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公爵になって最初のお仕事

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 クラリベルがグリフィズ領にきて、暫く母と花嫁修行を行う姿を見かけた。内容は、グリフィズ領の事業全般の知識と働いてくれてる人の名前や繋がりのある家族関係を覚えることだ。個人的にはドレス選びや、2人だけのお茶会を庭で開催したりもしていた。
 嫁いびりを心配していたけれど、そんなことはなかった。何をしても厳しい顔でいた母が、笑っている姿に2度見をした日が何回あるのか。彼女を通して両親と会話する機会が増えて、最近は喧嘩をしたり意見を言い合うようになった。
 両親は僕と同じく一つのことに没頭タイプで、仕事一筋だった為に口下手だったのだ。長年の両親とのわだかまりが、少しずつほどけていくのがわかった。




クラリベルがグリフィズ邸で生活するようになって数か月経った昼下り、僕は仁王立ちした奥さんに怒られていた。

「ねぇ、エリオット…この仕事量は何?」
「何って…?」
「ちょっと今の仕事の内容を読み上げてみて?」
「バスキット地方の財政調査と人材派遣一覧作成、文官試験の試験官の募集内容の見直し。文官の給料改定調査。ホーブル家に通じる者ここ3年分全ての調査。国立会議に使う録音できる魔道具の改良、王城で魔道具を保存するための場所の設計図の管理それから―――
僕が立ち上げた商会の新店舗を次に出す場所の調査、従業員の教育講座、新型商品のプレゼン企画に―――
グリフィス領の蜂の交配データの作成、蜂蜜の成分を使ったダイエット商品の開発、蜂蜜専門店の開店予算の見積もり、後は―――
ハミルトン領の土壌調査に葡萄を活かした長寿薬の開発、他に…」
「前から聞いておりましたが多すぎますわ!!ここに学園生活と私との新婚生活が入るんですのよ!?正気ですの?体がいくつあっても足りませんわ!」

 結婚による騒動が粗方落ち着いた頃に、クラリベルに仕事の管理をしたいと頼まれた。急いで裏の仕事を接待という名前に変えて載せた仕事リストを見た、クラリベルの反応は予想外だった。

「特に前半!これは王家の仕事では?何故、文官でもない貴方にこんな仕事や接待が入っているんですの?」
「それは第一王子に側近候補として認めてもらってて…」
「…設定通り、やはり第二王子派にはスパイで入っていたのですね…いえ、もうその件は良いとして、明らかに日程と時間が被っているものもかなりあるではないですか!?100近くの仕事、こんなの無理ですわ…」

 クラリベルが怒りで冷静さが欠けている今なら、自分の影から複数の影武者を作れる魔道具のこと伝えて、どこまで知っているのか確認するチャンスだと思った。

「設定通りってなんだい?」
「僕がスパイになっていることはどうやって知ったの?」
「そういえば以前、何か怖いと言っていたのはスパイと夫婦になることを気にしていたのかな?サブリミナル…だっけ?」
「心配してくれて嬉しいよ、クラリベル」

 最近3人分影武者を作れるようになったから、4人の僕で彼女を囲んでみた。

「…ひっ、エ、エリオットがいっぱい…?これは、どういう?あ、あ、そうだ没ネタ設定集に影分身できるヒーローって設定が…?え、あれが反映されていたの…?じゃあ、今までのは…?」
「やっぱり僕が、複数の影武者を操れることを知っていたんだね。“影ブンシンできるヒーロー”って言葉の意味がわからないんだけど、設定ということは僕自身の能力のことを指すのかい?」

 明らかに状況の理解が早い、複数いる僕についての質問は予想通り来なかった。何か思いだすように虚空を見つめて思い出したように納得している姿に、もうクラリベルの千里眼を確信した。
 ずっと前からやってみたかった、あらゆる角度のクラリベルの姿が同時に見える絶景。
 記憶だけでなく、感覚も共有できるようになった影武者からあらゆる角度のクラリベルの姿が送られてくる。動揺したクラリベルの姿がくまなくみえて可愛いらしい。

