異世界のんびり自由な流浪旅?

霜月雪

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 セレスフィア王国まで目前というところまで来ていた。
 遠目に見える砦が国境なんだそうだ。
 国境を越えて数日ほどで国境の街ロズウェールにつくらしい。
 俺の移動速度を考慮しての日数だろう。
 砦に近づくにつれてその大きさに圧倒される。

「入国になにか必要なものってあるのか?」


 リュイルに聞いてみる。


「何も無いわよ。入国税がかかるけどそれは私たちが出しておくわ」

「いいのか?」

「フォレストバードの素材の事もあるからね、問題ないわ」

「ありがとう」
 

 リュイルにお礼を言っておく。
 砦の門の前でのやりとりはリュイル達に任せた。
 リュイル達はギルドカードを見せ俺とフィアの入国税を払うと入国許可は簡単に下りた。
 フィアは俺と同じように人族として見られたみたいだ。
 確かに外見を見ただけじゃ人と変わらないからな。
 違いは後で聞いてみるか。
 ギルドカードは俺も移動のことを考えると手に入れておきたい。





 国境を何事も無く越えセレスフィア王国に入り、目的である国境の街ロズウェールに向かって移動している。


「無事にセレスフィア王国に入国できて安心したよ。みんなありがとう」

 
 リュイル達にお礼を言う。
 こういったことを忘れたら良くないからな。
 魔物、獣がいるこの世界で一人で旅するつもりだったけどリュイル達に出会って無理って事が分かったし。
 夜に一人で焚き火して過ごすのも不安だ。
 ここまで無事にこれたのもリュイル達のおかげだし感謝してる。


「私たちも良い経験させてもらってるから。それに、街までは数日あるからね」

「伝説になっているフィアさんと話す事も出来ましたし」

「経験できない経験してる」

「フィアさんと一緒に行動なんて普通は経験できないのですけどね」

「私はヒロさんの食事が一番うれしい」

「私はヒロの嫁ですから守るのは当然ですよ」


 伝説になっているだけにフィアの存在は大きいんだな。
 ラムリアは食事が一番か喜んでいいのか微妙だな。
 フィアはまぁ嫁だしな。


「今回もいつもと変わらない依頼かと思ったけど、ヒロとの出会いが一番の報酬かもね」

「そうですわね、ヒロさんに出会わなければフィアさんにも出会わなかったかもしれませんしね」


 リュイルは嬉しい事を言ってくれる。
 リリィの言うように出会わなかったらフィアとも出会う事な無かった気がする。
 もしかしたら、フィアは別の場所で食事に釣られて出会ったかもしれないが。


「ヒロは今後はどうするの?」

「今後っていうのは街についてからってことか?」

「そう」


 アイシェラが周囲を警戒しつつ、獣耳を動かしながら聞いてくる。
 

「街を見て回って数日ゆっくりする間にフィアと相談かな。そういえば、リュイル達が街を案内してくれるって話はどうなんだ?」

「ヒロが望むなら案内はするわよ」

 街の案内は俺が頼めば可能と。
 安全面で無理があると思っていた旅だけど、フィアがいてくれるなら安全に旅をすることも可能だろうし。
 フィア依存だが、そこはしょうがない。
 一緒に行動はするんだろうけどフィアがどうしたいのか分からないからな。


「アイシェラはどうするんだ?」

「私はリュイル達と相談」

「パーティだもんな。リュイルは街に着いたらどうするんだ?」

「依頼の事もあるからギルドには一緒に行ってもらうのは決まってるけど、ヒロが望むなら街を案内するしそれ以外の予定は決まっていないわね」

「今後のことはメンバーで相談して決めることになりますね」

「俺と同じか」

「相談といっても休息日数と街を移動するかしないかぐらいですね」


 リリィの街を移動というのは依頼で稼いでいる冒険者だからか。
 たぶん街によって依頼の種類や数も違うんだろうな。
 休日も個人でやりたい事もあるだろうし買い物などもあるから調整が必要になるか。
 

「街についてもしばらくは一緒に行動かな、そのほうが色々と都合が良いしね」

「わかった」


 ギルドに行って説明とかしないといけなかったな。
 一緒に行動していないと連絡が取り合えないか、個々で連絡取れる手段は無いだろうからな。
 なんだかんだと街についてからもしばらくは一緒に行動か。
  

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