こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

皆の認識

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「ねぇ、もしかしなくてもこれから行くのって……」
「この街を治めている奴のところだな」
「奴って、口が悪いわよ」
「会えば奴って呼ぶ理由がわかると思うぞ」

 そんなことを話しながら道を歩いていた。

「なぁ、いやに僕の影が薄いのは気のせいか?」
「お前なんてまだましだ。僕なんて存在を忘れられてる気がするぞ?」

 お互いに慰めあうグレンとアーティスだった。

 ギルドから20分ほど歩き、5人は一軒の屋敷の前にいた。

「ここだ」

 その屋敷は高級住宅街の一角にあった。周囲の家よりも一回りほど大きかったが、飾り気が少なく、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

「こ、これはこれはアル様。急なお越しで」

 門の前に立っていた兵士は、アルフォードに気がつくと急にかしこまった。

「いきなりですまないな。レインはいるか?」
「はい。おそらく書斎にいらっしゃるかと」
「ありがとう」
「いえ。……そちらの方々は?」
「僕の友人だ。通しても良いか?」
「勿論です」

 特に武器等の持ち込みなども確認されずに通された。

「ねぇ、あなたのことはどう認識されているの?」

 エリザベートが、門の兵士から話が聞こえないぐらい離れてからそう問いかけた。

「確か昔命を救ってもらった貴族の子供と説明されていた筈だ」
「で、真実は?」
「レインの命を救ったっていうのは本当だな」
「……嘘は吐いていないってことか」
「皆を騙す時は、できるだけ真実を話した方が良いらしいぞ?皆にはアルと呼べと言っているしな」
「嘘を吐かなくて済む時は真実を話した方が良いってこと?」

 2人の話を聞いていたマリアも会話に参加してきた。

「まっ、そういうことだ。だが嘘を吐いていないからといって、本当のことを話しているとは限らない。そのことは覚えておけ」
「ものは言いようってこと?」
「というよりは、敢えて話していないと言った方が良いな」
「ん~、なんか難しい」
「そのうちわかるようになるさ」

 顔をしかめたマリアに、アルフォードはそう言って笑った。
 そんなことを話しているうちに玄関に辿り着いた5人は、勝手に扉を開けて屋敷の中に入っていった。
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