月曜日の巫女

桜居かのん

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欠けてゆくもの

欠けてゆくもの18

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月曜日、やっと加茂君は学校に来ていた。

でも彼はこちらを見ることもなく、私も彼に何の興味もなくなっていた。

昼休みに藤原が来なかったのに、実咲も塔子も何も言っては来なかった。

私は普通に笑ってくだらないことを話して授業を受けて、昼休みのこと以外はいつも通りの放課後を迎える。

そして私は二度と、放課後に葛木先生や藤原に会うことは無くなったのだ。


図書室に寄ってから帰るからと言って、実咲と塔子とは教室で別れ、廊下を歩いていると、プリントの山を持っていた担任に声をかけられた。


「ちょうど良かった!

これ、社会科準備室に届けてくれないか?」


そういうと、私が何か言う間も無く、どさりとプリントを渡された。


「私用事が!」


「頼むな~」


私の言葉を聞いていなかったかのように、他のプリントを持って、担任はさっさと行ってしまった。


「なんでよりによって」


私は大量のプリントを持ったまま、なんとか行かないで済む方法を考えた。

せめて友達が通れば一緒に行って貰おうと見回したが、見事に誰も通らない。

私は誘うことを諦め、葛木先生が居ないことを祈りつつ、社会科準備室に向かった。




部屋の前に立ち、再度考える。

そうだ、ノックして先生の声がしたら、プリントを入り口に置いて逃げよう。

このプリントは単なる授業の補足資料。

ドアをノックしたのに誰も入らなければ気がつくはず。

私は覚悟を決めて、ノックした。

返事はない。

再度大きめにノックした。

しばらく待ったけど反応は無かった。

これは誰もいないという事だ。

私はそっとドアをスライドして開ける。

案の定そこから見える場所には誰もいなかった。

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