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第九章 夏季休業
隣国の王女様
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リーゼロッタ様が探していましたよと、リンリーはどこか楽しそうな笑顔で言うと軽やかな足取りで去っていった。縄で縛った兵士たちを引きずりながら。
「……リーゼロッタ姫か」
そう呟く国王の声は暗い。
「……なんというか……個性的な方ですからね」
「違うぞエルマン」
「えっ?」
「……個性的ではなく、かなり個性的だ」
それでも会わないという選択肢はなく、リンリーとは対照的に重い足取りでリーゼロッタに貸し与えた客室に向かう。
「……アルが羨ましい。私も叶うことならどこか遠くに行ってしまいたい」
「……お気持ちはわかります。私も偶には休暇でも取って旅行を楽しみたいですよ」
冗談交じりに言った言葉に国王は顔色を変える。
「エルマン、お前まで抜けたら私の睡眠時間が消える。お前は私を殺す気か?」
その表情はいつになく真剣だった。
「冗談ですよ。ただ……前の休暇はいつだっただろうかと思うと昔が懐かしいですよ。まだ我々が今のアル様と変わらない歳だったあの頃が……」
宰相は力なく笑った。
国王は宰相の言葉にホッとした顔をした後、どこか遠くを見るような目になる。
「……そうだな。あの頃が懐かしい……」
2人で昔を懐かしがっている間に部屋の前にたどり着いてしまった。
コンコン
「どなたでしょう?」
意を決してノックをすると可愛らしい声が返ってきた。
「私だ。国王だ。私を探していたと聞いてきたのだが……」
国王が用件を言い終わるのとほぼ同時に扉が開いた。
「待っていましたわ!」
勢いよく開いた扉の向こうには小柄な少女が立っていた。歳は10に届くかどうかといったところだ。
その向こうでは中年の女性がアタフタしている。
「先ほどの騒ぎはいったいなんなのか説明してくださいますわよね?」
見た目に似合わぬ大人びた口調で微笑みながら国王に詰め寄る。
「……自分でドアを開けるなんて年頃の姫君とは思えぬ行動だな、リーゼロッタ姫」
こういったことには慣れているのか国王は溜息とともにリーゼロッタの行動を非難する。
「そ、それは……その……」
リーゼロッタは視線を泳がせた。
「仕方がないじゃありませんの。待ちくたびれたんですもの」
そう言って頬を膨らませる。
「リーゼロッタ姫様、18にもなってそれは流石……」
リーゼロッタの後ろから注意が入る。
「もう、良いではありませんの。硬いですわよ、エレンナ」
「はぁ、こう言った方がよろしかったですか?はしたないと。今の姫様の姿をあの方が見たらどう思われることか……」
嘆かわしいとエレンナは溜息を吐いた。
「つ、次からはちゃんと致しますわ!」
「そうなさってくださいませ」
「……リーゼロッタ姫か」
そう呟く国王の声は暗い。
「……なんというか……個性的な方ですからね」
「違うぞエルマン」
「えっ?」
「……個性的ではなく、かなり個性的だ」
それでも会わないという選択肢はなく、リンリーとは対照的に重い足取りでリーゼロッタに貸し与えた客室に向かう。
「……アルが羨ましい。私も叶うことならどこか遠くに行ってしまいたい」
「……お気持ちはわかります。私も偶には休暇でも取って旅行を楽しみたいですよ」
冗談交じりに言った言葉に国王は顔色を変える。
「エルマン、お前まで抜けたら私の睡眠時間が消える。お前は私を殺す気か?」
その表情はいつになく真剣だった。
「冗談ですよ。ただ……前の休暇はいつだっただろうかと思うと昔が懐かしいですよ。まだ我々が今のアル様と変わらない歳だったあの頃が……」
宰相は力なく笑った。
国王は宰相の言葉にホッとした顔をした後、どこか遠くを見るような目になる。
「……そうだな。あの頃が懐かしい……」
2人で昔を懐かしがっている間に部屋の前にたどり着いてしまった。
コンコン
「どなたでしょう?」
意を決してノックをすると可愛らしい声が返ってきた。
「私だ。国王だ。私を探していたと聞いてきたのだが……」
国王が用件を言い終わるのとほぼ同時に扉が開いた。
「待っていましたわ!」
勢いよく開いた扉の向こうには小柄な少女が立っていた。歳は10に届くかどうかといったところだ。
その向こうでは中年の女性がアタフタしている。
「先ほどの騒ぎはいったいなんなのか説明してくださいますわよね?」
見た目に似合わぬ大人びた口調で微笑みながら国王に詰め寄る。
「……自分でドアを開けるなんて年頃の姫君とは思えぬ行動だな、リーゼロッタ姫」
こういったことには慣れているのか国王は溜息とともにリーゼロッタの行動を非難する。
「そ、それは……その……」
リーゼロッタは視線を泳がせた。
「仕方がないじゃありませんの。待ちくたびれたんですもの」
そう言って頬を膨らませる。
「リーゼロッタ姫様、18にもなってそれは流石……」
リーゼロッタの後ろから注意が入る。
「もう、良いではありませんの。硬いですわよ、エレンナ」
「はぁ、こう言った方がよろしかったですか?はしたないと。今の姫様の姿をあの方が見たらどう思われることか……」
嘆かわしいとエレンナは溜息を吐いた。
「つ、次からはちゃんと致しますわ!」
「そうなさってくださいませ」
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