が、僕は一番、好きなんだから。
僕がデゼルの闇主なんだから。
闇巫女だからなのかな。
デゼルはすごく、心に反応するんだ。
初めて一緒に眠ったのも、クラスメイトの悪意が重たいって、デゼルが高熱を出した夜だった。
そういうことが何度もあって、気がついたんだけど。
デゼルは悪意を向けられると、たちまち体調を崩す反面、好意を向けてあげると、たちまち体調がよくなるんだ。
距離はゼロが一番効く。
デゼルを想いながら触れてあげると、すごく、呼吸がやわらかくなるんだ。
いやがったらやめようと思ったけど、デゼルがいやがらないから口移しにしてみたら、壊れそうに震えていたのが落ち着いて、見る間に綺麗な白い頬が桜色に染まって、すごく、可愛かった。
デゼルの一番、綺麗で可愛い表情も、優しくて甘い声も、僕だけが知ってる、僕だけしか知らないもの。
緩く波打つ銀の髪から、きらめきながら優しい光が降るように――
僕に呼ばれたデゼルが見せる微笑みは、まるで、闇の中に月の光が零れるみたいに、優しくて、儚くて、とても綺麗なんだ。
穢れてなんていない。
初めて会った時から、デゼルの瞳はずっと澄み切っていて、哀切な翳りを帯びてさえ、幻想的なまでの美しさだった。
デゼルは何も変わっていない。
変わったのは、ただ、周りの態度。
ずっと、みんなのために力を尽くしてきたデゼルへの報いがあれじゃ、あんまりなのに。
デゼルが従える闇主たちを見た人々の多くが、表ではデゼルを称賛しながら、裏ではデゼルを穢れた魔女だと蔑んで、心ない嘲笑や中傷、悪意を向けてくるから、デゼルはいつまでも体調がよくならないんだ。
デゼル、待っていて。
僕が必ず、デゼルを守ってあげるよ。
デゼルは僕のことだけ考えていたらいいんだから。
僕のことしか、考えられないようにしてあげるから。
僕ならきっと、できるんだ。
母さんも、みんなも、僕とデゼルじゃ釣り合わないから、一緒になるのは無理だって、言ったけど。
どうしてかな、僕は無理だと思わなかったし、こうしてデゼルは僕の隣にいて、僕のすべてに従う。
これまでも、これからも。
僕が呼べば、デゼルはすぐに飛んでくるんだから、つないだり、檻に閉じ込めたりはしないよ。
だって、僕に呼ばれたデゼルが、すごく嬉しそうな笑顔を見せて、僕の腕の中に飛び込んでくる瞬間が、僕は一番、好きなんだから。
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