「それは…その…私も上手く言えなくて…でも、前から知っていたというか、というか…その…乙…ゲームで…」

 クラリベルの声がどんどん尻すぼみになって最後は上手く聞こえなかったけど、オ・ゲー?とか言うものでみていたことがわかった。自分の千里眼のことを知らない彼女は説明できないのだろう。「クラリベルに千里眼のことを知られてはいけない」という王命を破るわけにもいかない。

「せめているわけじゃないよ、怖がらないで…ただ、悪用されるかもしれないから、その知識のことは僕以外の人には言ってはいけないよ。」
「信じてくれるの?!…嬉しい!勿論、エリオットにしか話さないわ!」

 他の影武者にも握手をしてから、迷うことなく本物の僕に抱き着いてくれた。でも、数秒で急にハッとなって離れて、怒ったように見つめてくる。

「つまり、エリオットは4人分働いているってことじゃない!さっきより、もっと酷いわ!もう少し仕事を断っても良いと思うの!いつか貴方が倒れてしまうんじゃないかと、私…心配で…」

 普段のクラリベルは丁寧な言葉遣いをしているけれど、動揺したり気が抜けると言葉遣いが変わる。かなり言葉遣いが乱れていることから、本当に心配してくれているのだろう。

「こればっかりはしょうがないんだ、ごめんね。新しい王が決まるまでの辛抱だから…」
「本当にそこまでに仕事が落ち着くの?先に貴方が過労で倒れてしまう気がして…仕事で一日中いない日も最近たまにあるでしょう?忙しいのはわかっているけれど、私たち新婚なのよ。寂しいし、心配なの…」

 仕事のことを誤魔化そうとしていたけど、泣きそうなクラリベルに罪悪感と後ろめたさを感じる。

「…今は、僕という人間を周囲に見せることが1番の目的だと思うから…多分大丈夫。公爵になるための布石の期間なんだよ…うーん、でも、クラリベルの言う通りか。…色々あって僕は王家の仕事を断れない環境にいるよ…かつては王の鷲獅子と言われたグリフィス家の僕が、今や四肢のように動いているなんてさ…はは、情けないよね、こんな状況…もう、笑うことしかできないよ…」

 何とか説明しようとしていたのに、彼女の泣きそうな顔をみてたら本音が口から滑ってしまった。言ってしまってから、クラリベルの返事が怖くなる。3人の影武者もそっぽを向いている。
 彼女は僕を心配してくれているのに、情けないことを言ってしまった。

「貴方は頑張っている!情けないとか、そんなことないわ。全然笑えないわよ!あなたが倒れたらこまる人がいっぱいいるのよ、今の仕事内容なら十分に過労を理由に断ってもいいと思うの!」

 ポロリと瞳から雫が落ちて、悔しそうな顔をした彼女が抱きしめてきた。彼女は僕の為に泣いて、悔しがってくれていた。どうしようもなく胸が苦しくなって、華奢な体を抱きしめ返した。

「誰もそんなこと言ってくれなかった…。僕はずっと成果を出し続けなきゃいけなくて…」
「本当に…?本当に貴方だけが4人分も働かなければいけないの…?」
「そ、そうだよ!僕は公爵にならなきゃいけないんだ。今、この国で新しい公爵の位を手に入れられるのは僕しかいない。僕がやらなきゃいけないんだ!…君には怖いことがあるんだろう?この国で王族の次に権力を持つ公爵にならないと。僕は、君を幸せにしたいんだ。クラリベルの隣に相応しい男に…」

 遮るように言葉が返ってきた。

「私の幸せはエリオットと一緒にいることなのよ!貴方と結婚できたあの日から、私の怖い事は終わっているの、とっくに幸せなのよ!っていうかもう夫婦なのに相応しい云々って何?評判も家の責任も二人で持つものじゃないの?あなた一人が頑張ってる状況が悲しい…私一人じゃ幸せにはなれない…。」
「クラリベル…」

