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第九章 夏季休業
それはなんの変哲もない日々の記憶(11)
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アランは素早くボードを見回し、鉱山での討伐依頼を発見すると、なんの躊躇いもなくそれを取った。
「おい。それはBランクの依頼だぞ。そもそもランクが足りるのか?」
「問題ない。武器防具がないのは少し心許ないが、その辺りはどうとでもなる」
そのままマリアを抱いてカウンターに直行する。
「すまないが、依頼の受注を頼む」
「えっと、その子も連れていくんですか?」
受付嬢は視線をアランとマリアの顔の間を行ったり来たりさせながら、戸惑いがちに尋ねた。
「ああ。何か問題でもあるか?」
「大ありですよっ! 冒険者舐めてるんですかっ!? 高ランク依頼を子ども同伴で受けるなんて聞いたことないです! しかも見たところ武器も防具も持っていないですよね?」
受付嬢の大声で、周囲の視線がアランに集まる。
「依頼自体はこれで受けられるはずだが?」
困惑の表情で自身のギルドカードを差し出す。だが受付嬢はギルドランクを一瞥すらせず、言葉を続ける。
「その舐めた態度、大方Cランクに上がったばかっかりですね?」
言葉は疑問形だが、その顔は自身が言っていることが真実だと確信しているようであった。
「いや、違うぞ。というか、ギルドランクぐらい確認したらどうだ? ギルドカードがなんの為にあるかわからないぞ」
「何をい……えっ?」
自身の見たものが信じられないのか、ゴシゴシと目を擦る。
「Aランク……?」
「そうだが何か問題でもあるか?」
「いえ……」
2人の会話を拾い、ギルド内はアランたちが入ってきた時とは別の意味でざわめいていた。
「高名な《神速》が参加してくださるのは、こちらとしても歓迎です」
例え異例の子連れ参加であってもと、言葉にはせずとも目は如実に語っていた。
「ああ、ただ俺は他に誰かを連れていくつもりはないからな?」
「えっ?」
冷ややかな声に、周囲の空気が固まる。
「えっと、それはどう意味で?」
「聞こえなかったか? 足手まといはいらないと言っている」
わかったらさっさと手続きをしろと目で促す。
「は、はい」
受付嬢は震える手でできるだけの速度で依頼受注処理を済ませる。
「……依頼達成期限は、今日を含めて1週間です」
返されたギルドカードを懐に仕舞うと、もうここには用はないとでも言うように冒険者ギルドを出ていった。
「おとうしゃん、こわいかおしちゃヤッ! なにょ」
「えっ? ああ、ごめんな。ついイラッとな」
「もう!」
マリアは頬を膨らませたが、アランにとっては可愛らしいだけで表情を緩ませる以外なんの効果もなかった。
「さて、つい大口を叩いてしまったがどうしたものか」
「おとうしゃん……」
娘のジト目にアランはソッと目を逸した。
「仕方がない。とりあえず、行くだけ行ってみるか」
「おい。それはBランクの依頼だぞ。そもそもランクが足りるのか?」
「問題ない。武器防具がないのは少し心許ないが、その辺りはどうとでもなる」
そのままマリアを抱いてカウンターに直行する。
「すまないが、依頼の受注を頼む」
「えっと、その子も連れていくんですか?」
受付嬢は視線をアランとマリアの顔の間を行ったり来たりさせながら、戸惑いがちに尋ねた。
「ああ。何か問題でもあるか?」
「大ありですよっ! 冒険者舐めてるんですかっ!? 高ランク依頼を子ども同伴で受けるなんて聞いたことないです! しかも見たところ武器も防具も持っていないですよね?」
受付嬢の大声で、周囲の視線がアランに集まる。
「依頼自体はこれで受けられるはずだが?」
困惑の表情で自身のギルドカードを差し出す。だが受付嬢はギルドランクを一瞥すらせず、言葉を続ける。
「その舐めた態度、大方Cランクに上がったばかっかりですね?」
言葉は疑問形だが、その顔は自身が言っていることが真実だと確信しているようであった。
「いや、違うぞ。というか、ギルドランクぐらい確認したらどうだ? ギルドカードがなんの為にあるかわからないぞ」
「何をい……えっ?」
自身の見たものが信じられないのか、ゴシゴシと目を擦る。
「Aランク……?」
「そうだが何か問題でもあるか?」
「いえ……」
2人の会話を拾い、ギルド内はアランたちが入ってきた時とは別の意味でざわめいていた。
「高名な《神速》が参加してくださるのは、こちらとしても歓迎です」
例え異例の子連れ参加であってもと、言葉にはせずとも目は如実に語っていた。
「ああ、ただ俺は他に誰かを連れていくつもりはないからな?」
「えっ?」
冷ややかな声に、周囲の空気が固まる。
「えっと、それはどう意味で?」
「聞こえなかったか? 足手まといはいらないと言っている」
わかったらさっさと手続きをしろと目で促す。
「は、はい」
受付嬢は震える手でできるだけの速度で依頼受注処理を済ませる。
「……依頼達成期限は、今日を含めて1週間です」
返されたギルドカードを懐に仕舞うと、もうここには用はないとでも言うように冒険者ギルドを出ていった。
「おとうしゃん、こわいかおしちゃヤッ! なにょ」
「えっ? ああ、ごめんな。ついイラッとな」
「もう!」
マリアは頬を膨らませたが、アランにとっては可愛らしいだけで表情を緩ませる以外なんの効果もなかった。
「さて、つい大口を叩いてしまったがどうしたものか」
「おとうしゃん……」
娘のジト目にアランはソッと目を逸した。
「仕方がない。とりあえず、行くだけ行ってみるか」
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