こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

アーティス&アルフォードの場合

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 ジャンたちは周囲の建物が大きく、綺麗になるにつれ顔色が悪くなっていった。

「……まだ着かないのか?」

 ジャンが耐えられなくなってきたのかそう尋ねた。

「あっ、もう着くよ」

 その言葉通り、5分も経たないうちに屋敷に到着した。

「ここって……」
「レインさんの屋敷だね」

 ジャンたちはアーティスの言葉を聞いて絶句した。

「……もしかしてレイン様か?」
「いや、違うよ。とりあえず入ろうか」

 門は門衛がアーティスの顔を覚えており、特に何もなく通ることができた。アーティスはまっすぐ執務室に向かった。

コンコン

「入るよ。アルはいる?」

 アーティスは返事を待たずにドアを開けた。

「どうしたんだ?」
「ちょっとアルに見て欲しい人がいて。多分魔力病だと思うんだけど……」
「わかった。その女性か?」
「ああ」

 アルフォードが視線を向けると、ジャンはアルフォードが何者かわからず、困惑した顔をしていた。

「アル様、先に自己紹介をした方が……」
「どっちでだ?」
「……空気を読んで下さい」

 様付けするレインに、ジャンは困惑していた。

「いや、そうは言ってもな……」

 アルフォードは困ったように苦笑いした。

「自分で言わないなら、私の方から紹介させて頂きますが」
「わかったわかった」
「冒険者と言ってお茶を濁すのはダメですからね」
「……わかってる」

 図星だった。領主として自己紹介しても、下級貴族の子弟として自己紹介しても面倒なことになると、ただのEランク冒険者のアルフォードとして自己紹介するつもりだった。

「領主のアルデヒド・エルドラントだ。……これで良いだろう?」

 レインは満足気に頷いていた。
 ジャンは領主と聞いて、固まっていた。

「りょ、領主様とは知らずに失礼を……えっ?領主?……第四王子!」

 ようやく頭で理解できたようだ。

「そういうことになるな」
「えっ?ということはアーティスの旦那は上級貴族?」
「違うよ。貴族なのは確かだけど、僕はしがいない一介の子爵家の子弟にすぎないからね」
「お前子爵家だったのか」
「酷い!今更そんなこと言うの」

 アルフォードの何気ない一言に、アーティスは憤慨した。

「いや、てっきり男爵家の出だとばっかり……」
「まぁ、僕四男だしあんまり変わらないけどね」

 アーティスは力なく笑った。

「自分で言っていて悲しくなってきたよ」
「……悪かったな」
「いや、気にしていない」
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