 腕の中で潤んだ瞳が見つめてくる。彼女の紫水晶に吸い込まれるようにキスをしようとしたら、タイミング悪く彼女が僕から離れて何か取りにいってしまった。
 出鼻をくじかれて前につんのめる。たたらを踏んで体制を直す僕の元に、紙と筆を持って戻ってきた彼女は仕事の分析を始めた。真剣な顔で僕の仕事リストをなぞっていく。

「ハミルトン領の仕事は私が引き継ぐわ。元々自分の住んでいた領地だもの、兄さんたちと連携するから任せて!グリフィズ領の仕事は、従者たちにもう少し振り分けましょう?商会の運営と研究と開発はエリオットしかできないから、助手を何人か雇って納期の調整と帳簿管理までできる人間を育てましょう。それから、この仕事の半分をしめる王家からの仕事ね…。仕事を割り振ってきてるのは第一王子…。うぅ、そっか今の時期のイベントって、内乱手前の争いもあったわ。貴族同士の協力ができずに足を引っ張り合っているから、醜聞を狙った仕事のミスが起きやすい。だから、こんなに一人に集中してるのだわ…。そうか、それだと逆に成果を一人で出した時に、権力差がひっくり返る…それならエリオットの名前で報告書を作る形でいくつか調査を人に任せて、信頼できる人間を監視につける…とか?ううん、…それぞれの土地に詳しい人間を雇って情報を集めさせれば確実かしら…」

 未練がましく彼女の唇を見つめる僕をよそに、淡々とクラリベルが僕の仕事の管理に取り掛かる。真剣な顔の彼女が、皆で隠していた内乱のことを把握していたけれど、もう驚けなかった。
 気づけば真剣な彼女つられて、今後の仕事の方針についての話し合いに参加していた。
 キリっとした顔のクラリベルの顔を見ながらなら、仕事の話も嫌じゃない。


 結局最後までクラリベルに明かせなかった、接待という名の悪い仕事がいくつか残った。彼女の働きに応えるなら、そちらも解決させる人材を2.3人は手に入れないといけない思った。





何日か経った深夜
 クラブ活動に参加した決断の木曜日から、少しずつサップシャー家を追い落としてきたけど、正式に上から許可が下りて伯爵位を剥奪してきた。目当ての人物だけ回収して、残りの一族全員国内から排除した。
 土と血に塗れた体をクラリベルに見つかりたくなくて、帰宅早々に湯あみをしていた。嫌なことを忘れたくて、愛しいクラリベルに会うべく急ぎ汚れを落としていた時だった。急に廊下が騒がしくなり、クラリベルと使用人たちがもめている声が聞こえてくる。

「エリオットが帰ってきたって本当ですの!?」
「奥様落ち着いて下さい、旦那様はまだ湯あみをー!?」

 バンっと浴室の扉が開けられて、焦った顔のクラリベルが飛び込んできた。

「エリオット!この間の昼間の話の途中のことだけど、サブリミナル効果のことを知っていたということは、馬車の中の私の考えごとが独り言になっていたってことですの!?」
「馬車…?あぁ、全部聞こえたわけではないよ。最初の僕が好きだってことと結婚したかったって言葉以外は小さすぎてあんまり聞こえなかったから―」
「いやー!ちゃんと告白の準備していたのに!!あんまりだわ!!…この後、寝ずに時間を下さいませ!」

 バシャリッと飛び散った水を踏んで、浴室に入ってきたクラリベルが飛びついてくる。
 寝ずに待っていてくれたことを感謝すればいいのか、結婚したのにハミルトン侯爵との約束で未だに清い付き合いをしている状況で、これはアウトかセーフか必死に自己ジャッジを繰り返す。

