異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

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「そういえば、幻神族げんしんぞくに関して噂やおとぎ話になるくらいだから目撃されるようなことはあるんだろうけど、契約に関しての話題は聞いた事はないのだけど?」

「そうね、私も聞いた事は無いわね。レスティナは」

「私も幻神族げんしんぞくが契約していたって話は聞いたことがないですよ」


 リュイルの疑問にラムリア、レスティナ共に聞いた事がないのか。
 となると長命であるエルフでも知っているものはいないのか。


幻神族げんしんぞくそのものが伝説化していますし、話が残らないのではないでしょうか」

 
 フィアは伝説化するほどの存在なのか。
 確かに凄い存在でも相当の年数目撃が無ければ伝説にもなるし、何かに書き残しでもない限り幻神族げんしんぞくの話は消えていくだろうしリリィの言う事も分かる。


「まぁ、私たち幻神族げんしんぞくはそんなにいないですからね。私もそれなりに生きてはいますけど幻神族げんしんぞくの誰かが契約をしたという話は聞いたことがないですね」


 フィアが無いっていうのだから契約の事実は無いのだろう。
 しかし、それなりに生きているってことはどれくらいの年齢なのか。
 年上の嫁か、年齢の事は気になるがどうしたものか。
 年齢の事を考えながらフィアを見ていたら目が合う。


「いま何か考えてませんでしたか?」

「なにも」


 年齢のことを考えるのはやめよう。
 俺が色々責められそうな気がする。
 

「では、そういう事にしておきましょう」 

幻神族げんしんぞくで初めて契約したのが人族のヒロって事ね」

「私の知る限りではとつきますが」

「種族としてもフィア様としてもはじめての契約に立ち会えるとは光栄です」

「様などつけなくでも良いですわよ」

「ではフィアさんと、おそれおおいので」


 フィア、リュイル、リリィは仲良く話をしている。
 他の3人も会話には参加していないが頷いたりして話をきいている。
 女性だけあって気が合うのだろうかね。


「フィアは俺が最初の契約者でよかったのか?種族的にもだけど」

「契約に後悔はないですわ、種族的には私が契約したら幻神族げんしんぞくでは最初だったと言う事にすぎませんし。ヒロとの結婚で数十年一緒にいたところで私に損はありませんよ。一緒にいるあいだは先ほど食べた美味しい食事をする事ができるのですからね」


 リュイル達5人は唖然としている。
 みんなの前で食事が目当てと断言すれば言葉も出ないよな。
 伝説の幻神族げんしんぞくが食事目当てで結婚だからな。
 大丈夫だろうか本当に。
 この日から野営での交代の見張りは必要なくなった。
 フィアが強固な結界を構築できるからだ。
 フィアの話じゃ結界を壊せるのはフィアと同等ぐらいの存在との事。
 そんな存在と出会う事などないと思いたい。
 休息の前にリュイル達5人はなにやら話し合っていたようだが何かの相談だろうか。
 俺に関係あればちゃんと言ってくれるし問題ないだろう。






 


 フィアとの出会いから数日。
 もう少しでセレスフィア王国というところまで来ていた。
 俺を中心にしてリュイル達は歩いているが今までの道中より会話が増えた。


「私の魔力を感じ取るようなものはおそってはこないだろうし、こちらに向かってくるようなものがいれば気がつくから気を張って警戒しなくても大丈夫よ」


 フィアが言ったからだ。
 リュイル達も警戒はしているのだろうが今までより余裕があって会話しているのだろう。
 フィアもリュイル達と話しているし。
 俺はみんなと話しながら歩く体力的余裕はない。
 しかし、フィアと出会った次の日の朝は大変だった。
 フィアとの出会いのおかげで朝の食事はスープ以外は仕込んでいなかったから、朝から肉を大量に焼くことになったし。
 フィアの希望での肉だったのだが聞いてみればリュイル達も朝から肉で大丈夫とは、さすが冒険者というべきか。
 しかも、フィアの食事量がなぁ、リュイル達も食べるなとは思っていたがそれ以上に食べる。
 シチュー食べた量から予想はしていたが肉がそろそろなくなるんだよな。
 どうすべ。
 

「………」

「………ロ」

「ヒロって聞いている?」

「えっ、何?」


 どうやら考え事に没頭していて呼んでいるのに気がつかなかったようだ。


「そろそろ休憩して食事にしないかって話になってね」


 周りをみればみんなおなかがすいているようで特にフィアは期待した目で見ている。
 女性達の希望で休息と食事を取る事になった。

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