こうして少女は最強となった

松本鈴歌

文字の大きさ
124 / 464
第四章 護衛依頼

十六日目(1) ホランドの街到着

しおりを挟む
 予定通り一行は翌日の昼過ぎにはホランドに到着した。今回は前回のように、寝ている間に魔物山ができていたとかそういうことはなかった。逆にまったく魔物に遭遇しなかった。

「宿を取るには早いし、せっかくだし色んな店を回ってみましょう」

 いつも通り門でアレキスたちと別れた4人は、エリザベートの提案で露天めぐりをすることになった。

「鉱山の街と呼ばれるだけあって、金属製品が多いわね」
「んっ?マリア、何か探しているのか?」
「うん。可愛い髪留めがあったら買おうかと思って」

 そんなことを話しながら、4人は冷やかして回った。

「あっ、これ可愛い」

 マリアが目を止めたのは、雑貨が並んでいる店に置いてあった組紐だった。青系統の色で纏められており、両端には小さな花のモチーフが付いていた。

「それで良いのか?金属製のやつもかなりあるぞ」
「う~ん、あの手のやつも良いんだけど、激しい動きをしたら取れそうだから嫌なんだよね」
「……せっかくだし、街中にいる時用に一つぐらい買っても良いんじゃないか?」
「うん!良さそうなのがあったらそうする。おじさん、これいくらですか?」

 マリアは露店を出していた男性に視線を向けた。

「銅貨5枚だな。少し高いが買うのかい、嬢ちゃん」
「はい」

 マリアはマジックポーチの中から財布代わりにしている布袋を出すと、銅貨を5枚取り出して渡した。

「たしかに。ありがとな」

 マリアは早速髪を結んでいた革紐を取ると、買ったばっかりの組紐で耳の上あたりで束ねた。

「じゃあ次行こっか」

 服を売っている露店には、エリザベートが目を輝かせたが、売られている服の質を見て肩を落とした。

「流石にちょっと、なんていうか微妙ね。皆は何か良いものあった?」
「特にはなかったな」
「僕もだよ」
「私は買おうかどうか悩んでいるのが一つ……」
「えっ?どれ?」
「隣の店のやつなんだけど……」

 そう言われて3人は隣の露店に目を向けた。

「ああ、あれかしら?」
「うん」

 エリザベートが指指したのは、銀色のバレッタだった。蒼い花に蝶がとまっている飾りが付いている。それは可愛いというよりは綺麗と言った方がよく、マリアよりも少し上の者向けの品だった。

「?気に入ったんだったら買ったら?」
「で、でも私には似合わないかなって……」
「そんなことないわよ。そりゃあもう少し年上、私ぐらいの歳の人が付けるのが普通だとは思うけど、十分似合うと思うわよ」
「で、でも高そうだし」
「何言ってるの。お金なら持っているでしょう?」
「そうなんだけど、私みたいな子供が高い買い物をしたら、絡まれそうだなって」
「……わかったわ。私が買ってくるわ」
「で、でもお金払わせちゃ悪いよ」
「後で返してくれれば良いわ」
「……わかった」
しおりを挟む
感想 131

あなたにおすすめの小説

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...