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第九章 夏季休業
エーデル王国での買い物
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船頭にお礼を言い、お金を払って舟を降りる。
「ここか……」
看板を見上げ、店名に間違いがないことを確認すると、マリアは意を決して店の扉を開いた。
チリーン
涼やかな鈴の音が店内に鳴り響く。
「いらっしゃ、……いらっしゃいませ!」
若い店員の女性は店内に入ってきたマリアとアルフォード、そしてレリオンに笑顔を向けたが、その後ろから入ってきたギルガルドたち3人の姿を視界に入れ、頬を引きつらせた。それでもなんとか気を取り直し、ギルガルドたちにも笑顔を向けたことにはプロ根性がにじみ出ていた。
サウリはギルガルドたち3人に埋もれ、気にも留められていない。そのことに気づいてしまい、サウリは表情を暗くした。
「本日はどのような服をお求めで?」
「この子の普段着を頼む」
「かしこまりました。ただいまいくつかお持ちいたしますね。そちらの椅子におかけになってお待ちください」
意図してなのか、それともただの偶然なのか店員はギルガルドたちを視界に入れようとしない。その事実にフェルトは傷ついたような顔をした。
マリアは言われた椅子にちょこんと座ると、店内を改めて見回した。
「色んな服がいっぱいだね、ベル」
「ウン。イロンナイロノフクアッテキレイ」
そんな取り留めもない話をしていると、両手に大量の服を抱えた店員が戻ってきた。
「お待たせ致しました」
店員は空いていた椅子の上に服を全部置くと、そのうちの1つを広げた。
「今の流行はこのような丈の短いスカートにニーハイソックスの組み合わせでして……」
「……丈が短過ぎません?」
いつも膝下丈のスカートのマリアには、太腿の半ば程までのミニスカートはひどく短く感じられた。
「?そうですか?それでしたらこちらなどどうでしょう?」
そう言って見せられたのは確かに先程よりは丈の長いワンピースだった。それでも膝は露わになる程度の長さでしかない。
「う~ん……私、冒険者をやってるので短いスカートだとちょっと都合が……」
「冒険者!?あなた冒険者やってるの!?……いらっしゃるんですか?」
店員が思わずといった様子で言葉を乱す。
「はい」
「あなたみたいな子どもを冒険者にするなんて、親はいったい何を考えて……」
親の顔が見てみたいと言葉を漏らす。
「親ですか?お父さんはもう何年も前に亡くなりましたよ」
「母親は?」
「私、あれが親だとは思っていませんから」
マリアはそうバッサリと言い切った。
「あれが親だと言うのなら、エルドラントの多くの貴族が普通の人か人格者になりますよ」
誰も何も言わない。ただ沈黙だけが流れる。
「……そう、ですか。差し出がましいことをお訊きしてしまい、申し訳ございません」
店員はそう謝ると、気を取り直したように次の服に手をのばした。
「ここか……」
看板を見上げ、店名に間違いがないことを確認すると、マリアは意を決して店の扉を開いた。
チリーン
涼やかな鈴の音が店内に鳴り響く。
「いらっしゃ、……いらっしゃいませ!」
若い店員の女性は店内に入ってきたマリアとアルフォード、そしてレリオンに笑顔を向けたが、その後ろから入ってきたギルガルドたち3人の姿を視界に入れ、頬を引きつらせた。それでもなんとか気を取り直し、ギルガルドたちにも笑顔を向けたことにはプロ根性がにじみ出ていた。
サウリはギルガルドたち3人に埋もれ、気にも留められていない。そのことに気づいてしまい、サウリは表情を暗くした。
「本日はどのような服をお求めで?」
「この子の普段着を頼む」
「かしこまりました。ただいまいくつかお持ちいたしますね。そちらの椅子におかけになってお待ちください」
意図してなのか、それともただの偶然なのか店員はギルガルドたちを視界に入れようとしない。その事実にフェルトは傷ついたような顔をした。
マリアは言われた椅子にちょこんと座ると、店内を改めて見回した。
「色んな服がいっぱいだね、ベル」
「ウン。イロンナイロノフクアッテキレイ」
そんな取り留めもない話をしていると、両手に大量の服を抱えた店員が戻ってきた。
「お待たせ致しました」
店員は空いていた椅子の上に服を全部置くと、そのうちの1つを広げた。
「今の流行はこのような丈の短いスカートにニーハイソックスの組み合わせでして……」
「……丈が短過ぎません?」
いつも膝下丈のスカートのマリアには、太腿の半ば程までのミニスカートはひどく短く感じられた。
「?そうですか?それでしたらこちらなどどうでしょう?」
そう言って見せられたのは確かに先程よりは丈の長いワンピースだった。それでも膝は露わになる程度の長さでしかない。
「う~ん……私、冒険者をやってるので短いスカートだとちょっと都合が……」
「冒険者!?あなた冒険者やってるの!?……いらっしゃるんですか?」
店員が思わずといった様子で言葉を乱す。
「はい」
「あなたみたいな子どもを冒険者にするなんて、親はいったい何を考えて……」
親の顔が見てみたいと言葉を漏らす。
「親ですか?お父さんはもう何年も前に亡くなりましたよ」
「母親は?」
「私、あれが親だとは思っていませんから」
マリアはそうバッサリと言い切った。
「あれが親だと言うのなら、エルドラントの多くの貴族が普通の人か人格者になりますよ」
誰も何も言わない。ただ沈黙だけが流れる。
「……そう、ですか。差し出がましいことをお訊きしてしまい、申し訳ございません」
店員はそう謝ると、気を取り直したように次の服に手をのばした。
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