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第九章 夏季休業
それはなんの変哲もない日々の記憶(7)
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アランは家に戻るようなこともせず、軽装のまま街の外へと向かっていた。
「アランさんお久し……衛兵を呼んだ方が良いですか?」
「違う。なんで知り合いに会う度にそう言われなければいけないんだ」
アランは本日何度目か知れぬ溜息を吐いた。
「いや、この組み合わせを見ると、言われなければいけない気がして……」
急いでいるからと話を早々に切り上げる。
「アランさん、そんな格好でどうし……お話を伺った方が良いですか?」
門の衛兵にも似たようなことを言われ、大きく肩を落とした。
「なんで、なんで娘と一緒にいてこんなに言われるんだ」
わかりやすい落ち込み方に衛兵は頬を引きつらせた。
「おとうしゃん、げんきだして」
「ありがとうな、マリア」
門自体はあっさり通り抜けることができ、アランはホッと息を吐いた。
「いや、普通に考えれば当然なんだけどな。別におかしなことをしているわけじゃないし」
マリアを抱き直すと、アランはマリアにしっかり掴まっているように言った。
マリアが頷いたのを確認すると、軽く地面を蹴る。
「わぁ~」
流れる景色が次から次へと変わっていくことに、マリアは目を輝かせていた。
「……この辺りで良いか」
ある程度街から離れたところでそう呟くと、アランは周囲に人影がないことを素早く確認し、街道から外れた。
「おとうしゃん?」
なぜ街道から逸れるのかわからず、マリアは不思議そうにアランを見上げた。
「足場が悪いから気をつけろよ」
そっとマリアを地面に降ろすと、服の下から首にかけていたネックレスを引っ張りだした。ペンダントトップには蒼い石が輝いている。
「わぁ、きりぇい。おとうしゃんのめとおなじなにょ」
夏のお空の色と、マリアは笑った。
「そうだな。でもこれは綺麗なだけじゃない、父さんのとっておきなんだぞ」
「とっておき?」
アランは微笑むとペンダントトップを握りこんだ。
「『我は一族の末席に連なりし者。古の契約に従いて姿を現し給え』」
そう言い終えると同時に、石が眩いばかりの蒼白い光を放った。思わずマリアは目を閉じた。
「『我に力を貸し与え給え』」
光が収まり、マリアは恐る恐る目を開いた。
「おおきいの」
そこにはアランの身長の倍ほどの体長を持つ蒼い小型の龍がいた。
『久しぶりだな』
「ああ。今日はこの子も乗せてくれるか?」
『その者も血族に連なる者。問題ない』
マリアの目はキラキラと輝いていた。
「アランさんお久し……衛兵を呼んだ方が良いですか?」
「違う。なんで知り合いに会う度にそう言われなければいけないんだ」
アランは本日何度目か知れぬ溜息を吐いた。
「いや、この組み合わせを見ると、言われなければいけない気がして……」
急いでいるからと話を早々に切り上げる。
「アランさん、そんな格好でどうし……お話を伺った方が良いですか?」
門の衛兵にも似たようなことを言われ、大きく肩を落とした。
「なんで、なんで娘と一緒にいてこんなに言われるんだ」
わかりやすい落ち込み方に衛兵は頬を引きつらせた。
「おとうしゃん、げんきだして」
「ありがとうな、マリア」
門自体はあっさり通り抜けることができ、アランはホッと息を吐いた。
「いや、普通に考えれば当然なんだけどな。別におかしなことをしているわけじゃないし」
マリアを抱き直すと、アランはマリアにしっかり掴まっているように言った。
マリアが頷いたのを確認すると、軽く地面を蹴る。
「わぁ~」
流れる景色が次から次へと変わっていくことに、マリアは目を輝かせていた。
「……この辺りで良いか」
ある程度街から離れたところでそう呟くと、アランは周囲に人影がないことを素早く確認し、街道から外れた。
「おとうしゃん?」
なぜ街道から逸れるのかわからず、マリアは不思議そうにアランを見上げた。
「足場が悪いから気をつけろよ」
そっとマリアを地面に降ろすと、服の下から首にかけていたネックレスを引っ張りだした。ペンダントトップには蒼い石が輝いている。
「わぁ、きりぇい。おとうしゃんのめとおなじなにょ」
夏のお空の色と、マリアは笑った。
「そうだな。でもこれは綺麗なだけじゃない、父さんのとっておきなんだぞ」
「とっておき?」
アランは微笑むとペンダントトップを握りこんだ。
「『我は一族の末席に連なりし者。古の契約に従いて姿を現し給え』」
そう言い終えると同時に、石が眩いばかりの蒼白い光を放った。思わずマリアは目を閉じた。
「『我に力を貸し与え給え』」
光が収まり、マリアは恐る恐る目を開いた。
「おおきいの」
そこにはアランの身長の倍ほどの体長を持つ蒼い小型の龍がいた。
『久しぶりだな』
「ああ。今日はこの子も乗せてくれるか?」
『その者も血族に連なる者。問題ない』
マリアの目はキラキラと輝いていた。
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