「勿論、クラリベルの為ならいくらでも時間を作るよ?とりあえず、貴方がこれ以上濡れてしまうと体に悪いから、寝室で待っていてくれるかい?」
「わかりましたわ!絶対、やり直し…を…、…きゃー!??どうしてエリオットは裸なの!?破廉恥だわ!!」
「えぇっと、お風呂で湯あみをしているから、かな…?」

 顔を真っ赤にしてクラリベルが飛び出していく。

「奥様、お待ち下さい!今、濡れてしまったお召し物の代わりを―」
「破廉恥は私!私は破廉恥女よー!お父様たちと卒業まで清い結婚をする約束を破ってしまいましたわ!!」

 騒がしく声が遠ざかっていく。嵐のような一連の騒動に先ほどまであった暗い気分がどこかにいっていた。やっと自分の屋敷に帰ってこれた実感が湧いて、安心から笑いが零れ、止まらなくなった。

「やっぱり、クラリベルは凄いなぁ…」

 ひとしきり笑って湯あみを終えた僕が見たのは、厳重に侍女たちにガードされた僕たちの寝室だった。

「うん…?」
「奥様のお願いで今夜は旦那様を通さないようにと、仰せつかっております」

 侍女頭が申し訳なさそうに寝室を見た。閉ざされた部屋の中からはクラリベルの奇声が絶えずに聞こえてくる。状況を理解した僕は、声を録音する魔石を侍女頭に預けた。珍しい彼女の奇声を録音することだけ頼んで、その場を離れる。



「アウトだったかぁ…。しょうがない、残りの仕事を片付けようかな…も自分に置かれた状況を早く知りたいだろうし」




 執務室から隠し通路をいくつか渡って地下室に向かう。

「やぁ、気分はどうだい。ヴィント」
 
 檻の中はこじんまりとした調度品のある部屋になっていて、中央の椅子に彼は座って待っている。

「最高に最悪だよ。この度は俺をお買い上げありがとうございます。エリオット君?」
「足りないものがあったら教えてくれるかな?今後は君の部屋になるんだからね。」

 ノロノロと青い顔をして彼がこちらを睨みつけてくる。何も言わないから続けて話す。

「君の一族は全員3つ離れた国に無事に亡命したよ。良かったね、もうサップシャー家は存在しない。グリフィス家に君を売ったお金で、数年は楽に暮らせるさ。」
「は、っはは、君が…君が、ご主人様ってことかい?俺は女性に仕えたかったんだけどね…クラリベル夫人に替わってくれないか?それともお得意の魔道具で君が女性化でもしてくれるのかな?」

 目がせわしく動きながら、必死にいつも通りを気取ろうとしている。冷静になろうと、現状を打破する策でも練っているようだ。

「勘違いしないでほしいな。君に酷いことをこれ以上するつもりはないよ。むしろ感謝してほしいくらいさ。あのままだたったら、サップシャー家は派閥争いでいずれ消されていた。」

 追い込んだのは僕だけど、手を下さずともサップシャー家は第三王子派の策略でかなり没落していた。事業に失敗して巨額の借金を抱え、一族崩壊の手前までいったところで大金の援助をチラつかせて近づいた。サップシャー伯爵にのヴィントを僕の補佐官として貸してほしいと頼んだだけだ。
 後は、ヴィントをおいて勝手に国外逃亡の準備を始めてくれたから、彼らを見張っていた第三王子派の人間たちを排除しつつ亡命の手伝いをしてきた。
 道中、改良していた武器の出来が悪く爆発事故を起こした。うっかり第三王子派の人間たちを半殺しにしてしまった以外は、スムーズにことが終わった。
 少し関わっただけだけど、あのサップシャー家にずっといたならヴィントが構ってちゃんになったのも頷ける。貴族なんてどこの家庭も、何かしらの問題を抱えているのかもしれない。

「俺も家が没落間際なのは何となくわかっていたよ。だから身分の高い女性に婿入りしようと必死に、俺…」
「もう放置子だった末っ子の君はいない、家も家族もない。これからは僕の裏の仕事を手伝う補佐官になってもらうよ。断れば、君の命も元家族の命も怪しいかもね…?」

