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第八章 ベルジュラック公爵家
城の七不思議の1つ
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アルフォードが大きく頷いたところでリンリーが咳払いをした。
「……お話はそれぐらいでよろしいでしょう?私をお探しのようでしたがどのようなご用件でしょうか?」
「「あっ」」
2人の声が綺麗に揃った。
「そうだ、国王様たちが戻ってきちゃう」
「……すっかり忘れていたな。リンリー、父上たちがベルジュラック公爵とその使用人たちを捕らえて戻ってくる。牢の用意と人の手配を頼む。ああ、それから一応ベルジュラック公爵の王都邸の方にもいつでも人をやれるようにしておいてくれ」
狼狽えるだけのマリアと違い、アルフォードは手慣れた様子でリンリーに指示を出す。それをマリアは尊敬の眼差しで見つめていた。
「……かしこまりました。すぐに人を集めます」
「ああ、頼む」
リンリーは部屋から足早に出ていった。
「さて、これで僕たちの役目は終わりだな」
「そうだね。……あれ?そういえばさっきリンリーさんはどこから出てきたの?」
マリアは不思議だった。まるで人の気配はなかったのに声が聞こえてきたのだ。驚くなと言う方が無理だった。
「……おそらくだが最初からこの部屋にいたんじゃないか?あの人は神出鬼没だからな」
「えっ?でも人の気配なんてしなかったよ?」
「そこも含めて……だ」
実のところリンリーの神出鬼没ぶりは城の七不思議の1つになっていた。気にしてはいけない。それが王城関係者たちの認識だ。
「……そういうものなんだ」
流石にそんな事実まではわからなかったが、これ以上突っ込んではいけない、そんな気がした。
「……本人は『侍女の嗜みです』とか言っているけどな」
マリアはそれは違うだろうと内心で突っ込んだ。声に出さなかったのはどこかでまだリンリーが聞いているんじゃないかと怖かったためだ。
「でもそんなことをいちいち気にしていたら切りがないぞ。リンリー以上に謎の人物なんて何人もいるんだからな」
マリアはそれは嘘だろうと思った。だが、すぐにそれを否定できる材料がないことに気づいた。そして同時に思う。城なら本当に変な人間が大勢いるんじゃないかと。なんとやらと天才は紙一重と言うのだからと。
「……そういうものなんだね」
無理矢理納得することにした。
「ああ」
アルフォードの声は少し疲れたものだった。
「……あっ、そうだ」
「?どうしたんだ?」
マリアはアルフォードの目をまっすぐに見上げて言った。
「……私、あの公爵の裁きは自分の目で見たいから、国王様に伝えておいてくれる?」
「……別に構わないが良いのか?」
そう訊きながらもアルフォードはマリアが急にそんなことを言い始めたのは、先ほど見た名前が関係しているんだろうと、半ば確信に近い予感がしていた。
「……うん。直接本人に訊きたいことができちゃったし、それに……」
それぐらいの時間は取ってくれるんでしょう?とマリアは続けた。
「ああ、少しだったら構わないと思うぞ」
「……ありがとう」
「……お話はそれぐらいでよろしいでしょう?私をお探しのようでしたがどのようなご用件でしょうか?」
「「あっ」」
2人の声が綺麗に揃った。
「そうだ、国王様たちが戻ってきちゃう」
「……すっかり忘れていたな。リンリー、父上たちがベルジュラック公爵とその使用人たちを捕らえて戻ってくる。牢の用意と人の手配を頼む。ああ、それから一応ベルジュラック公爵の王都邸の方にもいつでも人をやれるようにしておいてくれ」
狼狽えるだけのマリアと違い、アルフォードは手慣れた様子でリンリーに指示を出す。それをマリアは尊敬の眼差しで見つめていた。
「……かしこまりました。すぐに人を集めます」
「ああ、頼む」
リンリーは部屋から足早に出ていった。
「さて、これで僕たちの役目は終わりだな」
「そうだね。……あれ?そういえばさっきリンリーさんはどこから出てきたの?」
マリアは不思議だった。まるで人の気配はなかったのに声が聞こえてきたのだ。驚くなと言う方が無理だった。
「……おそらくだが最初からこの部屋にいたんじゃないか?あの人は神出鬼没だからな」
「えっ?でも人の気配なんてしなかったよ?」
「そこも含めて……だ」
実のところリンリーの神出鬼没ぶりは城の七不思議の1つになっていた。気にしてはいけない。それが王城関係者たちの認識だ。
「……そういうものなんだ」
流石にそんな事実まではわからなかったが、これ以上突っ込んではいけない、そんな気がした。
「……本人は『侍女の嗜みです』とか言っているけどな」
マリアはそれは違うだろうと内心で突っ込んだ。声に出さなかったのはどこかでまだリンリーが聞いているんじゃないかと怖かったためだ。
「でもそんなことをいちいち気にしていたら切りがないぞ。リンリー以上に謎の人物なんて何人もいるんだからな」
マリアはそれは嘘だろうと思った。だが、すぐにそれを否定できる材料がないことに気づいた。そして同時に思う。城なら本当に変な人間が大勢いるんじゃないかと。なんとやらと天才は紙一重と言うのだからと。
「……そういうものなんだね」
無理矢理納得することにした。
「ああ」
アルフォードの声は少し疲れたものだった。
「……あっ、そうだ」
「?どうしたんだ?」
マリアはアルフォードの目をまっすぐに見上げて言った。
「……私、あの公爵の裁きは自分の目で見たいから、国王様に伝えておいてくれる?」
「……別に構わないが良いのか?」
そう訊きながらもアルフォードはマリアが急にそんなことを言い始めたのは、先ほど見た名前が関係しているんだろうと、半ば確信に近い予感がしていた。
「……うん。直接本人に訊きたいことができちゃったし、それに……」
それぐらいの時間は取ってくれるんでしょう?とマリアは続けた。
「ああ、少しだったら構わないと思うぞ」
「……ありがとう」
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