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第4話 獣人種族との出会い?
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統和国中心部にある王都ヤマギを目指す
3人は入国審査を済ませる為
南部防壁都市スザクに向かっていた。
統和国南部の防衛を担当する都市スザクは南部に位置するエルフの国との貿易や
軍隊派遣の拠点となり栄えている。
都市スザクに向かって歩いている私は
危険が迫っている事に気づかなかった。
2㎝程の小さい石から2m程ある大きい岩までがそこらじゅうにゴロゴロしていてまるで登山しているような風景の中を、ひたすら歩き続けていた。転生してから何も飲まず食わずのまま中小の石がゴロゴロしていて歩きづらい一本道を体力と気力で頑張っていたが遂に限界を迎え、歩いて先導しているエルフ2人との距離が開いてきていた。
『あの……少し休みませんか?
もう4時間位足場の悪い道を歩き続けて疲れてきているのですが』
『うーん。あまりゆっくり休んだり
出来ないけど、少しだけなら』
『しょうがないなー、少し休んだら
直ぐに行くよ。危険なんだから』
と言うと銀髮のシルカと赤髪のカノアは近くにあった丸い大きな岩に飛び乗ると並んで座り、周りを警戒しながら休む。
私も近くあった大きな岩に寄りかかると眼を閉じて休んだ。
目を閉じ耳をすませると近くに川があるのか水が流れる音が聞こえる。
5分程休むと2人が私に声を掛ける。
『そろそろ行くわよ!
急がないと夜までに
都市スザクに着けないよ』
『それでは、行きましょうか』
と言うとまた先導しながら道を歩いていく。今度は2人から遅れて離れないようにしっかりと付いて歩いて行くと前方100m程先に石橋が見え、その奥には森が広がっていた。石橋の下には透明で綺麗な川が流れていて虹色の魚も泳いでいる。
『あ!川だ!水だ!魚だ!』
川や魚を見て、はしゃいだ私は川の水を飲もうと2人を追い抜かそうとする。
しかし、カノアが俺の右手を掴み止めて険しい表情で周りを見渡す。シルカも白い魔書を握りしめて何か警戒していた。冷たい不気味な風が吹きだし青空がみるみると曇りだした。
『ここで追いつかれたか!』
とカノアは呟くと背中にある大剣を抜き、歩いて来た道の方へ構える。するとさっきまで私が寄り掛かっていた大きな岩の上に何かが居る。人間に似ている容姿だがよく見ると黒い猫耳と尻尾がある若い猫女だった。猫女は忍者のような格好をしていて黄色の瞳でこちらを見下ろしていた。
「やっと追いついたにゃ!
エルフ種族の指導者シルカ女王と
カノア将軍をここで討つにゃー」
と言うと跳びおりながらクナイを両手に
装備してカノアの懐に斬り込んできた。
カノアは大剣で防ぐ事に徹していたが、猫女は涙を流しながら素早い動きで次々と斬り込んできていてクナイと大剣が激しくぶつかり、火花を散らしていた。
戦っている2人から10m程離れた私はシルカから魔法の使い方を急遽教えてもらって有事に備えていた。カノアは攻撃を防ぎながら理由を聞く。
『ねぇどうして?
獣人種族とエルフ種族が協力して
人間種族を正しく導く為に動こうって
10日前に会議をしたばかりじゃない!
獣人王のライ王はどうして……。
ねぇ、答えて!獣人参謀長シャル!』
『5日前に魔族が大軍で攻めて来て応戦したライ王と獣人幹部は瀕死で牢屋に、国も壊滅状態なんだにゃ……』
シャルはクナイを地面に落としその場に泣き崩れた。獣人仲間が瀕死状態で国も支配され更に仲が良いエルフを消さなければ自分達が消される恐怖などの様々な感情を涙と共に吐き出した18歳の猫女シャル
その状況を見ていた俺は居ても立っても居られずシャルをギュッと抱きしめる。
『大丈夫!僕が必ず君達と
国を助け出して守るから』
曇っていた空が夕焼けで赤く染まり綺麗だったがシャルの体と風は冷たかった。
獣人種族を助けると決意した私は王都に行く予定を変え、近くの都市で救出準備を整えて獣人王国へ向かう事にした。
3人は入国審査を済ませる為
南部防壁都市スザクに向かっていた。
統和国南部の防衛を担当する都市スザクは南部に位置するエルフの国との貿易や
軍隊派遣の拠点となり栄えている。
都市スザクに向かって歩いている私は
危険が迫っている事に気づかなかった。
2㎝程の小さい石から2m程ある大きい岩までがそこらじゅうにゴロゴロしていてまるで登山しているような風景の中を、ひたすら歩き続けていた。転生してから何も飲まず食わずのまま中小の石がゴロゴロしていて歩きづらい一本道を体力と気力で頑張っていたが遂に限界を迎え、歩いて先導しているエルフ2人との距離が開いてきていた。
『あの……少し休みませんか?
