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第五章 エイセルの街
アーティスの場合
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時は少し戻る。
アーティスはマリアたちのようにどちらかと裕福で、お金を持っていそうな商人風の服に着替え、街を歩いていた。
「なんで僕が……」
アーティスは今のこの状況が若干不愉快だった。
「いつも皆僕のことなんて忘れてるくせに……」
普段は皆の影に埋もれ、厄介なことが起こった時だけ皆に思い出される。早い話が、貧乏くじを引いていることが不満だった。
それでもこうして皆に協力して街を歩いているのは、生来の生真面目さからだった。
「こうなったら、すぐに終わらせてやる」
アーティスは心に決めたが、彼は知らなかった。4人の中で一番厄介なのは、なんだかんだ言って、窃盗事件だということを。
一番被害件数が多いのが窃盗であり、それは他の2つに比べ、出来心で行ってしまいやすい。それ故に犯人も多く、警備兵も苦労している。
アーティスはぶつくさ言いながら露天を巡り、いつの間にか警備兵の詰所の一つの前に来ていた。
「あれ?どうしたんだ?」
何かあったのか、詰所では警備兵が引切り無しに出入りしていた。
「何かあったんですか?」
「んっ?ああ。あの人が子どもが攫われるのを見たといっているんだ。今裏付けを取っているところだ」
そう言って指し示された場所には、小汚い格好をした中年男性がいた。
「子ども?」
「ああ。なんでも10歳前後の赤髪の坊主と、同い歳ぐらいの女の子だそうだ」
その特徴に、アーティスは覚えがあった。
「もしかして女の子は肩よりも若干下までの銀髪に蒼い目か?」
「あっ、ああ。お前さんの知っている子か?」
「ええ、まぁ」
アーティスは曖昧に頷いた。
「うん?知り合いが攫われたかもしれないにしては、いやに落ち着いているな。まさか犯人の一味か!?」
「ち、違います!」
「ちょっと中で話を訊かせて貰えるか?」
アーティスは必死に否定したが、警備兵に有無を言わさず連れていかれた。否定するところが身に疚しいことがあると思われたようだ。
「だから違うって!離してくれ!」
結局身の潔白を証明をするために、領主邸に人を走らせ、レインが訪れるまでアーティスが解放されることはなかった。
どこまでも哀れなアーティスだった。
アーティスはマリアたちのようにどちらかと裕福で、お金を持っていそうな商人風の服に着替え、街を歩いていた。
「なんで僕が……」
アーティスは今のこの状況が若干不愉快だった。
「いつも皆僕のことなんて忘れてるくせに……」
普段は皆の影に埋もれ、厄介なことが起こった時だけ皆に思い出される。早い話が、貧乏くじを引いていることが不満だった。
それでもこうして皆に協力して街を歩いているのは、生来の生真面目さからだった。
「こうなったら、すぐに終わらせてやる」
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一番被害件数が多いのが窃盗であり、それは他の2つに比べ、出来心で行ってしまいやすい。それ故に犯人も多く、警備兵も苦労している。
アーティスはぶつくさ言いながら露天を巡り、いつの間にか警備兵の詰所の一つの前に来ていた。
「あれ?どうしたんだ?」
何かあったのか、詰所では警備兵が引切り無しに出入りしていた。
「何かあったんですか?」
「んっ?ああ。あの人が子どもが攫われるのを見たといっているんだ。今裏付けを取っているところだ」
そう言って指し示された場所には、小汚い格好をした中年男性がいた。
「子ども?」
「ああ。なんでも10歳前後の赤髪の坊主と、同い歳ぐらいの女の子だそうだ」
その特徴に、アーティスは覚えがあった。
「もしかして女の子は肩よりも若干下までの銀髪に蒼い目か?」
「あっ、ああ。お前さんの知っている子か?」
「ええ、まぁ」
アーティスは曖昧に頷いた。
「うん?知り合いが攫われたかもしれないにしては、いやに落ち着いているな。まさか犯人の一味か!?」
「ち、違います!」
「ちょっと中で話を訊かせて貰えるか?」
アーティスは必死に否定したが、警備兵に有無を言わさず連れていかれた。否定するところが身に疚しいことがあると思われたようだ。
「だから違うって!離してくれ!」
結局身の潔白を証明をするために、領主邸に人を走らせ、レインが訪れるまでアーティスが解放されることはなかった。
どこまでも哀れなアーティスだった。
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