こうして少女は最強となった

松本鈴歌

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第七章 それぞれの過ごす日々

状況説明と

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「あっ、先生。アナベルがリオナちゃんに歳を訊いたらこうなったんです」

 アーネストのその説明でパトリオットは何があったのかを悟った。

「あ~、早くも地雷を踏んだか」

 前日に学園長にリオナを紹介された時のことを思い出し、天を仰いだ。

「……リオナ、その物騒なものを仕舞え、規則違反だ」

 パトリオットはそれでも教師としての仕事を遂行すべくリオナに声をかけた。

「は~い」

 リオナは少し不服そうに渋々腰のアイテムポーチに大鎌を仕舞った。

「あ~、もう皆自己紹介されたかもしれないが、今日からこのクラスに加わるリオナだ。魔術知識はほとんどないが、編入試験の一般教養はほぼ満点だ。仲良くしてやってくれ。それと実技、冒険者活動の方はマリアたちのパーティーだ」

 その言葉に何人か顔を顰めた。

「……不服そうなやつもいるが、本人の意思だからな?それにリオナは平民だ。同じ平民のマリアと一緒の方が落ち着くだろ?」

 パトリオットはそう言って皆に席に着くように促した。

「んっ?マリアはどうした?誰か知っているか?」

 皆言われて初めてマリアがいないことに気づいた。

「あれ?そう言えば ……」

ガラッ

 皆が首を傾げていると後ろのドアが開いた。

「すいません。遅れました」

 息を弾ませて入ってきたのはマリアだった。今日は珍しくいつものようなワンピースではなく、白いブラウスに紺のプリーツスカート、それに黒いタイツといった服装だった。首元にはスカートと同色のリボンが結ばれている。髪の毛はハーフアップにして青と銀のバレッタで留められていた。

「いや、時間的にはギリギリセーフだが、お前がこの時間に来るなんて珍しいな。寝坊か?」
「はい、ちょっと新しい服を作っていたら寝るのが遅くなってしまって……」

 そう言って恥ずかしそうに頬を掻いた。

「……まあ良い。座れ。授業を始める」
「あっ、すいません。この子も一緒でも大丈夫ですか?」

 そう言ってマリアが指したのは自らの着ているローブ、そのフードの中だった。
 皆の視線がそこに集まると、何か緑の物体が顔を覗かせた。そしてそこから器用に肩に移動し、あっという間に頭に上ってしまった。

「……マリア、そいつをどこで拾ってきた?」

 パトリオットのその言葉にマリアは頬を膨らませた。

「この子はベルです。そいつなんて呼ばないでください。この子とは……昨日森であったんです」

 パトリオットは溜息を吐くと言った。

「……周りの許可が出たら良いぞ。1人でも反対する奴がいたらダメだ。で、反対する奴はいるか?」

 マリアは恐る恐る皆を見た。
 皆微笑み浮かべて首を横に振っていた。

「……皆の優しさに感謝しろよ、マリア」
「はい 」
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