こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第四章 護衛依頼

十二日目(1) 作戦決行(1)

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 それから10日後の朝、4人はスノーウェル男爵領都チェンベルジーの領主の屋敷のすぐ傍にいた。アレキスたちには少し無理を言って、滞在時間を1日延ばしてもらえるようお願いしてみたところ、予定より進みが早いこともあり、快く承諾してもらえた。勿論通った街でアリサの話の裏はとってある。

「それじゃあ作戦通り行くわよ」
「うん」
「ああ」
「わかっている」

 マリアは普段のワンピースより大分くたびれた服を着ていた。これは途中の古着屋で捨て値で売られていたものだ。
 マリアは若干緊張した面持ちで領主の館に近づいていった。門には全身鎧を着込んだ兵が両脇に立っていた。

「何用だ!止まれ!」

 門まで後10メートルといったところで門衛がそう叫んだ。

「だ、代官様にお話したいことが──きゃあ!」

 あるんです、と続けようとしたところでもう一方の門衛がマリアに近付き、持っていた槍を横薙ぎに振るった。
 マリアは大袈裟に叫び声を上げながら吹き飛ばされた、ように見せて、払われた方向に跳ぶことで衝撃を逃がした。

「お前のような小汚い小娘にあのお方は会われん!」
「わかったらさっさと帰れ!」
「で、でも」

 マリアが地面に倒れ伏したまま再度追いすがろうとすると、門衛は今度はマリアの腹を蹴り上げた。

「っ!?」

 その様子に隠れて見ていたエリザベートが飛び出そうとするが隣のアルフォードに肩を掴まれ止められた。

「なんで止めるの!このままじゃあの子……」
「落ち着け。よく見てみろ、あいつならまだ大丈夫だ。それとも作戦を台無しにする気か?」
「……わかったわよ」

 エリザベートの視線の先ではなおも衛兵たちがマリアに罵声を投げつけながら暴力を振るっていた。すでにマリアはピクリとも動かず、気絶しているようだったが、止める気配がない。勿論それがマリアの演技で、実際はほとんどダメージを受けていないことはわかっていたが、気が気ではなかった。

「……あいつらは即刻解雇ね」
「ああ、僕も同意見だ」
「無抵抗の人間をあれだけ痛めつけられる神経がわからない」

 3人の中で意見が一致した。
 やがて門衛が暴行を止めると生きていることを確認し始めた。

「お、おい!脈がねえぞ!」
「い、息もしていねえ!」

 2人は顔を見合わせると、証拠隠滅のためか、片方がマリアを担ぎ上げると屋敷の敷地内に入っていこうとした。

「行くぞ!」
「うん」
「ああ」

 それを視界に納めて、エリザベートたちは動き出した。

☆★☆★☆

勿論死んでいませんし、種も仕掛けもありますが、詳しい説明はまた今度行います。
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