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第七章 それぞれの過ごす日々
アルフォードの1日(3)
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アルデヒドと国王はそれから一言も会話がないまま黙々と書類を片付けていった。
それは昼食も片手で食べられるサンドイッチで済ませ、終わりのめどが立った頃のことだった。
「……お忙しいところすいません」
そんな言葉とともにリンリーが現れた。
「……毎度のこととは言え、その登場の仕方は心臓に悪いな」
「?そうですか?これぐらい普通じゃありませんか?」
こんなところでも感覚のずれが生じる親子だった。
「……そんなことよりも緊急連絡です」
リンリーはそんなことの一言で話を切り捨てると、落ち着いた口調で話を続けた。
「先ほどCランク冒険者の少女が、どうやら稀少種と思われる魔物を王都内に持ち込んだようです」
「稀少種だと?種類は?」
「……今のところ不明です。今詳しく探らせています」
「……そうか。ご苦労だった」
国王はリンリーを労うと、忙しく頭を働かせた。
(稀少種か。種類によってはまた馬鹿貴族どもが動くな。できるだけ早急にその娘を保護する必要があるか)
一方アルデヒドはというと、表情などは変わらないが内心で頭を抱えていた。
(Cランク冒険者の少女って、心当たりが1人しかいない。今王都にいるCランク以上のパーティーは10もないし、ましてや女性、それも少女と呼べる年齢って言ったらうちのパーティーしかいない。リオナは本人には悪いが少女というよりは女の子って言った方がぴったりだしな。そもそも今日は学園に入るための手続きがあるって言っていたし……。エリザベートは今日はリオナに付き添うって言っていただろ。……やっぱり消去法でマリアしかいない。あいつ何厄介ごとを持ち込んでるんだよ!)
これは後で自分が奔走させられることになると、アルデヒドはよくわかっていた。
それからおよそ30分後。少し焦った様子でリンリーが入ってきた。今は問題になっている魔物の扱いをどうするのか、宰相も交えて話し合っていた。
「大変です!先ほどの少女が武器を持った男に襲われたと今……」
そこまで言ったところでリンリーはようやく宰相が執務室にいることに気がついた。
「……侍女?」
「……諜報担当の者だ。気にするな。下手に他の者に話すと消されるぞ」
国王は笑いながら言った。宰相にはその目が笑っていないような気がして不気味だった。実際には国王の半分冗談で、宰相の勘違いだったのだが……。
「それでその者に怪我は?」
そんな国王と宰相を無視して、アルデヒドは尋ねた。
「目立った外傷はないようです。今は兵の詰所の方で話を……」
「……そうか」
「ただ、どうやら襲われたのは例の魔物は関係していないようです。ただの偶然かと」
「んっ、どういうことだ?」
アルデヒドは首を傾げた。
「まず、その男はその道のプロのようで、誰かに雇われた者のようです。時間から考えてその少女に何か恨みなどがある者からの依頼を受けたものと思われます。実際、問題の魔物の奪取ではなく、真っ先に少女の命を狙いに来たようですから」
「……そうか」
アルデヒドは報告を聞くと、兵の詰所に行こうと部屋を出ようとした。だが──。
「どこに行くのだ?当然私も連れていくのだよな?」
ドアに手をかけたところで肩を掴まれた。恐る恐る振り返れば、笑顔を浮かべた国王が立っていた。ただし目はまったくと言って良いほど笑っていない。
その後連れていく、連れていかないとひと悶着あり、結局はアルデヒドが折れることとなった。宰相もアルデヒドだけに国王を任せることが心配だったこともあり、交換条件としてついていくことになった。
それは昼食も片手で食べられるサンドイッチで済ませ、終わりのめどが立った頃のことだった。
「……お忙しいところすいません」
そんな言葉とともにリンリーが現れた。
「……毎度のこととは言え、その登場の仕方は心臓に悪いな」
「?そうですか?これぐらい普通じゃありませんか?」
こんなところでも感覚のずれが生じる親子だった。
「……そんなことよりも緊急連絡です」
リンリーはそんなことの一言で話を切り捨てると、落ち着いた口調で話を続けた。
「先ほどCランク冒険者の少女が、どうやら稀少種と思われる魔物を王都内に持ち込んだようです」
「稀少種だと?種類は?」
「……今のところ不明です。今詳しく探らせています」
「……そうか。ご苦労だった」
国王はリンリーを労うと、忙しく頭を働かせた。
(稀少種か。種類によってはまた馬鹿貴族どもが動くな。できるだけ早急にその娘を保護する必要があるか)
一方アルデヒドはというと、表情などは変わらないが内心で頭を抱えていた。
(Cランク冒険者の少女って、心当たりが1人しかいない。今王都にいるCランク以上のパーティーは10もないし、ましてや女性、それも少女と呼べる年齢って言ったらうちのパーティーしかいない。リオナは本人には悪いが少女というよりは女の子って言った方がぴったりだしな。そもそも今日は学園に入るための手続きがあるって言っていたし……。エリザベートは今日はリオナに付き添うって言っていただろ。……やっぱり消去法でマリアしかいない。あいつ何厄介ごとを持ち込んでるんだよ!)
これは後で自分が奔走させられることになると、アルデヒドはよくわかっていた。
それからおよそ30分後。少し焦った様子でリンリーが入ってきた。今は問題になっている魔物の扱いをどうするのか、宰相も交えて話し合っていた。
「大変です!先ほどの少女が武器を持った男に襲われたと今……」
そこまで言ったところでリンリーはようやく宰相が執務室にいることに気がついた。
「……侍女?」
「……諜報担当の者だ。気にするな。下手に他の者に話すと消されるぞ」
国王は笑いながら言った。宰相にはその目が笑っていないような気がして不気味だった。実際には国王の半分冗談で、宰相の勘違いだったのだが……。
「それでその者に怪我は?」
そんな国王と宰相を無視して、アルデヒドは尋ねた。
「目立った外傷はないようです。今は兵の詰所の方で話を……」
「……そうか」
「ただ、どうやら襲われたのは例の魔物は関係していないようです。ただの偶然かと」
「んっ、どういうことだ?」
アルデヒドは首を傾げた。
「まず、その男はその道のプロのようで、誰かに雇われた者のようです。時間から考えてその少女に何か恨みなどがある者からの依頼を受けたものと思われます。実際、問題の魔物の奪取ではなく、真っ先に少女の命を狙いに来たようですから」
「……そうか」
アルデヒドは報告を聞くと、兵の詰所に行こうと部屋を出ようとした。だが──。
「どこに行くのだ?当然私も連れていくのだよな?」
ドアに手をかけたところで肩を掴まれた。恐る恐る振り返れば、笑顔を浮かべた国王が立っていた。ただし目はまったくと言って良いほど笑っていない。
その後連れていく、連れていかないとひと悶着あり、結局はアルデヒドが折れることとなった。宰相もアルデヒドだけに国王を任せることが心配だったこともあり、交換条件としてついていくことになった。
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