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第七章 それぞれの過ごす日々
アーティスの受難(9)
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「アーティス、状況は聞いたぞ」
アーノルドは馬から飛び降りるとそう告げた。
皆の視線がアーティスには痛かった。
「……ああ、うん」
グレンだけならまだしも、デリーたち普通の冒険者もいる前では何と答えたら良いのかわからなかった。
「珍しいな。お前がはっきり喋らねぇなんてよ」
「……そうかな?」
アーティスはこの場を乗り切るために必死だった。せめてもの救いはアーノルドの言葉は貴族と言われても違和感しかないほど悪いことだった。
「……まあ良いけどよ。兄貴が“今回で10度目だ”って言ってたぞ」
アーノルドはそれを察したのか、それとも時間がもったいなかったのかそれ以上は追求しなかった。
「……もうそんなか。意外と早かったな」
「……そうだな。兄貴たちは何か希望を持ってたみてぇだがよ」
アーノルドの声色はどこか哀し気だった。
「……そうみたいだね。もう父さんは?」
「ああ、親父なら縛って部屋に転がしてある」
「了解。僕を探してたってことは例の件?」
「ああ。俺だけじゃ……碌な結果にならねぇしな」
その背には哀愁を帯びていた。
「……そうだね。それにしてもよく僕がここにいるってわかったね?」
「ああ、それぐらい想像がつく。親父は門で張ってりゃあ捕まえられると思ってたみたいだがな」
「……やっぱ門のところにいたんだ」
アーティスはアーノルドが乱暴に頭を撫でるのに少し嫌そうな顔をしたが、払い除けるようなことはしなかった。
「……とりあえず時間もねぇしサッサと戻るぞ。兄貴たちに怒られる」
「わかった。……デリーさん、報酬は半々で良いので、報告だけお願いできますか?」
「……そりゃあこっちは赤字にならねぇぐらい貰えれば御の字だったから良いが、本当に良いのか?」
「ええ。あっ、これ討伐証明部位の矢羽です」
ファイアバード本体は自分たちがすべて貰うからそれぐらい構わないと、アーティスは笑った。
「……それじゃあ僕らは急ぎますので。……グレン、行くぞ」
アーノルドはすでに馬に乗っていた。
「ああ」
グレンが力強く頷いたのを確認すると、アーティスは《身体強化》をし、アーノルドに目くばせを送った。
アーノルドはその意を正確に汲むと馬の腹を蹴った。
その後をアーティスとグレンの2人は軽い足取りで、だが到底普通の人間には出せない速度で駆け出した。
「……グレンも人間じゃねぇと思ったが、アーティスの奴も負けず劣らずだな。流石マリアちゃんのパーティーメンバーは違うな」
その背を見送ってデリーはポツリと呟いた。
「……そうだな」
ロンとリンもその意見には賛成だった。
アーノルドは馬から飛び降りるとそう告げた。
皆の視線がアーティスには痛かった。
「……ああ、うん」
グレンだけならまだしも、デリーたち普通の冒険者もいる前では何と答えたら良いのかわからなかった。
「珍しいな。お前がはっきり喋らねぇなんてよ」
「……そうかな?」
アーティスはこの場を乗り切るために必死だった。せめてもの救いはアーノルドの言葉は貴族と言われても違和感しかないほど悪いことだった。
「……まあ良いけどよ。兄貴が“今回で10度目だ”って言ってたぞ」
アーノルドはそれを察したのか、それとも時間がもったいなかったのかそれ以上は追求しなかった。
「……もうそんなか。意外と早かったな」
「……そうだな。兄貴たちは何か希望を持ってたみてぇだがよ」
アーノルドの声色はどこか哀し気だった。
「……そうみたいだね。もう父さんは?」
「ああ、親父なら縛って部屋に転がしてある」
「了解。僕を探してたってことは例の件?」
「ああ。俺だけじゃ……碌な結果にならねぇしな」
その背には哀愁を帯びていた。
「……そうだね。それにしてもよく僕がここにいるってわかったね?」
「ああ、それぐらい想像がつく。親父は門で張ってりゃあ捕まえられると思ってたみたいだがな」
「……やっぱ門のところにいたんだ」
アーティスはアーノルドが乱暴に頭を撫でるのに少し嫌そうな顔をしたが、払い除けるようなことはしなかった。
「……とりあえず時間もねぇしサッサと戻るぞ。兄貴たちに怒られる」
「わかった。……デリーさん、報酬は半々で良いので、報告だけお願いできますか?」
「……そりゃあこっちは赤字にならねぇぐらい貰えれば御の字だったから良いが、本当に良いのか?」
「ええ。あっ、これ討伐証明部位の矢羽です」
ファイアバード本体は自分たちがすべて貰うからそれぐらい構わないと、アーティスは笑った。
「……それじゃあ僕らは急ぎますので。……グレン、行くぞ」
アーノルドはすでに馬に乗っていた。
「ああ」
グレンが力強く頷いたのを確認すると、アーティスは《身体強化》をし、アーノルドに目くばせを送った。
アーノルドはその意を正確に汲むと馬の腹を蹴った。
その後をアーティスとグレンの2人は軽い足取りで、だが到底普通の人間には出せない速度で駆け出した。
「……グレンも人間じゃねぇと思ったが、アーティスの奴も負けず劣らずだな。流石マリアちゃんのパーティーメンバーは違うな」
その背を見送ってデリーはポツリと呟いた。
「……そうだな」
ロンとリンもその意見には賛成だった。
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