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第七章 それぞれの過ごす日々
追及
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「お待たせ!」
「待たせちゃった?」
正門に行くとすでにアルフォードとアーティスは来ており手持無沙汰に待っていた。
「いや、カーラさんも来ていないから大丈夫だ」
半分お決まりのような会話をしているマリア、リオナ、アルフォードの隣ではエリザベートがアーティスを睨みつけていた。
「……訊きたいことがあるんだけど良いかしら?」
「な、何だ?」
アーティスはある種の身の危険を感じて身を震わせた。
「……いったいいつの間にリオに服なんてプレゼントしたのかしら?教えてくれる?」
言葉こそ丁寧だがほとんど命令だった。
「……なんでエリザベートに話さなくちゃいけないんだ」
「……そう、話さないのね」
エリザベートはそう呟くとニッコリと微笑んだ。そして何の予備動作もなくアーティスの懐に踏み込むと無防備なアーティスの腹を思いっきり殴った。
「っが!?」
崩れ落ちたアーティスに容赦なく回し蹴りを放つ。その拍子に足首まであるスカートが広がるが、そんなことはお構いなしだ。
「ちょっとエリザ!何やってるの!?」
他の者が気づいた時にはすでにアーティスは地に倒れ伏していた。
「……ちょっと向こうで2人で話してくるわ。カーラさんが来たら呼んで」
追及には答えずエリザベートはアーティスを引きずって少し離れた木立の下へと歩いていった。
「あいつ何をしたんだ?」
それを見送りながらアルフォードが呟いた。誰もエリザベートを止める勇気はなかった。
「……そういえばリオの着ているこのブラウス、アーティスからもらったって言ってたよね?」
「うん」
「いや、なんでだ?理由がないだろ」
「だよね」
とりあえず3人ともアーティスに手を合わせておくことにした。
◇◆◇
「さあきりきり吐いてもらいましょうか?」
アーティスは地面に投げ出され土まみれだった。なおすでにアーティスの怪我はエリザベートによって治療済みだ。
「……王都に戻る時にグレフの街で売っているのを見かけて。リオナに似合いそうだなと思ったら衝動的に。後悔はしていない。……僕が持ってたってしょうがないしね。こうして役に立ったし良いだろ?」
アーティスは地に跪いたまま恐る恐るエリザベートを見上げた。
「……確かに役には立ったし、その点は感謝するわ。……でもね」
エリザベートは何とも言えない怪し気な笑みを浮かべながらアーティスに右の手のひらを向けた。
「それとこれとは話が別なのよ!」
その叫び声とともに手のひら大の水球が生み出され勢いよくアーティスに向かっていった。
「……似合うと思った?それだけで人に服を買い与えるの?この天然女誑し!」
「ちょっ!?誤解だ!少なくともエリザベート、君のためにお金を使いたいとは思わない!」
「黙りなさい!なお悪いわ!このロリコン!」
そう言い合っている間も次々と水球は飛び、アーティスは回避に必死になっていた。
「……何やってるの?あれ」
「さあ?」
「……アーティの服ドロドロだよ。後でどうにかしないと」
そんな2人の会話はアーティスが反射的に張っていた《防音障壁》に遮られ、3人には届いておらず、首を傾げられる、あるいは服の惨状を嘆かれるだけで終わった。そしてそれはカーラが来るまで続いた。
「待たせちゃった?」
正門に行くとすでにアルフォードとアーティスは来ており手持無沙汰に待っていた。
「いや、カーラさんも来ていないから大丈夫だ」
半分お決まりのような会話をしているマリア、リオナ、アルフォードの隣ではエリザベートがアーティスを睨みつけていた。
「……訊きたいことがあるんだけど良いかしら?」
「な、何だ?」
アーティスはある種の身の危険を感じて身を震わせた。
「……いったいいつの間にリオに服なんてプレゼントしたのかしら?教えてくれる?」
言葉こそ丁寧だがほとんど命令だった。
「……なんでエリザベートに話さなくちゃいけないんだ」
「……そう、話さないのね」
エリザベートはそう呟くとニッコリと微笑んだ。そして何の予備動作もなくアーティスの懐に踏み込むと無防備なアーティスの腹を思いっきり殴った。
「っが!?」
崩れ落ちたアーティスに容赦なく回し蹴りを放つ。その拍子に足首まであるスカートが広がるが、そんなことはお構いなしだ。
「ちょっとエリザ!何やってるの!?」
他の者が気づいた時にはすでにアーティスは地に倒れ伏していた。
「……ちょっと向こうで2人で話してくるわ。カーラさんが来たら呼んで」
追及には答えずエリザベートはアーティスを引きずって少し離れた木立の下へと歩いていった。
「あいつ何をしたんだ?」
それを見送りながらアルフォードが呟いた。誰もエリザベートを止める勇気はなかった。
「……そういえばリオの着ているこのブラウス、アーティスからもらったって言ってたよね?」
「うん」
「いや、なんでだ?理由がないだろ」
「だよね」
とりあえず3人ともアーティスに手を合わせておくことにした。
◇◆◇
「さあきりきり吐いてもらいましょうか?」
アーティスは地面に投げ出され土まみれだった。なおすでにアーティスの怪我はエリザベートによって治療済みだ。
「……王都に戻る時にグレフの街で売っているのを見かけて。リオナに似合いそうだなと思ったら衝動的に。後悔はしていない。……僕が持ってたってしょうがないしね。こうして役に立ったし良いだろ?」
アーティスは地に跪いたまま恐る恐るエリザベートを見上げた。
「……確かに役には立ったし、その点は感謝するわ。……でもね」
エリザベートは何とも言えない怪し気な笑みを浮かべながらアーティスに右の手のひらを向けた。
「それとこれとは話が別なのよ!」
その叫び声とともに手のひら大の水球が生み出され勢いよくアーティスに向かっていった。
「……似合うと思った?それだけで人に服を買い与えるの?この天然女誑し!」
「ちょっ!?誤解だ!少なくともエリザベート、君のためにお金を使いたいとは思わない!」
「黙りなさい!なお悪いわ!このロリコン!」
そう言い合っている間も次々と水球は飛び、アーティスは回避に必死になっていた。
「……何やってるの?あれ」
「さあ?」
「……アーティの服ドロドロだよ。後でどうにかしないと」
そんな2人の会話はアーティスが反射的に張っていた《防音障壁》に遮られ、3人には届いておらず、首を傾げられる、あるいは服の惨状を嘆かれるだけで終わった。そしてそれはカーラが来るまで続いた。
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