もう4時間位足場の悪い道を歩き続けて疲れてきているのですが』
『うーん。あまりゆっくり休んだり
出来ないけど、少しだけなら』
『しょうがないなー、少し休んだら
直ぐに行くよ。危険なんだから』
と言うと銀髮のシルカと赤髪のカノアは近くにあった丸い大きな岩に飛び乗ると並んで座り、周りを警戒しながら休む。
私も近くあった大きな岩に寄りかかると眼を閉じて休んだ。
目を閉じ耳をすませると近くに川があるのか水が流れる音が聞こえる。
5分程休むと2人が私に声を掛ける。
『そろそろ行くわよ!
急がないと夜までに
都市スザクに着けないよ』
『それでは、行きましょうか』
と言うとまた先導しながら道を歩いていく。今度は2人から遅れて離れないようにしっかりと付いて歩いて行くと前方100m程先に石橋が見え、その奥には森が広がっていた。石橋の下には透明で綺麗な川が流れていて虹色の魚も泳いでいる。
『あ!川だ!水だ!魚だ!』
川や魚を見て、はしゃいだ私は川の水を飲もうと2人を追い抜かそうとする。
しかし、カノアが俺の右手を掴み止めて険しい表情で周りを見渡す。シルカも白い魔書を握りしめて何か警戒していた。冷たい不気味な風が吹きだし青空がみるみると曇りだした。
『ここで追いつかれたか!』
とカノアは呟くと背中にある大剣を抜き、歩いて来た道の方へ構える。するとさっきまで私が寄り掛かっていた大きな岩の上に何かが居る。人間に似ている容姿だがよく見ると黒い猫耳と尻尾がある若い猫女だった。猫女は忍者のような格好をしていて黄色の瞳でこちらを見下ろしていた。
「やっと追いついたにゃ!
エルフ種族の指導者シルカ女王と
カノア将軍をここで討つにゃー」
と言うと跳びおりながらクナイを両手に
装備してカノアの懐に斬り込んできた。
カノアは大剣で防ぐ事に徹していたが、猫女は涙を流しながら素早い動きで次々と斬り込んできていてクナイと大剣が激しくぶつかり、火花を散らしていた。
戦っている2人から10m程離れた私はシルカから魔法の使い方を急遽教えてもらって有事に備えていた。カノアは攻撃を防ぎながら理由を聞く。
『ねぇどうして?
獣人種族とエルフ種族が協力して
人間種族を正しく導く為に動こうって
10日前に会議をしたばかりじゃない!
獣人王のライ王はどうして……。
ねぇ、答えて!獣人参謀長シャル!』
『5日前に魔族が大軍で攻めて来て応戦したライ王と獣人幹部は瀕死で牢屋に、国も壊滅状態なんだにゃ……』
シャルはクナイを地面に落としその場に泣き崩れた。獣人仲間が瀕死状態で国も支配され更に仲が良いエルフを消さなければ自分達が消される恐怖などの様々な感情を涙と共に吐き出した18歳の猫女シャル
その状況を見ていた俺は居ても立っても居られずシャルをギュッと抱きしめる。
『大丈夫!僕が必ず君達と
国を助け出して守るから』
曇っていた空が夕焼けで赤く染まり綺麗だったがシャルの体と風は冷たかった。
獣人種族を助けると決意した私は王都に行く予定を変え、近くの都市で救出準備を整えて獣人王国へ向かう事にした。
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