こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第五章 エイセルの街

リオナ(5)

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「悪者退治ってどこに行くの?」

 そう上手くは行かないだろうけど、決まっていないなら後は簡単だ。

「う~ん、わかんないわ。だから悪者の方から登場してもらおうと思ってるわ」

 つまり具体的な場所は決まっていないってことか。

「え~、それってめんどくさくない?私、悪い人たちがい~~~~っぱいいるとこ知ってるよ?」

 試しにそう言ってみればエリザお姉ちゃんは目を輝かせた。

「本当?そこに案内してくれるかしら?」
「うん!こっちだよ」

 あっさり上手く行ったことを喜びながら、目当ての酒場《龍の息吹ドラゴン・ブレス》にエリザお姉ちゃんの手を引いて向かった。
 途中でまだ着かないのかと言われて慌てたけど、後ちょっとで着くとこだったからなんとかなった。
 実際に見る《龍の息吹ドラゴン・ブレス》は噂以上にボロボロだった。
 中に入るとまだ少し時間が早いせいか、目的の人物らしき人たちはいなかった。追い出されては元も子もないので、大人しくエリザお姉ちゃんが頼んでくれたルンガのジュースを飲んで待っていることにした。
 少ししてドアが開いてやつらかと思ったけど、いたのはお姉さんたち2人だった。がっかりはしたけどそれ以上に気になったのは金色の髪のお姉さんの耳がとんがっていたこと。

「わぁ~、エルフさんだ」

 物語の中でしか知らない、ある意味憧れの種族のエルフを見て、私は本来の目的を忘れて見入ってしまった。

「あら、エルフを見るのは初めて?」
「うん。おねぇさん綺麗だね」

 素直にそう言うことができた。

「ウフフ、ありがとう」

 はにかんで笑う姿も可憐だった。私は目を合わせられなくって、目線を下げた時にお姉さんが腰に剣を帯びていることに気がついた。この街の兵士さんにエルフがいるなんて話は聞いたことがない。ということは……。

「おねぇさんたちは冒険者なの?」
「そうよ」

 正解だったみたいだ。

「私が魔術師でリアリスが剣士なの」

 リアリスっていうのはもう一人のお姉さんかな?

「魔術師っ!?すご~い」

 記憶が正しければ魔術師ってすごく少なかったはず。

「ああ、リースの魔術は本当に凄いぞ」

 リアリスさんの言葉で魔術に興味がわいた。

「私見てみたい。ダメ?」

 リースさんを見上げると、リースさんは困ったように笑った。

「う~ん、でもここでは大したことはできないわよ?」
「それでも良いから!」

 これを逃すともう二度と見る機会なんてない。最近じゃわがままなんて言ったことはないけど、これだけは譲れなかった。
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