 長くなりそうな話を遮って要件の話を伝える。
 いくつか伝えたところで「嘘だろ!?」と悲鳴を上げられた。

「どうしてそんなに怖がるんだい?君が今までしてきたことを頼んでいるだけじゃないか。」
「いや、女性を口説く仕事は喜んでやりたいさ。でも、女装して潜入だと?しかもあのフリントン夫人の屋敷だって!?」
 
 フリントン夫人は女性伯爵であり、無類の愛とやらを持つ男女いける強者で有名だ。彼女の夫はほとんど姿を見せず、近年は見た人すらいない。色々とよくない噂の流れている家で、第一王子派なので味方サイドになるのだけど、獅子身中の虫になりそうだから捜査したかった。

「長い髪の君のほうが、かつらをかぶる必要もないし、女性大好きでお花畑な脳内の君にお似合いの仕事だと思うんだけど?」
「誰が常春頭だって!?この色は春の精霊に祝福を受けているから、上から下へピンクから茶色にグラデーションする色合いなんだよ!聞き捨てならないなぁ!」
「だれも君の髪の色なんていってないよ。おめでたい思考をしているんだから、それだけ警戒されずに潜入できるだろうと言ったんだよ」
「そうか、それならいいんだ。…ん?」

 あのきざったらしいヴィントにもコンプレックスがあったとは初めて知った。髪染め粉を使えばそれもなくなるだろうし、問題ないはずだ。多分。
 ヴィント自身の学園のデータを見てきて、自分の立ち位置を理解するずる賢さと人受けの良い性格、地頭の出来がいいのはわかっていた。女ったらしの役だったから、女性メインで顔が広くて、情報収集に長けている。元の地位から貴族社会の情報を一々教える必要もない。大量の人質もいる。第二王子派を落とすことと、人に言えない仕事の手伝いをしてくれる人の確保が同時にできたのは幸いだ。彼なら多少僕を知る人物だし、個人的な怨恨で荒く使っても罪悪感はない。

 ヴィントとの長い夜の話し合いの末、一人目の裏の仕事用人材確保に成功した。これでクラリベルと一緒にいる時間が増やせそうだ。
 これから僕の監視下で仕事する彼が、構ってもらう出汁に彼女を口説く日はもうこない。


 数日後に、約束通り第一王子派のとある侯爵から推薦状を受け取った。
 表向きは、蜂を使った花粉採取による新種の花の共同開発成功報酬。
 
 僕は国内最年少で公爵の位を賜った。
 これから僕はグリフィズ侯爵ジュニアではなく、グリフィズ公爵を名乗る。ファミリーネームを変えることはしなかった。ゆっくり引き継いできた両親の事業はそのまま継続して引き継ぎ、グリフィズ侯爵の名は父が完全に引退する何年か先に一緒に返還となることだろう。
 
 
 
 公爵になって初めの仕事として、まず人材確保と育成に乗り出した。第一王子にも人材育成期間の為の仕事の減量申請と休暇を増やす提案書を提出してきた。これが上手くいけば、後に仕事が減らせるしかなり負担が減る。有能な部下は元々何人かいたけれど、重要な仕事は一人でこなしてきたからこれからの育成が肝になるだろう。
 周囲の予想より早くに両親から独立することになったけど、僕自身は憂いなく新しい生活へのスタートを切ることになった。


 第二王子派を一人引きずり下ろしたから、長い目標自体は1つ達成された。だけど、これからも第一王子に仕えていくのなら敵戦力のそぎ落としはもっとしておきたい。彼らを何人かこのまま潰していけば、自然な流れで力を失った第二王子派からも抜けやすくなり、第一王子派に戻ることができる。

 せっかくだから次は護衛を兼ねたものを雇ってみようかな。ここはクラリベルに危害を加えた脳筋でも引きずり降ろして、彼女を突き飛ばした謝罪を是非ともさせたい。
 
 僕は次の仕事に取り掛かった。
 
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